【完結】>自殺の報いに、世界を救いましょう!

まみ夜

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決戦

鏡像世界/世界の敵

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 ダイブしたばかりなのに、真っ白い部屋ではなく、ジェネラルの世界だった。
 両手と腰に、装備の重さがある。
 しかし、ガイドカーソルは見えなかった。
 自分一人か、と周りを見回すと、全身像のオペレーターがいた。

>自殺の報いに、世界を救いましょう!
>世界を救いますか?

 少女の声と共に、視界に[YES][NO]の文字が浮かび上がった。
 いつもとの違いに、茫然と見つめていると、

>世界を救いますか?

 また聞かれたので、逆に質問する。
「ジェネラルの世界に来ているのに、まだ選ぶの?」

>アナタは選ばれましたー
>次なるステージに進むための選択でーす

 説明になってない。
「次なるステージって?」
 オペレーターの雰囲気が変わった。

>命を粗末にし、運命を歪めた愚か者を罰する役目です

「なに・・・それ?」

>人は、定められた命を与えられています
>自殺により、無駄にされた命は、歪みとなり、世界を苛み続けます
>世界を救うために、愚か者に再度の死を与え、命を、歪みを昇華させるのです

「じゃあ、それじゃあジェネラルって、また死ぬためだけの存在なの?」

>YES
>自殺の報いに、再度の死を迎え、世界を救いましょう

「何のために、戦っていたの?」

>自殺により、無駄にされた命を昇華し、世界を救うためです
>世界を救いますか?

 視界に[YES][NO]の文字が浮かび上がっている。
 震える指で、[NO]を選んだ。
 これで、手首を切った死体になる。
 でも、楽には、なれる。
 そう思い、その瞬間を待つが、オペレーターが無情に告げた。

>それでは、アナタは世界の敵です

 ガイドカーソルが現れ、矢印がこちらを指した。
 話が違う!
「待って、待ってよ! YESを選びなおすから、待って!」

>どちらを選んでも結果は同じです
>これが自殺の報いです

 哄笑と共にオペレーターは消え、五人のジェネラルが現れた。
 サイゾウ、マキタ、ムラヤマ、ミトン、そして、ミチル。
 盾持ちのサイゾウを壁として、展開している。
「待って、ミチル!」
 叫ぶが、世界の敵を見る目のまま。
 怪物に見えているのだろうか。
 もしかして、今まで倒した世界の敵も、見た目が操作されているだけで、中身は・・・
 それを、ゲーム感覚で殺していたのか?

 五人全員を殺すと、水鏡が現れた。

>世界の敵を倒し、ゴールド入手でーす

 オペレーターの声が、明るく響く。
 そうか、ジェネラルは、世界の敵、だったのか。
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第10回ドリーム小説大賞 奨励賞受賞
◆□◆看板猫がいるお店が開店するまでのホノボノ物語はいかがですか◆□◆

『cat typing ~猫と麦酒~』


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