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番外編
ロビン10歳。街に遊びに行きたいの!!
しおりを挟むこれは少しだけ未来のお話━━…
ロビン視点
わたしの名前はロビン(10)。ごく普通の女の子。
家族構成は、パパとママと双子の弟。それにペットのヴェリウスと、お姉ちゃんなのに妹みたいに手が掛かるトモコ、そしてショコラ。他にも珍獣達やお兄ちゃん達もいて大家族よ!!
パパはこのルマンド王国の騎士団の、“シダンチョウ”とかいう役職についているみたいだけれど、よく知らないわ。
ママは森の中で暮らしてる。“ヒキコモリ”っていう役職よ。 たまにお外に出るけれど、すぐに家に帰ってくるの。
そして双子の弟のディーク。顔も性格もママに似て、あまりお外に興味がないみたい。いつも家でゲームをしているわ。
きっと将来はママと同じ“ヒキコモリ”って役職につくと思うわ。
勿論わたしもゲームは好きだけど、もっとお外で遊びたいの!
トモコが言ってたわ。“ルマンドの街”には沢山のお店があって、人で賑わってるって!!
知ってる? “街”ってね、何でもあるんですって!!
だから、“街”に行って可愛いお洋服を買ったり、レースのハンカチや可愛い雑貨、もこもこのヴェリウスみたいなぬいぐるみに、可愛い鉄アレイなんかも見てみたい!!
そりゃあお洋服はママが作ってくれるのも可愛いけど、“街”にはきっともっと可愛いものが沢山あると思うの!!
森の中では珍獣の皆やトモコ、ショコラも一緒に遊んでくれるけど…やっぱり同じ年の子達とも遊びたいわ。
ママは“街”には連れて行ってくれないし、パパだってお仕事が忙しいみたいで連れて行ってくれない。
たまのお休みの時もママに付き合って森に居るか、天空神殿に遊びに行くか。
天空神殿は楽しいけど、同じ年の子がいないからつまんない。
だから決めたの。
わたし、一人で“街”に行くわ!!
いつもパパが使ってる扉が街に繋がっているのは知ってるもの。あれを使えば簡単に街に行けるわ。
街では“オカネ”っていうのが必要なのよ。
“オカネ”はトモコが持ってたから一枚貰った事があるの!! いつか使うかもって大切にとっておいたのよ。それがあれば大丈夫でしょ?
よし! ママお手製の“何でも入るアニマルリュック”にパパの作ってくれたおやつと、冷蔵庫に入ってたジュースも入れたし、“オカネ”も入れた。ゲームとスマホと、
「うーんと…後は何を持って行けばいいのかなぁ? あ!! “ヒッキーの棒”!!!!」
ヒッキーの棒があれば、“暴れん坊な将軍様”みたいに悪者退治も出来るものね!!
準備完了!!
ママ達は珍獣村に行ってるし、ディークもリビングでゲームに夢中だわ。行くなら今!!
わたしはこっそり、パパがいつも使ってる扉へ向かったの。
ドキドキしながらノブに手をかけて押したわ。でもね、扉が重くて開かない。
「どうしてよ…もう少しで憧れの“街”なのに!!」
わたしは力いっぱい体当たりしたわ!!
「どっせーーーーい!!!!」
するとバチンッて音が鳴って、扉が開いたの!!
ついに、憧れの“街”が目の前に━━……
「え…お部屋?」
目の前にあったのは机と椅子、ソファがあるお部屋だった。
どうして? 扉を潜ったら“街”に行けると思ってたのに…知らないお部屋に来ちゃった。
“街”じゃないことにがっかりしたけれど、もしかしたらお外に出ると“街”かもしれないもの。
そう思ってこのお部屋から出たのだけど、このお家、とっても広いみたい。まるで天空神殿のように、廊下がずーっと続いているわ。
「誰もいない…」
こんなに広いお家なのに廊下には誰もいなくて、どんどん不安になってくる。
「どっちに行ったらいいの…?」
とりあえず右に進んでみることにしたの。
突き当たりまで歩いてみて階段を見つけたから、階段を下って外を目指す。きっと外は夢にまで見た“街”のはずだから。
そう思うと気持ちが急いて、どんどん歩く速度が早くなって、走り出してたわ。
「ッ…外、」
やっと外が見えたと思ったの。
「何者だ!!」
突然、怒鳴るような大声で話し掛けられてビクリと身体が震えたわ。だって怒ってるみたいな声なんだもの。
「何故子供が城の中から…っ」
「今日は子供連れでの登城は報告されていなかったはずだが…」
知らないおじさん達がわたしを囲んで何か話しているの。
もしかして、このおじさん達悪い人達なの…?
「とにかく、騎士団へ連れて行くぞ」
おじさん達はわたしの身体に触れようとしたのよ。
だから、この人達がトモコの言ってた“ロリコン”ってやつなんだと思ったの。
「触らないで!! このロリコン!!」
「ロ…!? 」
「お、おいお嬢ちゃん、どこから出したの!? その棒!!」
アニマルリュックから“ヒッキーの棒”を取り出すと、わたしはおじさん達に斬りかかったわ。
「成敗!!」
「「ぐふぉッ!!」」
おじさん達はとっても弱かったのよ。
ヒッキーの棒を軽くふっただけなのに倒れちゃった。
「もしかして、子供だから手加減したのかしら?? 遊んでくれてたとか?」
その場を後にしながら、そんな事を考えていると、外に繋がる門が見えたの。
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