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ズボラライフ2 ~新章~

閑話 〜夏祭り4〜

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カルロ視点


大きな爆発音と共々に、色とりどりの花が夜空に咲き誇る。
そして星が降るようにキラキラと輝き消えていく。

人々はその光景に見惚れ、暫し時間が止まったかのように動けなくなった。

神々も、神王様がいらした大きな乗り物も、いつの間にか姿を消し、不思議と気分が高揚する音楽が鳴り響いていた。

「よぉ、カルロ」

いつの間に居たのか、ロードが後ろから、串焼のようなものを食べながら声を掛けてきた。反対の手には金色の飲み物を持っていて、“ユカタ”という衣装がいやに似合っている。

コイツこそが、あの神王様のつがいなのだが、とてもそうは思えない。

「ロード。君がここにいるという事は、神々は姿を消したんじゃなく、この中に混じって楽しんでいるという事だね」
「おうよ。皆ミヤビが用意した“ユカタ”に着替えて遊んでるぜ」
「そうか。ミヤビ殿達はどうしたんだい?」
「ん? あそこでヴェリウスとトモコと“たこ焼き”買ってる。オメェも早く買わねぇと売り切れんぞ」

なるほど。平然と屋台に並んでいるのは神々で、呆然としている人々は人間か。
人間たちも暫くして、屋台から香る良い匂いに惹かれ、次々と好きな屋台に集い始めている。

「それは大変だ。浮島の食べ物はどれも美味しいからね。せっかくだから、ミヤビ殿が買っている“タコヤキ”とやらを買いに行ってみるよ」
「おう。陛下も、んな所でボーッとしてねぇで楽しめよ」

あ、そうだ。陛下を忘れていた。

「ロリーオ様、ルーベラ様、さっそく屋台で食べ物を購入してみましょうか」
「ハッ そ、そうだね!! 王妃…じゃなかった。ルーベラ、屋台に行ってみよう」
「は、はい! 陛……ロリーオ様っ」

浮島初心者のお二人は、まだ腕輪の使い方が分からないだろうし、付き添ってあげる必要があるだろう。

「ロード、他におすすめはあるかい?」
「おぅ、ならビールが美味いぜっ これな。屋台のもんとこの酒が最高に合うんだよ!」
「ビールってあれだろう? この間ばーべきゅうで飲んだ」
「そうそう。やっぱビールにゃ何でも合うわ!」
「確かに美味かったけど、シュワッとする飲み物なら、私はシャンパンの方が好みだったかな」

ビール馬鹿は放っておこう。

「さ、ロリーオ様、ルーベラ様、参りましょう」
「う、うん!」
「楽しみですわっ」

賑わい始めた大通りを、私は大人気もなくワクワクとしながら歩き始めたのだ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ルーベンス視点


まさか祭りと言う名の儀式だったとはな。
神々が張り切るわけだ。

厳かな神々の行進から始まったこの夏祭りとやらは、ただの遊びではなかったらしい。
皆が楽しめば楽しむだけ、厄災が祓われるのだとか。

なるほど理にかなっている。

「旦那様、先程の空に咲くお花、綺麗でしたわね……」
「ああ。そうだな」
「旦那様、わたくしは早く美味しいものをいただきたいわ!」
「わたくしも!!」
「ハハッ では屋台に行くとするか。腕輪の使い方は皆分かっているかね?」
「分かっておりますわ~」
「だってわたくし達、よくこちらに伺っておりますもの!」
「わたくし、チュロスを全制覇しましたのよ~」
「私なんて、新作のポップコーンのフレーバーを制覇したわよ!」

なんと、妻達は私がいない間も浮島に通っていたようだ。

「そ、そうかね。君達が楽しんでくれていて嬉しいよ……」

何やら複雑な気持ちだがね。

「さぁ、今日は思い切り楽しむと良い。それが世界の為になるのだからね」
「「「「はいっ」」」」



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雅視点


「ところで、盆踊りの3曲目って結局何にしたの?」

トモコに秘密だと言われ続けた盆踊りの3曲目だが、すごく気なる。

「だから秘密だよ~。皆が踊りだしたくなる曲にしたから心配しないでって言ったでしょ~」
「だから心配なんですけど!? さっきの百鬼夜行みたいなのもそうだし、トモコには前科しかないからね!」
「え~? でも悪くなかったでしょ~」

全然反省してないな。

「まったく……」

と、ここでたこ焼きを食べて仕方ない奴だと余裕ぶっこいていた私をぶん殴りたい。

だってトモコのチョイスした3曲目は、


「バブリーダンスやないかァァーーーーーーい!!!!!!」


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