110 / 187
番外編 〜ノア5歳〜 〜
番外編 〜 こんにちは、赤ちゃん 〜 ノア5歳 ノア視点
しおりを挟むノア視点
かわいい、かわいい、あかちゃん。
ちいさくて、ぷにぷにのおてて、ぷっくりふくれたほっぺ。
あまくて、おいしそおなにおい、するの。
おかぁさま、わたしのおてても、ほっぺも、ちいさくてかわいいっていうけど、あかちゃん、もっとちいさくて、かわいいのよ。
スフレパンケーキみたいに、ふわふわなの!
「ふに……」
「あっ、しゃべった!」
あかちゃんね、ちいさなこえで、ぷぅ、ふに、ぅぶ、って、おしゃべりしてるの!
「フフッ、お兄ちゃんは赤ちゃんに夢中ね」
おかぁさまが、わたしをなでなでしてくれるの、だぁいすき! わたしも、あかちゃん、なでなでしてあげるのよ。
おかぁさまみたいに、やさーしくよ。
「よしよし。いいこね」
おめめのそばは、なでちゃだめ。あぶないの。
「ぅ…ぶぁぅ」
「おかぁさま、あかちゃん、なんていってるの?」
しゃべってるけど、わたしには、あかちゃんのおはなし、わからないの。
「お兄ちゃん、なでなでしてくれてありがとうって言ってるのよ」
おかぁさますごい。あかちゃんのことば、わかるのね!
「ふふっ、わたし、おにぃちゃん!」
「そうよ。とっても優しいお兄ちゃん」
でもね、
「ふぇっ、ふぇ……っ」
「あかちゃん、ないちゃった!」
あかちゃん、かなしくなっちゃった?
「あら、お腹が空いちゃったのかしら」
「あかちゃん、おなかすいた? おやつ、いる?」
わたしのおやつ、わけてあるげるのよ。
「赤ちゃんは、まだノアの食べてるおやつは食べられないの」
わたしのおやつ、あかちゃんたべないって。じゃあ、なにたべる?
「あかちゃんは、お乳を飲むのよ」
「おちち?」
「そうよ。今からおかぁさまが、赤ちゃんにお乳をあげるから、見ていたら良いわ」
おちち、なぁに?
「奥様、いくら幼いとはいえ、ノア様は男の子ですよ!?」
「あら、カミラ。赤ちゃんがどうやってごはんを食べるのか、幼いうちにきちんと知識をつけてあげるべきですわ」
「ですが……」
カミラ、どおしたの?
「私も奥様の意見に賛成でございます。幼い頃にきちんと子育ての知識を学ぶことは、将来ノア様のお役に立つ事でしょう」
「マディソン侍女長……。お二人がそう仰るのでしたら……」
ないてるあかちゃん、おかぁさまがだっこして、おようふくから、おむね、だしたのよ。おきがえかしら??
そしたらね、あかちゃん、おむねパクって、たべちゃったの!
「おかぁさま! あかちゃん、おむね、たべてるのよ!?」
あかちゃんのごはん、おかぁさま!? イヤッ、おかぁさまが、たべられちゃうの!!
「あかちゃん、ダメなのよ! わたしのおかぁさま、たべないで!!」
「あらあら、ノア、赤ちゃんは、お母様のお胸から出てくるミルクを吸っているのよ」
おかぁさま、あかちゃんからまもろうとしたの。そしたら、あかちゃんたべてるの、おかぁさまじゃなかったのよ。
「おかぁさま、おむねから、ミルクでる?」
「そうよ。赤ちゃんを生んだらね、赤ちゃんの為に出るようになるのよ」
「!? おとぅさま、でる?」
「まぁっ! フフッ、お乳が出るようになるのは、赤ちゃんを生んだ女の人だけですわよ」
カミラも、までぃそんも、ニコニコわらってる……。しってたなら、おしえて!
「あかちゃん……、おいしそおね」
「そうね。お腹ペコペコだったたのね」
「いっしょお、けんめえ、かわいいの」
ずっとみていたら、おねむになってきたの。
「ノア? ……おねむかしら。カミラ、わたくしの横に寝かせてあげてくれる?」
「はい。奥様───……」
◇◇◇
「───私の孫たちは可愛いねぇ」
「お父様、二人が起きてしまいますわ。しーですわよ」
「あぁっ、ごめんねイザベル。でも、報せを聞いて慌ててやって来た甲斐があったよ」
「良いタイミングでしたわ。兄弟並んで眠っているんですもの」
「ああ。可愛い天使たちのお昼寝だね」
……おかぁさまと……おじぃさまのおこえ……。
おっきしなきゃ……、でも……おめめ、あかないの……。
も、ちょっとおねむ、しゃせて、ね。おっきしたら、ちゃんとごあいさつ、しゅるか、ら───……。
1,705
お気に入りに追加
8,415
あなたにおすすめの小説

愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です

夫の隠し子を見付けたので、溺愛してみた。
辺野夏子
恋愛
セファイア王国王女アリエノールは八歳の時、王命を受けエメレット伯爵家に嫁いだ。それから十年、ずっと仮面夫婦のままだ。アリエノールは先天性の病のため、残りの寿命はあとわずか。日々を穏やかに過ごしているけれど、このままでは生きた証がないまま短い命を散らしてしまう。そんなある日、アリエノールの元に一人の子供が現れた。夫であるカシウスに生き写しな見た目の子供は「この家の子供になりにきた」と宣言する。これは夫の隠し子に間違いないと、アリエノールは継母としてその子を育てることにするのだが……堅物で不器用な夫と、余命わずかで卑屈になっていた妻がお互いの真実に気が付くまでの話。

〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】記憶を失ったらあなたへの恋心も消えました。
ごろごろみかん。
恋愛
婚約者には、何よりも大切にしている義妹がいる、らしい。
ある日、私は階段から転がり落ち、目が覚めた時には全てを忘れていた。
対面した婚約者は、
「お前がどうしても、というからこの婚約を結んだ。そんなことも覚えていないのか」
……とても偉そう。日記を見るに、以前の私は彼を慕っていたらしいけれど。
「階段から転げ落ちた衝撃であなたへの恋心もなくなったみたいです。ですから婚約は解消していただいて構いません。今まで無理を言って申し訳ありませんでした」
今の私はあなたを愛していません。
気弱令嬢(だった)シャーロットの逆襲が始まる。
☆タイトルコロコロ変えてすみません、これで決定、のはず。
☆商業化が決定したため取り下げ予定です(完結まで更新します)

転生先が意地悪な王妃でした。うちの子が可愛いので今日から優しいママになります! ~陛下、もしかして一緒に遊びたいのですか?
朱音ゆうひ
恋愛
転生したら、我が子に冷たくする酷い王妃になってしまった!
「お母様、謝るわ。お母様、今日から変わる。あなたを一生懸命愛して、優しくして、幸せにするからね……っ」
王子を抱きしめて誓った私は、その日から愛情をたっぷりと注ぐ。
不仲だった夫(国王)は、そんな私と息子にそわそわと近づいてくる。
もしかして一緒に遊びたいのですか、あなた?
他サイトにも掲載しています( https://ncode.syosetu.com/n5296ig/)
若奥様は緑の手 ~ お世話した花壇が聖域化してました。嫁入り先でめいっぱい役立てます!
古森真朝
恋愛
意地悪な遠縁のおばの邸で暮らすユーフェミアは、ある日いきなり『明後日に輿入れが決まったから荷物をまとめろ』と言い渡される。いろいろ思うところはありつつ、これは邸から出て自立するチャンス!と大急ぎで支度して出立することに。嫁入り道具兼手土産として、唯一の財産でもある裏庭の花壇(四畳サイズ)を『持参』したのだが――実はこのプチ庭園、長年手塩にかけた彼女の魔力によって、神域霊域レベルのレア植物生息地となっていた。
そうとは知らないまま、輿入れ初日にボロボロになって帰ってきた結婚相手・クライヴを救ったのを皮切りに、彼の実家エヴァンス邸、勤め先である王城、さらにお世話になっている賢者様が司る大神殿と、次々に起こる事件を『あ、それならありますよ!』とプチ庭園でしれっと解決していくユーフェミア。果たして嫁ぎ先で平穏を手に入れられるのか。そして根っから世話好きで、何くれとなく構ってくれるクライヴVS自立したい甘えベタの若奥様の勝負の行方は?
*カクヨム様で先行掲載しております
[完結]いらない子と思われていた令嬢は・・・・・・
青空一夏
恋愛
私は両親の目には映らない。それは妹が生まれてから、ずっとだ。弟が生まれてからは、もう私は存在しない。
婚約者は妹を選び、両親は当然のようにそれを喜ぶ。
「取られる方が悪いんじゃないの? 魅力がないほうが負け」
妹の言葉を肯定する家族達。
そうですか・・・・・・私は邪魔者ですよね、だから私はいなくなります。
※以前投稿していたものを引き下げ、大幅に改稿したものになります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる