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連合、まで
炬燵
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リビングで過ごす、と寒い。
広いので、二百ボルトとはいえ、エアコンだけだと、背中が寒いのだ。
雪さんは、ホットカーペットで背中を暖めることで、凌いでいるようだ。
僕も真似をするが、本を読むには、辛い。
石油ファンヒーターも考えたが、半地下なのもあって、結露しそうだ。
そこで、ついに炬燵を買ってしまった。
一番小さいサイズだけど、僕と雪さんだけだから、十分だ。
でも、中でゴロゴロしたいので、炬燵布団などは、一回り大きめのにした。
炬燵布団が届いた時点で、雪さんはビニールでパックされた上に乗って、早く中身を出せ、と騒いでいた。
それは放置して、炬燵の本体テーブルを組み立てる。
足をつけるだけなので、本棚を組み立てた僕には、楽勝だ。
雪さんは、炬燵が入っていたダンボール箱が、薄くて不満の様子だ。
でも、ぺったんこになって入っているのは、カワイイが、中で方向転換ができなかったみたいで、お尻から出てきたので、ちょっと笑ってしまった。
ダンボールで擦れて、背中の毛が逆撫されたような姿で、僕を睨むのは止めてほしい。
毛を逆立てて激怒しているみたいで、すっごく怖い。
組みあがったので、布団のパックを開ける。
中身を出して、ビニール袋は雪さんが入ると危ないので、丸めてゴミ箱へ。
戻ってくる、と既に布団の山の上に、雪さんが君臨していた。
その山の下から、ずるずると炬燵敷きを引っ張りだして、敷く。
炬燵をその上に移動して、またずるずる、と引っ張り出してきた毛布をかける。
毛布一枚で、急に炬燵の雰囲気が出てきた。
分厚い布団の山を堪能している雪さんをどかす。
すっごい不満げな顔をしたくせに、毛布のかかった炬燵に突進して、中に入った。
ずるいなー、もう一番乗り?
ちょっと乱暴に布団をかけるが、出てくる気配はない。
更に上掛けをかけて、テーブルの天板を乗せる。
完成だ。
さて、スイッチを、あれ?
電源ケーブルをつけてなかった。
箱を探して出してきて、炬燵布団をめくる。
雪さんが、迷惑そうな視線を向けてくるが、仕方ない。
どこにつければいいか見つからずに結局、四方全部の布団を上げることになった。
不満オーラ全開の雪さん。
電源ケーブルを接続する部分を見つけて、繋ぐ。
ついでに、布団を上げたまま、電源オン。
雪さんが、飛び出した。
なんで?
赤い光もつかないって、電源入ってないのかな?
中にもぐりこむ、とファンが回る音がして、暖かくなってきていた。
赤い光、出ないんだ?
ファンの音で、雪さん中に入らないかもしれないけど、窒息とか心配しないでいいから、いいのかも?
とりあえず、炬燵に入る。
暖かい。
自動販売機に書いてあるように、「あったか~い」と伸ばしたくなるくらいだ。
クッションを枕にして、肩まで潜る。
炬燵布団を大きくしたのは、正解だった。
反対側も足が出ない。
雪さんが僕に寄ってきて、肩のあたりを掘って、炬燵に入った。
え?
もう、ファン怖くないの?
僕が入ったから安心した?
それって、毒見させたみたいな?
温度設定が高かったので、下げて足を入れなおす、ともう雪さんが障害物となっていたので、斜めになる。
そういえば、母方の実家に、炭を使う堀炬燵があった。
床に四角い穴があり、そこに囲炉裏が埋めてあって、網がかけられていた。
炬燵のど真ん中は、それが障害物になっていて、足が伸ばせないから、斜めになるしかないのだ。
しかも、顔まで潜り込む、と窒息死するぞ、とずいぶん祖父に脅されたものだ。
それなのに、この炬燵が大好きで、朝(夜もやっていたのだが、冬に母方の祖父宅に泊まった夜は寝落ちして見たことがない)に灰から炭を掘り出し、炭を足すのを見るのが好きだった。
今でも、炭の匂いが好きなのは、そのせいかもしれない。
他にこんな炬燵が知合いの家にある、という同級生はいなかったので、地域性ではなく、祖父なりの拘りだったのかもしれない。
囲炉裏ほしいな。
でも、雪さんに危ないから、無理か。
懐かしい気分で、寝返りをうとう、として、腰がひっかかった。
だから、炬燵の高さを上げる脚のアタッチメントが売っていたのか!
炬燵は子供のころ以来だから、わからなかった。
早速、脚のアタッチメントを買ってきた。
これで、炬燵の中で、ぐるぐる寝返りがうてる。
ホームセンターには、炬燵に出入りする猫用のトンネルが売っていたが、中が冷えそうなので、買わなかった。
そのため、それからが、争いの日々だった。
炬燵は、上掛け、布団、毛布の三層となっている。
雪さんの温度調節は、どこに潜るか、だ。
寒ければ、炬燵の中に。
暑くなれば、上掛けの上へ。
テーブルの上は禁止なのんで、乗ったら怒こる。
上掛けの上以外は、ほぼビックリ箱状態だ。
ファンの音には慣れたようだが、電源が入って動き出した瞬間は、飛び出てくる。
毛布と布団の間にいる、と気がつかずに踏みそうだし、上掛けと布団の間だと、めくれないのだ。
しかも、なんとなく、ここに雪さんいそうだな、というのを避けているのに、当たる。
逆にかなりの高確率で当たるのは、モグラのように、中で移動しているからではないだろうか。
雪さんとの場所とりをくりひろげたところ、炬燵で寝て、風邪をひいた。
鼻をすすりながら、僕は風邪薬の瓶を開けた。
広いので、二百ボルトとはいえ、エアコンだけだと、背中が寒いのだ。
雪さんは、ホットカーペットで背中を暖めることで、凌いでいるようだ。
僕も真似をするが、本を読むには、辛い。
石油ファンヒーターも考えたが、半地下なのもあって、結露しそうだ。
そこで、ついに炬燵を買ってしまった。
一番小さいサイズだけど、僕と雪さんだけだから、十分だ。
でも、中でゴロゴロしたいので、炬燵布団などは、一回り大きめのにした。
炬燵布団が届いた時点で、雪さんはビニールでパックされた上に乗って、早く中身を出せ、と騒いでいた。
それは放置して、炬燵の本体テーブルを組み立てる。
足をつけるだけなので、本棚を組み立てた僕には、楽勝だ。
雪さんは、炬燵が入っていたダンボール箱が、薄くて不満の様子だ。
でも、ぺったんこになって入っているのは、カワイイが、中で方向転換ができなかったみたいで、お尻から出てきたので、ちょっと笑ってしまった。
ダンボールで擦れて、背中の毛が逆撫されたような姿で、僕を睨むのは止めてほしい。
毛を逆立てて激怒しているみたいで、すっごく怖い。
組みあがったので、布団のパックを開ける。
中身を出して、ビニール袋は雪さんが入ると危ないので、丸めてゴミ箱へ。
戻ってくる、と既に布団の山の上に、雪さんが君臨していた。
その山の下から、ずるずると炬燵敷きを引っ張りだして、敷く。
炬燵をその上に移動して、またずるずる、と引っ張り出してきた毛布をかける。
毛布一枚で、急に炬燵の雰囲気が出てきた。
分厚い布団の山を堪能している雪さんをどかす。
すっごい不満げな顔をしたくせに、毛布のかかった炬燵に突進して、中に入った。
ずるいなー、もう一番乗り?
ちょっと乱暴に布団をかけるが、出てくる気配はない。
更に上掛けをかけて、テーブルの天板を乗せる。
完成だ。
さて、スイッチを、あれ?
電源ケーブルをつけてなかった。
箱を探して出してきて、炬燵布団をめくる。
雪さんが、迷惑そうな視線を向けてくるが、仕方ない。
どこにつければいいか見つからずに結局、四方全部の布団を上げることになった。
不満オーラ全開の雪さん。
電源ケーブルを接続する部分を見つけて、繋ぐ。
ついでに、布団を上げたまま、電源オン。
雪さんが、飛び出した。
なんで?
赤い光もつかないって、電源入ってないのかな?
中にもぐりこむ、とファンが回る音がして、暖かくなってきていた。
赤い光、出ないんだ?
ファンの音で、雪さん中に入らないかもしれないけど、窒息とか心配しないでいいから、いいのかも?
とりあえず、炬燵に入る。
暖かい。
自動販売機に書いてあるように、「あったか~い」と伸ばしたくなるくらいだ。
クッションを枕にして、肩まで潜る。
炬燵布団を大きくしたのは、正解だった。
反対側も足が出ない。
雪さんが僕に寄ってきて、肩のあたりを掘って、炬燵に入った。
え?
もう、ファン怖くないの?
僕が入ったから安心した?
それって、毒見させたみたいな?
温度設定が高かったので、下げて足を入れなおす、ともう雪さんが障害物となっていたので、斜めになる。
そういえば、母方の実家に、炭を使う堀炬燵があった。
床に四角い穴があり、そこに囲炉裏が埋めてあって、網がかけられていた。
炬燵のど真ん中は、それが障害物になっていて、足が伸ばせないから、斜めになるしかないのだ。
しかも、顔まで潜り込む、と窒息死するぞ、とずいぶん祖父に脅されたものだ。
それなのに、この炬燵が大好きで、朝(夜もやっていたのだが、冬に母方の祖父宅に泊まった夜は寝落ちして見たことがない)に灰から炭を掘り出し、炭を足すのを見るのが好きだった。
今でも、炭の匂いが好きなのは、そのせいかもしれない。
他にこんな炬燵が知合いの家にある、という同級生はいなかったので、地域性ではなく、祖父なりの拘りだったのかもしれない。
囲炉裏ほしいな。
でも、雪さんに危ないから、無理か。
懐かしい気分で、寝返りをうとう、として、腰がひっかかった。
だから、炬燵の高さを上げる脚のアタッチメントが売っていたのか!
炬燵は子供のころ以来だから、わからなかった。
早速、脚のアタッチメントを買ってきた。
これで、炬燵の中で、ぐるぐる寝返りがうてる。
ホームセンターには、炬燵に出入りする猫用のトンネルが売っていたが、中が冷えそうなので、買わなかった。
そのため、それからが、争いの日々だった。
炬燵は、上掛け、布団、毛布の三層となっている。
雪さんの温度調節は、どこに潜るか、だ。
寒ければ、炬燵の中に。
暑くなれば、上掛けの上へ。
テーブルの上は禁止なのんで、乗ったら怒こる。
上掛けの上以外は、ほぼビックリ箱状態だ。
ファンの音には慣れたようだが、電源が入って動き出した瞬間は、飛び出てくる。
毛布と布団の間にいる、と気がつかずに踏みそうだし、上掛けと布団の間だと、めくれないのだ。
しかも、なんとなく、ここに雪さんいそうだな、というのを避けているのに、当たる。
逆にかなりの高確率で当たるのは、モグラのように、中で移動しているからではないだろうか。
雪さんとの場所とりをくりひろげたところ、炬燵で寝て、風邪をひいた。
鼻をすすりながら、僕は風邪薬の瓶を開けた。
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