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09,10&11:リバウンド、どうする?
Bパート
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「じゃあ、体重が変わりましたから、基礎代謝を計算しなおして、ダイエットを仕切り直しましょう」
何事もなかったかのように言う百目鬼君を無視して、猫の手っぽいグローブを外している山崎さんに聞いた。
「それ、私物?」
「はい、もちろん。以前からの私物」
うん、似合ってたけど、黒にピンクの肉球、似合って可愛かったけど、どこから出したのそれ?
「運動習慣はできてきてますから、すぐに取り戻せますよ」
戸惑う私の方がおかしい、とばかりに話を進める百目鬼君。
「喜んでください。正しいフォームができるようになってきてますから、効きがよくて、消費も大きいですよ」
私は、頷きながらも、自分の招いた、リバウンドの事態を、なんとかしたい、と考えていた。
週末を利用して、私は断食した。
水だけ飲んで、教えてもらったスクワットなどを、部屋でやり続けた。
水だけは、大量に飲んだ。
汗が出れば、痩せる気がしたからだ。
とりあえず、体重が減れば、なんでもよかった。
自分の目的は、綺麗になって、佐伯さんに振り向いてもらうことなのだから、手段はどうでもよかったのだ。
今より、ほっそりすれば、自分にも自信がついて、きっともっと変われる。
筋肉痛?
筋肉の回復?
そんなの、もうどうでもよかった。
ただただ、痩せたかった。
週明け、私は筋肉痛でギクシャク、と出社した。
体重は、この週末で、かなり減っていた。
これを続ければ、すぐにもっと綺麗になって、
「東海林さん、おはよう」
「あ、おはようございます。佐伯さん」
今朝も佐伯さんは、素敵だ。
会えて幸せな気分になったからか、ふわふわする。
「あれ?」
「はい?」
佐伯さんが、心配そうな顔をして、その表情が、遠くなっていった。
いやだな、佐伯さん、笑ってよ。
少しは、痩せて綺麗になったんだから。
何事もなかったかのように言う百目鬼君を無視して、猫の手っぽいグローブを外している山崎さんに聞いた。
「それ、私物?」
「はい、もちろん。以前からの私物」
うん、似合ってたけど、黒にピンクの肉球、似合って可愛かったけど、どこから出したのそれ?
「運動習慣はできてきてますから、すぐに取り戻せますよ」
戸惑う私の方がおかしい、とばかりに話を進める百目鬼君。
「喜んでください。正しいフォームができるようになってきてますから、効きがよくて、消費も大きいですよ」
私は、頷きながらも、自分の招いた、リバウンドの事態を、なんとかしたい、と考えていた。
週末を利用して、私は断食した。
水だけ飲んで、教えてもらったスクワットなどを、部屋でやり続けた。
水だけは、大量に飲んだ。
汗が出れば、痩せる気がしたからだ。
とりあえず、体重が減れば、なんでもよかった。
自分の目的は、綺麗になって、佐伯さんに振り向いてもらうことなのだから、手段はどうでもよかったのだ。
今より、ほっそりすれば、自分にも自信がついて、きっともっと変われる。
筋肉痛?
筋肉の回復?
そんなの、もうどうでもよかった。
ただただ、痩せたかった。
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体重は、この週末で、かなり減っていた。
これを続ければ、すぐにもっと綺麗になって、
「東海林さん、おはよう」
「あ、おはようございます。佐伯さん」
今朝も佐伯さんは、素敵だ。
会えて幸せな気分になったからか、ふわふわする。
「あれ?」
「はい?」
佐伯さんが、心配そうな顔をして、その表情が、遠くなっていった。
いやだな、佐伯さん、笑ってよ。
少しは、痩せて綺麗になったんだから。
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