継母の心得

トール

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第二部 第2章

321.地下迷宮探検2 〜 ノア視点 〜

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ノア視点


「ダメだ」

ぺーちゃんとおかぁさま、なかまに『すかうちょ』するから、こーごーさまとおはなち、してるところ、みんなでいったのよ。でもね、おとぅさま、いたの。

「おとぅさま、どうちて、ダメ?」
「ベルのお腹の中には赤ん坊がいる。ノア、お前の弟か妹だ。それに、お前も知っての通り、最近少しマシにはなったものの、まだ食も細い。体力もあまりない母を、連れ回すものではない」
「おかぁさま、ダメ……」
「もちろんぺーも、迷宮などとんでもない。赤ん坊だぞ」

おとぅさま、おかぁさまも、ぺーちゃんも、ダメっていうの。

いっしょ、あそべるとおもったの……ダメなのね。

「ノア……お母様も一緒に行きたいのだけど、まだ安定期では……えっと、お腹の赤ちゃんがまだ大きくなっていないから、お散歩程度なら良いのだけど、あまり歩き回る事ができませんのよ……」
「あかちゃん、おっきくなったら、わたちとあしょ、そ、べる?」

おかぁさまと、もっとあしょびたいのよ。

「もちろんよ。それに、今でもおもちゃで一緒に遊んだりはできますわよ」
「たんけんおわったら、おかぁさまと、おもちゃであしょぶ!」
「フフッ、お約束ね」
「おやくそく!」
「にょあっ、ぺぇちゃ、みょ! ぺぇちゃ、ぅきゅ!」

おかぁさまと、ゆびきりよ。ゆびきりすると、ぜったい、おやくそくまもらないと、いけないのよ。
あとね、ぺーちゃん、まだあかちゃんだから、いっちょ、いけないの。

「イザベルふじんも、ぺーちゃんも、なかまにできない……。どうするべきか……」
「残念だったね。イーニアス……」

ざんねんって、だいいち、おーじでんかと、アスでんか、こまりがおよ。

「あら、イザベル様だけ誘って、アタシは誘ってくれないの? つれない息子たちね」
「ははうえ、おいそがしいのでは、ありませんか?」
「まぁ、イーニアス。みくびらないでちょうだい。子供と遊ぶ時間くらい作れるわよ。それに、アタシも地下迷宮は気になっていたのよ」

こーごーさま、なかまになる?

「ははうえが、なかまになった!」
「母上、本当に大丈夫なのですか?」
「ホホホッ、大丈夫よ! 仕事はネロにやらせるわ!」

ネロおじさま、おさそいしないのね。

「……アカ、アオ、そもそも地下迷宮は本当に安全ですの? わたくしが行った時は、大人でも迷いそうなほど入り組んでおりましたのよ。そんな所に幼い子供たちと皇后様を行かせるのは……」
『アカ、みちわかる!』
『アオも、みちわかる!! あんぜん!!』
「イザベル様、アタシがいれば、いざという時転移出来るし、妖精もいるから大丈夫よ!」

こーごーさま、たも、のし……たのも、ちぃのよ!

「心配ですわ……」
「ベル、皇后と妖精がいれば大丈夫だ。それに、迷宮は皇族であれば把握しておく必要がある」
「そうよ、イザベル様。本来なら皇族だけの秘密の通路だし、ノアちゃんは特別よ」

わたち、とくべちゅ?

「マップ作りしてくるわね!」

こーごーさまも、だいいちおーじでんかも、きょおはむずかしいから、ごじにいく……ごじちゅ? いくことになったのよ。

「宝物があるかもしれないわね! 楽しみだわ~!」

たからもの! えほんみたいに、みちゅかるかも! わたちもたのしみ!!

「ぺぇちゃ、みょ!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「タンブラーはベルトに着けていますわね?」
「はい! りゅっくも、おんぶちたの!」
「フフッ、そうね。おんぶしてますわね。リュックの中身は何かしら?」
「おやちゅと、おもちゃよ!」

おかぁさまのつくってくれた、おんぶのカバンね、『りゅっく』っていうの。
しょのなか、おつたえしたらね、おかぁさま、たのししょーにわらってたの。

「お靴はスニーカーを履いていますわね」
「はい!」
「イーニアス殿下にも、ソロモン殿下(第一皇子)にもスニーカーやリュックはお渡ししていますから、今日は皆お揃いですわね」

このおくつ、はやくはしれるの。みーんな、もってるのよ!

『アオのリュック、きのこのかたちー!!』
「アオかわいいのよ」
『えっへん!! アオかわいー!!』

アオ、とってもうれしそーに、おそらとんでる。
おかぁさまは、「気をつけていくのよ」ってとっても、しんぱいそーだから、「だいじょぶよ。たのち…しい、するのよ」っていったら、ぎゅうってちてくれたの。

「おかぁさま、おとぅさま、ぺーちゃん、チロ、いってきます!」
『テオ、ベル、ぺーちゃん、チロ、いってきまーす!!』

ちかめーきゅーのぼうけんに、しゅっぱつだー!!

「ぺぇちゃ、みょ~!!」

ぺーちゃんは、おるすばん、なのよ。

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