継母の心得

トール

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第二部 第1章

248.皇帝一家、おもちゃの宝箱に行く 〜 イーニアス視点 〜

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イーニアス視点


ははうえが、ノアをむかえにいってから、しばらくして、ちちうえがわたしのみやに、かおをだしてくれた。

「イーニアス! 朕の可愛い息子!! 支度は出来ただろうか?」
「ちちうえ!」

いつものように、りょうてをひろげてくれたので、ちちうえにだきつくと、かるがる、だきあげてくれた。

「よしよし。イーニアス、もう皆は朕の宮に集まっているのだ。支度が出来たのなら、一緒に行こう」
「したく、できています!」
「うむ。朕のイーニアスは良い子なのだ」

ちちうえが、わたしのほっぺに、ほおずりしてくるから、くすぐったい。

「ちちうえ、くすぐったいです」
「うぬ? 朕はイーニアスが可愛くて、つい頬擦りしてしまうのだ。許せ」
「ふふっ、ちちうえ、だいすきです!」
「朕もイーニアスが大好きなのだぞ!」

くるくると、だっこしたまま、まわってくれるから、たのしくて、おおきなこえでわらって、ちちうえのくびにしがみつく。

「さぁ、イーニアス。今日は家族皆で、おもちゃの宝箱に行くのだぞ!」
「はい! たのしみですっ」

ちちうえは、わたしをだっこしたまま、いどう、するものだから、じじょたちがあわてて、ついてきていた。

みな、すまぬのだ。わたしは、ちちうえのだっこが、だいすきだから、このままいどうしたい。

「ちちうえ、きょうは、ノアがわたしのみやに、おとまりするのです!」
「うむ。それなのだが、今日は朕の宮で、皆で眠るのはどうだろうか?」
「あにうえや、あねうえたちも、いっしょですか!?」

みなでいっしょ、はじめてなのだ!

「ぇ、いや、それはさすがにベッドの数が足りぬから、難しいやもしれぬが……」
「そうですか……」

やっぱり、たくさんいるから、みなといっしょはむずかしいのだ……。とてもざんねんだ。

「そうだ! 皆で眠れる大きなベッドを作ったらいいのだ!」
「おおきな、ベッド!」

おへやがぜんぶ、ベッドなのだろうか。ちちうえは、おおきなベッドができたら、みなでねむろうと、やくそくしてくれた。とっても、たのしみなのだ!

「さぁ、イーニアス、そろそろノアも来ている頃だろう。早く行かねばな!」
「はい! きょうは、ノアとたくさん、あそぶのですっ」
「うむ。たくさん遊ぼう」


◇◇◇


「ぴかぴか!」
「うむ。キラキラなのだ!」

おもちゃのたからばこは、いつもよりももっと、たからばこのなかみたいに、ぴかぴかで、キラキラになっていた。

「おおっ、これはワクワクするのだ!」
「店内が赤と白と緑、金色とカラフルに飾り付けられているわね! とっても可愛くて、とっても綺麗だわっ」

ちちうえと、ははうえが、おみせをみて、えがおになった。ソロモンあにうえも、エリザベスあねうえも、ほかのあねうえたちも、みなえがおだ。

「ノア、おもちゃはみなを、えがおにしてくれる」
「はい! みーんな、おもちゃだいしゅきよ」
「うむ。わたしも、おもちゃがだいすきだ」

ノアとなかよしになれたのも、おもちゃのおかげだった。ノアのなづけてくれたゲコリンは、わたしのたからものだ。

「イーニアス、ノアちゃん、まずは皆ですべり台を滑りましょう! 」
「皆でって、まさか、皇女たちもレーテもすべり台をすべる為に、乗馬服を着て来たのか!?」
「当たり前でしょ。ドレスじゃ滑る事ができないじゃない」

ははうえたちが、おうまさんにのる、おようふくだったのは、すべりだいをすべるためだったのか。ずっとははうえと、すべりたいとおもっていたから、うれしい!

「ノア、ははうえと、ちちうえと、あねうえたちといっしょに、すべりだいをしよう!」
「しゅべりだい、しゅる!!」

ノアとかいだんをかけあがり、みなをまつ。
あにうえも、あねうえたちも、わたしたちにてをふって、かいだんをあがってきていた。

「ノア、すべりだいがおわったら、なぞときゲームというものに、ちょうせんだ!」
「はい! わたち、めぇたんてー、なるのよっ」
「うむ! ノアとわたしは、めいたんていだ」

たんていになれるゲーム、すごくおもしろそうだ。
ノアとこのあとすることを、たくさんおはなししたあと、みなでなんども、すべりだいをすべったのだ。

ふと、まわりをみると、スタッフのひとがたくさんいるが、おかおがえがおのまま、カチコチに固まって、うごかない。こうしゃくに、こおらされたのだろうか。それとも、にんぎょうごっこをしているのかもしれない。

「アスでんか、なじょとき、しゅるのよ!」
「うむ!」

にんぎょうごっこも、たのしそうだけど、いまはノアと、めいたんていになるのだ!

「ノア、わたしたちは、めいたんていだ!」
「めいたんていよ!」


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