継母の心得

トール

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第二部 第2章

318.ノアとアオ、イーニアスとアカ 〜 ノア視点 〜

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ノア視点


たいへん、なのよ。
おかぁさまが、おしょくじ、できないの。

「アオ、わたちね、アスでんかのところ、いきたい!」
『ノア、どーした? アオ、ノアげんきない、しんぱい!!』

アオ、ちんぱい、ありがと。でもね、アスでんかなら、おかぁさま、たしゅけるほおほ、わかるかも、しれないのよ。

「おかぁさま、おしょくじ、できない……しんじゃうの」
『ベル、しぬ!?』
「しょうよ! だから、アスでんかに、ごそおだんするのよ!!」
『うん! アオ、ベルしぬ、いや!! ノア、つれていく!!』

アオはすぐに、アスでんかのところへ、ちゅれていってくれたのよ。


「カミラ様、ノア様はどちらでしょうか? マナーの先生がおみえになっておられますが……」
「ノア様なら今こちらのお手洗いに行かれていますから、先に先生を勉強部屋に案内しておいてください」
「かしこまりました」
「……ノア様、お手洗いはお済みですか? 先生がお越しになっていますので……、あれ、ノア様? 扉を開けますよ。よろしいですか? ……え? ノア様? か、かくれんぼですか……? ノア様……ノア様!? お、奥様~!!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「ノア!? いったい、どうしたのだ?」
『ノアとアオだー!』

わたちが、きゅうにきたから、アスでんかとアカ、おどろいちゃったの。

「アスでんか、きゅうに、ごめんさい」
「うむ。だいじょおぶなのだ!」

アスでんかのちゅくえのうえ、むじゅかちぃごほん、あるの。

「おべんきょ、ちてたの?」
「きょうの、じゅぎょおの、よしゅうを、していたのだ」
「おじゃま、ちたのね……」
「そんなことはない! ノアがきてくれて、うれしい!」

わたちも、うれちい!

『ノア、アスにそーだんする!! ベル、しんじゃう!!』
「あっ、しょ、そーだ! アスでんか、ごそおだんがあるの」
「そうだん?」

わたち、アスでんかに、きょおのあさあったこと、おはなちちたのよ。

「───イザベルふじんが……しんでしまう……? そんな……っ」
『ベル、しんじゃう!? アカ、いや!』
『アオも、いや!!』
「おかぁさま、おしょくじ、たくさんたべるの、どおすればいいとおもう?」

アスでんかは、うでをくむとめをつむって、う~んって、かんがえてくれたのよ。

「そうだ! おいしいものを、あげればいいのだ!」
『アカ、あんこすきー! ネロにたのむ!』
『アオ、クリームすきー! ネロに、つくってもらう!!』
「うむ。ちちうえに、つくってもらおう!」

すごいのよ! アスでんか、すぐに、かいけつほおほ、かんがえてくれたの!

「ネロおじさま、おりょーりじょおず! おかぁさま、おいちい~ちてくれるの!」


◇◇◇


「ちちうえ! おねがいが、あります!」
「どうしたのだ!? イーニアス、それにノアまで、朕の執務室に突然現れて……?」

アカとアオに、ちゅれてきてもらったら、ネロおじさま、おどろいちゃったの。

「ネロおじさま、おかぁさま、たしゅけて!」
「え?」

ネロおじさま、わたちのおはなし、ちんけんに、きいてくれたのよ。

「……なるほど、ディバイン公爵夫人が、食べ物を食べられないのだな。それで朕に美味しいものを作ってほしいということか……よし! 朕に任せるのだ!」

ネロおじさまは、おむねをドンとたたいて、おいちいおりょおり、ちゅくってくれたの!


◇◇◇


『ノア、これでベル、たすかる?』
「だいじょぶよ。おかぁさま、ノア、たしゅけりゅ!」

ネロおじさまが、ちゅちゅんでくれた、おいちいおりょうり、おかぁさまに、おとどけするのよ!

アオとおうちにもどってきて、おとさないよおに、おかぁさまをさがしたの。

おかぁさま、どこかしら?

「───ノア!!」
「おかぁさま!」

おかぁさま、いた!

いちゅも、はしっちゃメッていう、おかぁさまが、はしってわたちのところにきたから、びっくりなのよ。

「無事で良かった……っ」

おかぁさま、わたち、ぎゅうってちてくれたの。わたち、おかぁさまのぎゅ、だぁいすき!

「陛下から連絡があるまで、ずっとノアを探していたのよ……っ」

あっ!! カミラにいわずに、アスでんかのところ、いってたの!!

「心配したんだから……!」
「おかぁさま、ごめんなさぃ……わたち、おかぁさま、しんじゃ……っ、う……ぅえ~」
「ノア……っ」

おかぁさま、かなちぃおかお、ちてる……っ、わたちが、わるいこ、ちたから……

「ごめんなさ……っ、おか、おかぁさまっ、ごめ、なさぃ……っ」
「ノアが無事に帰ってきてくれたから、それだけでいいの……っ、いいのよ……っ」

おかぁさま、わたちといっしょ……。ないてるの。
なかないで。わたち、いいこ、なるから。

「ノア、一人で冒険出来るようになったのね」

おかぁさま……おこってないの?

「お母様ね、ノアが誰にも何も言わずにいなくなるの、すっご~く心配! でもね、幼いノアが一人で皇宮まで冒険できるようになったことは、素晴らしい事だと思いますのよ」
「わたち、すごい?」
「ええ。勇気があって、行動力もあって、素敵よ」

おかぁさま、わたちのおめめ、ふきふきしてくれたのよ。

「おかぁさま、わたち、これ……」

ネロおじさまの、おいちいおりょおり、おかぁさまにおわたち、ちたの。

「ノア、これは……?」
「おしょくじ、たべれない、ちんぱい」

おじさまのおりょおりみて、おかぁさま、またないちゃったのよ。

こんどはわたちが、ふきふきしてあげりゅ!

「これをわたくしに渡す為に、皇宮に行きましたの……?」
「おしょくじ、ない、しんじゃう。だから、たべて。おかぁさま」

わたちが、おかぁさま、まもりゅから。

「にょあ」
「あっ、ぺーちゃん、ただいまなのよ。あれ? までぃしょん!」

までぃしょん、ていと、いるのに、りょーち、いる? どちて?

ぺーちゃん、までぃしょんにだっこ、されてるのよ。わたちにおててのばしてる。かわいいの。

「ご無事で何よりでございました。本日より、このマディソンが奥様とノア様をお守りいたしますので、よろしくお願いいたします」
「ぺぇちゃみょ!」

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