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09,10&11:リバウンド、どうする?
Aパート
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見慣れない天井だった。
先週、調子に乗って食べたら、食欲が抑えられなくなって。
風邪を引いたから運動しなかったら、リバウンドして。
週末、断食して、体重が減ったのを喜んで。
出勤したら、佐伯さんに合って、挨拶して。
それから。
ガバっ、と起き上がって、周りを見たら、山崎さんがベッド脇の丸椅子に座っていた。
彼女は、膝に手を置いて俯いていたのを、私が起き上がったことで、顔を上げたようだ。
そして、その目は、泣き腫らしていた。
「よかった」
彼女は、手で顔を覆い、泣き出した。
どうやら、私は、佐伯さんの前で、倒れたらしい。
私を抱きとめた佐伯さんは、抱えたままビルのベッドがあるだけの救護室へ運び込み、提携している産業医を呼び出した。
診断では、軽い脱水と低血糖で、点滴までは必要ない、と判断された。
同性である山崎さんが、念のために看病として呼ばれ、佐伯さんは、二人分の仕事をカバーするために、働いている。
佐伯さんに迷惑をかけてしまっていた。
佐伯さんだけではない。
「「ごめんなさい」」
佐伯さんに、私が気がついたことを電話し終えた、山崎さんに謝った声が重なった。
どうして、山崎さんが謝るのだろう?
「ごめんなさい。応援していたはずなのに、こんなことになってしまって、ごめんなさい」
どうして、山崎さんが誤るのだろう?
調子に乗って食べたのも、リバウンドしたのも、断食して倒れたのも、自分のせいだ。
「ごめんなさい。綺麗になってほしかったはずなのに、追い詰めてしまって、ごめんなさい」
「いや、だって、悪いのは」
「ごめんなさい。好きになってしまって、ごめんなさい」
彼女は、連絡を受けた佐伯さんが来ても、泣きじゃくっていた。
「東海林さんは、体調管理に気をつける。山崎さんは、責任を感じすぎない。メッキーも。いいね?」
「「「はい」」」
先週、私が風邪を引いていたこともあって、倒れたのは治りきっていなかったせい。
山崎さんが泣いたのは、部活で私を頑張らせすぎた、と思い込んだせい、で落ち着いた。
あの後、私は、佐伯さんに早退するように言われ従った。
山崎さんも、午後半休をとったようだ。
今朝、出社早々、私たちは集められて、佐伯さんに一言だけ言われた。
気まずさはあったけど、仕事も溜まっていたので、それどころではなかった。
それでも、佐伯さんは、私たちを気遣って、代わりに仕事を処理してくれていたのがわかった。
多分、かなり残業したのだろう。
申し訳ない限りだ。
なんだろう?
ちょっと、佐伯さんに対する気持ちが、萎んでしまっている。
自分への情けなさ、と彼との吊り合いのとれなさからだろうか。
とりあえず淡々、と目の前の仕事をこなしていくことで、一日が過ぎていった。
「今夜、空いて、ますか?」
定時の間近、山崎さんが、恐る恐る、といった感じで話かけてきた。
「うん、部活なら行けるよ」
彼女は、ちょっと困った顔をして、そこに百目鬼君が割り込んできた。
「今日は、部活はお休みです。トレーニング用のマシンが届くので、設置で部室が使えないんです」
じゃあ、何だろう、と山崎さんに顔を向けた。
「しょ、食事に行き、ませんか?」
先週、調子に乗って食べたら、食欲が抑えられなくなって。
風邪を引いたから運動しなかったら、リバウンドして。
週末、断食して、体重が減ったのを喜んで。
出勤したら、佐伯さんに合って、挨拶して。
それから。
ガバっ、と起き上がって、周りを見たら、山崎さんがベッド脇の丸椅子に座っていた。
彼女は、膝に手を置いて俯いていたのを、私が起き上がったことで、顔を上げたようだ。
そして、その目は、泣き腫らしていた。
「よかった」
彼女は、手で顔を覆い、泣き出した。
どうやら、私は、佐伯さんの前で、倒れたらしい。
私を抱きとめた佐伯さんは、抱えたままビルのベッドがあるだけの救護室へ運び込み、提携している産業医を呼び出した。
診断では、軽い脱水と低血糖で、点滴までは必要ない、と判断された。
同性である山崎さんが、念のために看病として呼ばれ、佐伯さんは、二人分の仕事をカバーするために、働いている。
佐伯さんに迷惑をかけてしまっていた。
佐伯さんだけではない。
「「ごめんなさい」」
佐伯さんに、私が気がついたことを電話し終えた、山崎さんに謝った声が重なった。
どうして、山崎さんが謝るのだろう?
「ごめんなさい。応援していたはずなのに、こんなことになってしまって、ごめんなさい」
どうして、山崎さんが誤るのだろう?
調子に乗って食べたのも、リバウンドしたのも、断食して倒れたのも、自分のせいだ。
「ごめんなさい。綺麗になってほしかったはずなのに、追い詰めてしまって、ごめんなさい」
「いや、だって、悪いのは」
「ごめんなさい。好きになってしまって、ごめんなさい」
彼女は、連絡を受けた佐伯さんが来ても、泣きじゃくっていた。
「東海林さんは、体調管理に気をつける。山崎さんは、責任を感じすぎない。メッキーも。いいね?」
「「「はい」」」
先週、私が風邪を引いていたこともあって、倒れたのは治りきっていなかったせい。
山崎さんが泣いたのは、部活で私を頑張らせすぎた、と思い込んだせい、で落ち着いた。
あの後、私は、佐伯さんに早退するように言われ従った。
山崎さんも、午後半休をとったようだ。
今朝、出社早々、私たちは集められて、佐伯さんに一言だけ言われた。
気まずさはあったけど、仕事も溜まっていたので、それどころではなかった。
それでも、佐伯さんは、私たちを気遣って、代わりに仕事を処理してくれていたのがわかった。
多分、かなり残業したのだろう。
申し訳ない限りだ。
なんだろう?
ちょっと、佐伯さんに対する気持ちが、萎んでしまっている。
自分への情けなさ、と彼との吊り合いのとれなさからだろうか。
とりあえず淡々、と目の前の仕事をこなしていくことで、一日が過ぎていった。
「今夜、空いて、ますか?」
定時の間近、山崎さんが、恐る恐る、といった感じで話かけてきた。
「うん、部活なら行けるよ」
彼女は、ちょっと困った顔をして、そこに百目鬼君が割り込んできた。
「今日は、部活はお休みです。トレーニング用のマシンが届くので、設置で部室が使えないんです」
じゃあ、何だろう、と山崎さんに顔を向けた。
「しょ、食事に行き、ませんか?」
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