281 / 377
第二部 第3章
429.ぅんちょとよぃちょ 〜 ノア視点 〜
しおりを挟むノア視点
「おとぅさま、ちんでん、はいれないの……」
とびら、どこにもないのよ。おやしゅみかちら?
「転移陣があるのかもしれん。もしくは、扉や窓を見えないよう幻影魔法がかけられている可能性もある。少し調べてみよう」
「はい!」
おとぅさま、ちんでん、ぐりゅっとまわったの。でもね、なんにもないのよ。
「転移陣は無さそうだが……」
『テオ、ここ、マークある!!』
アオ、なにかみちゅけた?
「これは……ディバイン公爵家の紋章か」
おとぅさまのおめめ、ちょっとおっきくなって、もんちょ……?、さわったの。そちたら、ブワーッて、おかぜふいて、わたちのかみ、ボサボサよ。
「びっくりちた」
「やはり、幻影魔法のようなものがかけられていたらしい」
『とびら、しゅつげーん!!』
とびりゃ、でてきたのね。
「この神殿は、ディバイン公爵家と関わりがありそうだ……」
しょうなの? ちんじゅーと、おともだち、なのかちら?
『テオ、ノア、はいる!!』
「ちんでん、なか、はいれる、のね!」
おとぅさま、ゆっくりすすむの。しょろしょろ、おろちてくれないかちら。わたちね、ありゅきたいのよ。
「ノア、まだ何が起こるかわからない。降ろすのは、安全が確認出来てからだ」
なんにも、おはなち、ちてないのに、わかったの?
「おとぅさま、どうちて、わたち、ありゅきたいって、わかったの?」
「……チラチラと地面を見ているだろう」
『めは、くちほどに、ものをいう!! ベルが、いってた!!』
わたちのおめめ、おしゃべりちた!?
「ノア、目を隠すな。目は話さん」
おめめ、おててでかくちたら、おとぅさま、おめめ、おしゃべりちないって。
「びっくりちた……」
「フッ……、先ほどから驚いてばかりだな」
おとぅさま、わらってりゅ。
『あー!! とびら、しまった!!』
ちんでんのなか、はいったら、とびりゃ、バタンッて、ひとりでにちまったのよ。
「何があるかわからん。油断するなよ」
「はい!」
どきどきしゅりゅの。
おとぅさまに、ぎゅってちて、ちんでんのなか、みたのよ。
「ちろいの」
「ああ。窓すら無いにも関わらず、中が明るいとは、何らかの魔法か……?」
「まほー?」
あっ、おかぁさまの、まほー、ピカーッしゅる!
「おかぁさま、かくれんぼ、ちてる?」
「ベルが? なぜそんな考えになる……」
おかぁさま、わたちない、さびちぃ! むかえ、きてくれたのね!
「おかぁさま、じょこ?」
「ノア、ベルはここにはいない」
「おとぅさま、おかぁさまいりゅ。ピカーッ、ちてる」
「確かにベルは輝いているが……部屋の灯りとは違うだろう」
ちがう……?
『ノア、ベルきてない。いま、ぺーと、いっしょ!!』
「おかぁさま、ぺーちゃんと、いっちょ……」
わたちない、さびちぃ、ない?
「ノア、ベルもノアと私がそばにいないと、寂しいだろう。だから、早く管理者になって、ベルの元へ帰るぞ」
「はい!」
ちゅよくなって、おかぁさまのおそば、かえりゅ!
「この神殿は、上に進むようだ」
くりゅくりゅ、かいだんね。
「おとぅさま、わたち、じぶんで、かいだんのぼりゅ!」
「大丈夫なのか? お前のその手足では、みじか……ゴホンッ」
「だいじょぶなのっ」
「……わかった」
おとぅさまのだっこ、おろちてもらったのよ。
おててちゅないで、かいだん、のぼりゅの。
「ぅんちょ、ぅんちょ」
「……」
「よぃちょ、よぃちょ」
「何だ、その掛け声は」
「? ぅんちょと、よぃちょ!」
「……そうか」
おとぅさま、へんなおかおね。
「どこまで上がればいいのか……」
『テオ、かいだん、まだぜんぜん、のぼってない!! じゅーだん!!』
「……黙れキノコ」
アオもおとぅさまも、ケンカ、めっ、よ。
ふたりが、ケンカちてたら、ちんでんのじゅーっと、じゅーっと、うえから、なにかおちてきたの。
「あれ、なにかちら?」
ふわふわの、ちっさいの……
『───どちゅらさまも、おひかえなちゅって!』
ふわ~って、わたちたちのまえ、おちてきて、きゅうに、おはなちしたの!
「……モモンガ……?」
6,209
お気に入りに追加
32,193
あなたにおすすめの小説
継母の心得 〜 番外編 〜
トール
恋愛
継母の心得の番外編のみを投稿しています。
【本編第一部完結済、2023/10/1〜第二部スタート☆書籍化 2024/11/22ノベル5巻、コミックス1巻同時刊行予定】
【完結】後妻に入ったら、夫のむすめが……でした
仲村 嘉高
恋愛
「むすめの世話をして欲しい」
夫からの求婚の言葉は、愛の言葉では無かったけれど、幼い娘を大切にする誠実な人だと思い、受け入れる事にした。
結婚前の顔合わせを「疲れて出かけたくないと言われた」や「今日はベッドから起きられないようだ」と、何度も反故にされた。
それでも、本当に申し訳なさそうに謝るので、「体が弱いならしょうがないわよ」と許してしまった。
結婚式は、お互いの親戚のみ。
なぜならお互い再婚だから。
そして、結婚式が終わり、新居へ……?
一緒に馬車に乗ったその方は誰ですか?
今日で婚約者の事を嫌いになります!ハイなりました!
キムラましゅろう
恋愛
うっうっうっ…もう頑張れないっ、もう嫌。
こんな思いをするくらいなら、彼を恋する気持ちなんて捨ててしまいたい!
もう嫌いになってしまいたい。
そうね、好きでいて辛いなら嫌いになればいいのよ!
婚約者の浮気(?)現場(?)を見てしまったアリス。
学園入学後から距離を感じる婚約者を追いかける事にちょっぴり疲れを感じたアリスは、彼への恋心を捨て自由に生きてやる!と決意する。
だけど結局は婚約者リュートの掌の上でゴロゴーロしているだけのような気が……しないでもない、そんなポンコツアリスの物語。
いつもながらに誤字脱字祭りになると予想されます。
お覚悟の上、お読み頂けますと幸いです。
完全ご都合展開、ノーリアリティノークオリティなお話です。
博愛主義の精神でお読みくださいませ。
小説家になろうさんにも投稿します。
【完結】殿下の本命は誰なのですか?
紫崎 藍華
恋愛
ローランド王子からリリアンを婚約者にすると告げられ婚約破棄されたクレア。
王命により決められた婚約なので勝手に破棄されたことを報告しなければならないのだが、そのときリリアンが倒れてしまった。
予想外の事態に正式な婚約破棄の手続きは後回しにされ、クレアは曖昧な立場のままローランド王子に振り回されることになる。
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
完璧令嬢が仮面を外す時
編端みどり
恋愛
※本編完結、番外編を更新中です。
冷たいけど完璧。それが王太子の婚約者であるマーガレットの評価。
ある日、婚約者の王太子に好きな人ができたから婚約を解消して欲しいと頼まれたマーガレットは、神妙に頷きながら内心ガッツポーズをしていた。
王太子は優しすぎて、マーガレットの好みではなかったからだ。
婚約を解消するには長い道のりが必要だが、自分を愛してくれない男と結婚するより良い。そう思っていたマーガレットに、身内枠だと思っていた男がストレートに告白してきた。
実はマーガレットは、恋愛小説が大好きだった。憧れていたが自分には無関係だと思っていた甘いシチュエーションにキャパオーバーするマーガレットと、意地悪そうな笑みを浮かべながら微笑む男。
彼はマーガレットの知らない所で、様々な策を練っていた。
マーガレットは彼の仕掛けた策を解明できるのか?
全24話 ※話数の番号ずれてました。教えて頂きありがとうございます!
※アルファポリス様と、カクヨム様に投稿しています。
目が覚めたら夫と子供がいました
青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。
1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
「…あなた誰?」
16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。
シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。
そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。
なろう様でも同時掲載しています。
【完結】幼い頃から婚約を誓っていた伯爵に婚約破棄されましたが、数年後に驚くべき事実が発覚したので会いに行こうと思います
菊池 快晴
恋愛
令嬢メアリーは、幼い頃から将来を誓い合ったゼイン伯爵に婚約破棄される。
その隣には見知らぬ女性が立っていた。
二人は傍から見ても仲睦まじいカップルだった。
両家の挨拶を終えて、幸せな結婚前パーティで、その出来事は起こった。
メアリーは彼との出会いを思い返しながら打ちひしがれる。
数年後、心の傷がようやく癒えた頃、メアリーの前に、謎の女性が現れる。
彼女の口から発せられた言葉は、ゼインのとんでもない事実だった――。
※ハッピーエンド&純愛
他サイトでも掲載しております。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。