上 下
30 / 59
07:チューブ、どうする?

なぜ?なに?とれーにんぐ:脂肪ってナニ?

しおりを挟む
「おにいさんのメッキーです」
「アシスタントのサッキーだよ。ねえねえ、おにいさん」
「なんですか、サッキー?」
「脂肪って、ナニ?おにいさん」
「簡単に言えば、動物の体内で貯蔵、保温、保護、と三つの役目を持っています」
「じゃあ、脂肪ってないとダメなの?」
「極端に言えば、そうですね。ホルモンの原料にもなりますから、体脂肪率が十パーセントを切る、と生理が止まるなどの健康障害が出る場合があります。マラソン選手などで問題になったりします」
「じゃあ、脂肪を減らすのって、無理なの?」
「極端に言えば、そうですね。生物の本能として、脂肪を減らすことは、万が一の時、エネルギーなどが足りなくなり、体温が保てず、怪我が内臓に届く、などの可能性つまり死亡の確率を高めるので、難しいのが現実です」
「食料が豊富になったら、生存を高めるシステムで健康じゃなくなるなんて、最悪だね。おにいさん」
「このシステムの性質上、重要度が低い手足の末端から、脂肪が減っていき、重要な臓器があるのに骨に囲まれていない腹部は、脂肪が減る順番が、一番最後になります」
「一番痩せてほしいお腹の脂肪が、一番減らないなんて、最悪だね。おにいさん」
「ただ、今のは皮下脂肪の話で、内臓脂肪は優先的に減るので、ダイエット当初にウェストが細くなるのは、このためです」
「腹筋したから、ウェストが細くなったんじゃないんだね?おにいさん」
「脂肪が減るのは、内臓脂肪、手足、腹部の順番ですから、部分痩せというのは、無理です。腹筋をして、お腹が熱くなるのは脂肪が燃えている証拠、ではなく筋肉が発熱しているだけです」
「うわ、怖いね。おにいさん」
「カロリー消費目的で筋肉を動かすなら、足やお尻、背中、胸などの大きな筋肉を有酸素で。腹筋のような薄い筋肉は、効率が悪い、と言えます」
しおりを挟む

処理中です...