継母の心得 〜 番外編 〜

トール

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番外編 〜 ミーシャ 〜

番外編 〜 ミーシャの日常 授業参観編4 〜

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ミーシャ視点


結局、馬車の事はお父様に相談したのだが、「お前が心配することは何もない。学業を頑張りなさい」と言われてしまい、それ以上は何も言えなかったのだ。

なぜ父がそんな風に言ったのか、翌日のアカデミーの噂で、全てが明らかになる。

「おいっ、聞いたか!」
「聞いた!! 参観日に、皇帝陛下とディバイン公爵閣下が視察に来られるんだろ!! あれ、本当の噂なのか!?」
「マジらしい。どうやらロペス侯爵令嬢が、皇太子殿下の婚約者候補だから、様子を見に来るんじゃないかって事らしいけど」
「あー、やっぱりロペス侯爵令嬢が本命かぁ」
「でもディバイン公爵令嬢に決まりとか言われてなかったか?」
「ディバイン公爵令嬢は、公爵閣下が溺愛していて、嫁に出さないって噂だろ」

つまり父は、皇帝陛下と共に、堂々とディバイン公爵閣下としてやって来る気なのだ。

「せっかく、チロちゃんとアオが変装を提案してくれたのにな……」

お母様はノリノリだったっていうのに……きっとアオがつけ髭すすめて、お母様に似合わないって言われたから、変装が嫌になったんだ。

「オーロラ様、もうオーロラ様に決まりですね!」
「何といっても皇帝陛下がいらっしゃるというのですもの!」
「ミーシャ様はお越しにならないのかしら……」
「ディバイン公爵令嬢は、公爵閣下が外出を禁止されていらっしゃるとか。……まぁ、貧乏男爵の方のミーシャはアカデミーにいますけれど」
「いやねぇ。公爵令嬢と同じ名前にだなんて、恥ずかしくないのかしら」

ずっと思っていたけど、私は何でロペス侯爵令嬢のお友だちに目の敵にされているのだろうか??



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ミーシャの担任視点


~ 職員室では ~


「───警備は、近衛の他にも皇城から騎士団が派遣されるらしい」
「この国のトップ3が来るんだ。何かあってからでは遅い。アカデミー側からも警備の強化が必要なのでは!?」

昨日からの緊急会議は今日も続き、午前中は全学年が自習となるだろう。
それもそのはず、あの韜晦皇帝と名高い、グランニッシュ帝国の太陽と、それを支えるもう一つの太陽、皇后陛下、そしてグランニッシュ帝国の柱と言われるディバイン公爵閣下が、このアカデミーに視察に来られるのだ。

「ディバイン公爵閣下は、奥方を連れて来られるのだろうか……」

一人の教師の発言で、皆の脳裏に5年前の参観日が過った。

そう、アベル公子様の参観日だ。当時アベル公子様の担任だった副学長も、生徒たちも大興奮し、授業にならなかった上、他のクラスの生徒も集まって大混乱した事は記憶に新しい。

10年前の皇太子殿下とノア公子様の時代はもっと大変だったそうだ。
私はその頃教師ではなかったので人伝に聞いただけなのだが、アベル公子の頃を思うとゾッとするほどだ。

「恐らく、陛下が視察されるのは、皇太子殿下の婚約者候補と噂されるロペス侯爵令嬢のクラスだろう」

まさか、私のクラスが……っ

「先生、大丈夫ですか?」

何が起こるか分からなくなってしまった授業参観に、緊張の色が隠せなかったのか、隣に座っている教師から心配されてしまった。

「ええ、大丈夫です。生徒たちに危険のないよう、万全の注意をはらいますので」

3日後に迫った授業参観は、絶対に成功させなければならない。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



~ おまけ ~

テオバルド視点


『テオ、ヒゲつける!!』
「まぁっ、テオ様がおヒゲ? 絶対素敵ですわ!」

ミーシャから、授業参観は変装して来て欲しいと言われ、寝る前の貴重な二人の時間に、ベルとどんな変装をするのか話していたら、青いキノコが邪魔をしにやって来た。
しかもつけ髭をしろとまで言ってくる。

まぁ、ベルがそこまでいうのなら、やぶさかでないが。

翌日、早速つけ髭を手配し、愛する妻の前で付けてみたのだが……、

『テオ、おもしろーい!!』
『テオ、ニアワナイノ……』
「…………っ」

呼んでもいない妖精がやってきて、馬鹿にするだけでは飽き足らず、ウォルトまで……表情を変えずに肩を震わせるという器用な笑い方をするではないか。

「ま、まぁ……っ、テオ様、その、びっくりするほど似合いませんわ」
「!?」

“二度とつけ髭は付けない”

この日、私はそう心に決めたのだ。

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