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第二部 第3章
461.ノア、注目を集める
しおりを挟む「まぁっ、ぺーちゃん、なんて可愛いのかしら!」
満更でもない様子で胸を張るぺーちゃんは、もうすぐ開催される七神祭に向けて、洋服を新調している所だ。
デザイナーさんが頑張って、仮縫いまでした服を現在試着中で、「動いたらダメですよ」と言われ、カチンと音がしそうなほど固まっていた所、あまりにも可愛いので、褒めに褒めると、このように可愛い反応が返ってきたというわけだ。
「ぺーちゃん、とっても、かっこいーのよ」
隣で同じように、仮縫いの正装を試着しているノアが、ニコニコしながらぺーちゃんを褒める。
「にょあ、ぺぇちゃ、きゃっくぅ、みー!」
「まぁっ、ノアもとっても格好良いですわ!」
お揃いの正装を纏い、うふふと笑い合う様子は、まさに仲良し兄弟だ。
「おかぁさま、わたち、おとぅさまより、かっこいー?」
もじもじと、恥ずかしそうに聞いてくる息子の、なんと愛らしい事か。
「フフッ、そうね。お父様より格好いいですわ」
「にょあ、みゃおー、にょっぃ、きゃっくーぃ!!」
「うふふ、わたち、おとぅさまに、かったの!」
あらあら、ノアにとってテオ様はライバルですわね。
「それでは奥様、こちらで本縫いに入らせていただきます。仕上がりましたらお持ちいたしますので、よろしくお願いいたします」
「ええ。急がせてしまい、申し訳ありませんが、頼みますわね」
デザイナーは、子供たちの可愛らしさに、「お二人の魅力を最大限に引き出せるものをお作りします!」と宣言し、嬉々とした様子で帰っていった。
また一人、陥落させてしまいましたわね……ノアとぺーちゃんが。さすが皆のアイドル天使、そのうち握手会を開いて! なんて声も上がりそうな勢いですわ。
こうして、正装を新調してから暫く後、七神祭に参加する為に、ディバイン公爵家は一家総出で帝都の教会へ赴いたのである。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
~ 帝都教会 ~
イーニアス殿下の祝福の儀でも訪れたこの教会。その主祭壇のそばにはクレオ大司教……いえ、クレオ枢機卿が立っており、わたくしたちは皇族の後ろの席からそれを眺めていた。
周りはクレオ枢機卿が仰っていた通り、一部の高位貴族と、教会関係者で埋まっている。
司教24名と、各教会の司祭約500名が真剣に祈りを捧げる姿は、圧倒される光景だ。
その中で、お揃いの可愛らしい装いのノアとぺーちゃん、皇子らしい正装姿のイーニアス殿下は、ある意味異質であり、とても目立っていた。
チラチラと目を向ける人の多い事。
それもそのはず、実は本日の七神祭で最も重要な、魔力を装置(巨大水晶)に込める役割を担う加護持ちが、何を隠そう、イーニアス殿下とノアなのである。
イーニアス殿下は皇族で唯一の、焔の加護持ちと言われておりますからわかりますけど、ノアは……イーニアス殿下がやるならノアもやるのだ、と譲らなかったのですわ。
祝福の儀を受ける前の子供が、そんな大役を買って出る事自体ありえませんし、何より、祝福の儀を受ける前に魔力は扱えないというのが一般的な考えですから、それはもう、注目を通り越して不安や懐疑的な視線を送られているのですが、テオ様が許可してしまいましたのよ。
「テオ様、ノアは大丈夫なのでしょうか……」
「心配ない。あの子はそこら辺の大人よりも余程、魔力コントロールが出来る」
「いえ、そこは心配しておりませんが、その……祝福の儀の前に魔力を扱うとなると、危険視されますし、ここぞとばかりにディバイン公爵家が攻撃されるのではないかと、そう思いましたの……」
攻撃の口実を与えてしまうことになりかねない事や、それによってノアが傷つくのではないか、という事が心配なのだ。
ノアに何かあっては、大変ではないか。
「ああ……大丈夫だ。ノアならば、他者を黙らせるだけの事は出来る」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
~ ご報告 ~
いつも【継母の心得】をお読みいただきありがとうございます。
皆様の応援が、日々の活力になっております。
8/23~コミックシーモア様で、【継母の心得 コミカライズ】が先行配信(販売)される予定です。
ご興味のある方はぜひ、覗いてみてください。
今後ともよろしくお願いいたします。
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