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第三章

冒険者ギルドにやって来た!!

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「ーー…ではこれで冒険者の登録を完了させて頂きます」

受付の恰幅の良いお姉さんが淡々と事務作業をこなし、私達にアメリカの軍人が持っているようなドッグタグを渡してきてからやはり淡々とそう言葉にされた。
ちなみに私達が渡されたドッグタグは赤色で、冒険者のランクが上がる毎に色が変わるらしい。

Gランク…赤色(←私達は今ココ)
Fランク…黄色
Eランク…緑色
Dランク…青色
Cランク…紫色
Bランク…白色
Aランク…ブロンズ
Sランク…シルバー
SSランク…ゴールド

というように変わっていくのだそうだ。上位3ランクについてはどこぞのセイントのようだと思ったが口にしない。

「成る程~。AランクはSSランクを凌ぐ力を持ってるかもしれないんだね」
「は? いえ、Aランクは一定数おりますが、SSランクは現在この世界でたった1名のみですので、かなりの力差があるかと」
「ブロンズをなめたらダメだよ。ブロンズはアテナの血でゴールドを超え…いたぁい!! みーちゃん何するのぉ!?」

何するはこっちの台詞ゥゥゥ!!

「お前が何やってんのぉぉ!? オタク丸出しでお姉さんに絡むんじゃありません!!」

トモコの頭にげんこつを入れてズルズル引っ張り受付から離れる。「主様待って下さい~」と後ろをショコラも付いてきているが、目立って仕方がない。
さっきからジロジロと筋肉達磨みたいなムキムキの厳ついおじさん達に注目され、ここに居辛くてさっさとこの建物を立ち去りたいのだ。

薄汚れた3階建てのレンガ造りの建物内1階、40帖程の1フロアに受付が3ヵ所と、旅行会社や郵便局のようなイメージに近い場所へトモコとショコラ、そして私の3人でやって来たのはついさっき。
正面玄関の外側に、剣とモンスターの絵が描かれた看板を堂々と掲げているこの場所は、そう。“冒険者ギルド”である。

何故私達がそんな場所に居るかというと、トモコが人族の神に就任してから後にその原因がある。


◇◇◇


「何ここーーー!!! 何なのこの夢のような場所ーー!!!」

天空神殿のゴシック建築ゾーンの一角にあるバルコニーから浮島を見渡して叫ぶトモコに、ヴェリウスとランタンさんがドヤ顔で説明している。私は後ろで目を細めて心友の様子を眺めていた。ロードに抱き上げられてな。

「最っっ高ォォーーーーッッ」

両拳を高々と上げて吠える様は、まるで少年漫画の主人公のようだと1人ほのぼのする。

「下の浮島にある街にはどんな人が住んでるの!? やっぱりドラゴンとか竜神とか!?」

キラキラした瞳でヴェリウスとランタンさんに聞いているトモコの顔が、その後の説明で固まった。いや、何やらプルプル震えている。どうしたのだろうか?

「みーちゃァァァん!!! 何って勿体ない!!! 浮島に誰も住んでないってどういう事!?」
「え…いや、創ったばかりだし…これから住人を募集しようかなぁって……でも面倒になってきたからもう無人でもいいか「みーちゃん!!!」…ハイ」

トモコの鬼気迫る顔に姿勢を正す。

「住人募集、私が付き合うよ!!」

またもやサムズアップされ(しかもウィンク付)、嫌な予感しかしなかった。

しかしそれからトモコの神としての勉強…主に力の制御に思ったより時間がかかり、教師陣として迎えたヴェリウス、ランタンさん、魔神の少年(名前を忘れた)が1ヶ月付きっきりでスパルタ教育を施しているらしかったのでトモコに余裕はなく、天空神殿の住人の事はすっかり頭の片隅に追いやられ、私は問題なくズボラライフを満喫していたのだが…

今朝になってからそれは急変したのだ。

1ヶ月前から深淵の森の家を増築し、一緒に暮らしだしたトモコに早朝からたたき起こされ、あれよあれよという間にショコラと共に連れ出された先が“冒険者ギルド”であった。

ロードが居れば止めてくれたかもしれないが、偶々今日は早出だった為に不在であった。

勉強はどうしたと聞けば、やっと制御が出来るようになったから今日は久々の休みなんだとか。つまりトモコから解放されたヴェリウスはこちらへは関わってこないわけで、誰にも止められる事なく、ここ…ルマンド王国の王都にある冒険者ギルドへと連れて来られたわけだ。
ちなみに何故ルマンド王国かといえば、単純に森から一番近いのがここだったからだとか。

そして冒頭の冒険者登録へと戻るわけだが…周りの良く言えば筋肉達磨達…悪く言えば破落戸が、絡んでくる気満々で異世界冒険者ギルドあるあるの結末しか見出だせないのだが、どなたか助けていただけませんかーーー?!
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