46 / 57
九戦
鏡像世界/ジャイアント・ワーム
しおりを挟む
両手と左腰に、装備の重さが加わる。
ショート・ソードは、プラス二になったことで、逆に軽くなっている。
前に使っていた、ノーマルのショート・ソードは、腰に装備していた。
「あれ? 二刀流?」
サクラが聞いてきたが、念のための予備として、吊るしているだけだ。
「進もう」
ガイドカーソルは、一つで、全身鎧のサイゾウを先頭に歩き出す。
ミトンは、無言で最後尾をついてくる。
自己紹介をした以降、彼女は口をきいていない。
レベルは三になっていて、ライフルが、前に見たものより、強力になっていた。
矢印が、赤くなるが、まだ世界の敵の姿が見えない。
「どこだ?」
「見えない敵?」
矢印が、回転しはじめる。
どういうことだ?
どこにいる?
「ライフル中心に、円陣!」
サイゾウが叫んだ瞬間に、クラタの足元から、何かが飛び出た。
ジャイアント・ワームの名、バーが現れ、クラタのバーが真っ黒になった。
ワームは、そのまま頭上を越え、近くのビルに突っ込んで、倒壊させる。
そのまま、姿が見えなくなり、名前の表示もバーも消えた。
「ばらけろ!」
コンクリートの破片を避けながら、崩れていく建物に、既視感を覚えた。
矢印が赤くなる。
足元が振動した。
思い切り、バックステップする。
目の前から、ワームが飛び出てきた。
ショート・ソード・プラス二を突き立てる。
ダメージを与えるが、すぐ踏ん張りきれなくなり、剣が刺さったまま、身体が持ち上がったので、慌てて蹴りを入れて、飛びのく。
着地したときには、またワームは、消えていた。
矢印が、くるくると回る。
赤くなった。
サイゾウが、サイドステップした着地点から、ワームが飛び出した。
辛うじて、直撃は避けたが、左腕が食いちぎられ、転がる。
ズガン! と銃声が響き、ワームに穴が開くが、感じていないのか、三度地面に消えた。
次も、サイゾウが狙われたら、逃げられない。
近寄り、鎧の出っ張りに手をかけて、待機。
矢印の色を見ながら、足元の振動を探る。
来た・・・今だ!
身体を捻るように、サイゾウを振り、その勢いのまま、飛ぶ。
ワームが、かすった。
サクラが走りより、カタナを刺す。
浮きそうになる彼女の脚を掴み、サイゾウとの体重で、押さえつける。
ワームは、自分の動きで、固定されたカタナに切られていく。
バーが激しく削れ、真っ赤になる。
ワームが、直立して、止まった。
再び、ズガン! と銃声がして、先頭部分が、吹き飛んだ。
バーが黒くなり、湯気のようなものを上げて、水鏡が現れた。
ショート・ソードは、プラス二になったことで、逆に軽くなっている。
前に使っていた、ノーマルのショート・ソードは、腰に装備していた。
「あれ? 二刀流?」
サクラが聞いてきたが、念のための予備として、吊るしているだけだ。
「進もう」
ガイドカーソルは、一つで、全身鎧のサイゾウを先頭に歩き出す。
ミトンは、無言で最後尾をついてくる。
自己紹介をした以降、彼女は口をきいていない。
レベルは三になっていて、ライフルが、前に見たものより、強力になっていた。
矢印が、赤くなるが、まだ世界の敵の姿が見えない。
「どこだ?」
「見えない敵?」
矢印が、回転しはじめる。
どういうことだ?
どこにいる?
「ライフル中心に、円陣!」
サイゾウが叫んだ瞬間に、クラタの足元から、何かが飛び出た。
ジャイアント・ワームの名、バーが現れ、クラタのバーが真っ黒になった。
ワームは、そのまま頭上を越え、近くのビルに突っ込んで、倒壊させる。
そのまま、姿が見えなくなり、名前の表示もバーも消えた。
「ばらけろ!」
コンクリートの破片を避けながら、崩れていく建物に、既視感を覚えた。
矢印が赤くなる。
足元が振動した。
思い切り、バックステップする。
目の前から、ワームが飛び出てきた。
ショート・ソード・プラス二を突き立てる。
ダメージを与えるが、すぐ踏ん張りきれなくなり、剣が刺さったまま、身体が持ち上がったので、慌てて蹴りを入れて、飛びのく。
着地したときには、またワームは、消えていた。
矢印が、くるくると回る。
赤くなった。
サイゾウが、サイドステップした着地点から、ワームが飛び出した。
辛うじて、直撃は避けたが、左腕が食いちぎられ、転がる。
ズガン! と銃声が響き、ワームに穴が開くが、感じていないのか、三度地面に消えた。
次も、サイゾウが狙われたら、逃げられない。
近寄り、鎧の出っ張りに手をかけて、待機。
矢印の色を見ながら、足元の振動を探る。
来た・・・今だ!
身体を捻るように、サイゾウを振り、その勢いのまま、飛ぶ。
ワームが、かすった。
サクラが走りより、カタナを刺す。
浮きそうになる彼女の脚を掴み、サイゾウとの体重で、押さえつける。
ワームは、自分の動きで、固定されたカタナに切られていく。
バーが激しく削れ、真っ赤になる。
ワームが、直立して、止まった。
再び、ズガン! と銃声がして、先頭部分が、吹き飛んだ。
バーが黒くなり、湯気のようなものを上げて、水鏡が現れた。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
【完結】大量焼死体遺棄事件まとめサイト/裏サイド
まみ夜
ホラー
ここは、2008年2月09日朝に報道された、全国十ケ所総数六十体以上の「大量焼死体遺棄事件」のまとめサイトです。
事件の上澄みでしかない、ニュース報道とネット情報が序章であり終章。
一年以上も前に、偶然「写本」のネット検索から、オカルトな事件に巻き込まれた女性のブログ。
その家族が、彼女を探すことで、日常を踏み越える恐怖を、誰かに相談したかったブログまでが第一章。
そして、事件の、悪意の裏側が第二章です。
ホラーもミステリーと同じで、ラストがないと評価しづらいため、短編集でない長編はweb掲載には向かないジャンルです。
そのため、第一章にて、表向きのラストを用意しました。
第二章では、その裏側が明らかになり、予想を裏切れれば、とも思いますので、お付き合いください。
表紙イラストは、lllust ACより、乾大和様の「お嬢さん」を使用させていただいております。

終焉の教室
シロタカズキ
ホラー
30人の高校生が突如として閉じ込められた教室。
そこに響く無機質なアナウンス――「生き残りをかけたデスゲームを開始します」。
提示された“課題”をクリアしなければ、容赦なく“退場”となる。
最初の課題は「クラスメイトの中から裏切り者を見つけ出せ」。
しかし、誰もが疑心暗鬼に陥る中、タイムリミットが突如として加速。
そして、一人目の犠牲者が決まった――。
果たして、このデスゲームの真の目的は?
誰が裏切り者で、誰が生き残るのか?
友情と疑念、策略と裏切りが交錯する極限の心理戦が今、幕を開ける。
ママが呼んでいる
杏樹まじゅ
ホラー
鐘が鳴る。夜が来る。──ママが彼らを呼んでいる。
京都の大学に通う九条マコト(くじょうまこと)と恋人の新田ヒナ(あらたひな)は或る日、所属するオカルトサークルの仲間と、島根にあるという小さな寒村、真理弥村(まりやむら)に向かう。隠れキリシタンの末裔が暮らすというその村には百年前まで、教会に人身御供を捧げていたという伝承があるのだった。その時、教会の鐘が大きな音を立てて鳴り響く。そして二人は目撃する。彼らを待ち受ける、村の「夜」の姿を──。
赤い部屋
山根利広
ホラー
YouTubeの動画広告の中に、「決してスキップしてはいけない」広告があるという。
真っ赤な背景に「あなたは好きですか?」と書かれたその広告をスキップすると、死ぬと言われている。
東京都内のある高校でも、「赤い部屋」の噂がひとり歩きしていた。
そんな中、2年生の天根凛花は「赤い部屋」の内容が自分のみた夢の内容そっくりであることに気づく。
が、クラスメイトの黒河内莉子は、噂話を一蹴し、誰かの作り話だと言う。
だが、「呪い」は実在した。
「赤い部屋」の手によって残酷な死に方をする犠牲者が、続々現れる。
凛花と莉子は、死の連鎖に歯止めをかけるため、「解決策」を見出そうとする。
そんな中、凛花のスマートフォンにも「あなたは好きですか?」という広告が表示されてしまう。
「赤い部屋」から逃れる方法はあるのか?
誰がこの「呪い」を生み出したのか?
そして彼らはなぜ、呪われたのか?
徐々に明かされる「赤い部屋」の真相。
その先にふたりが見たものは——。
闇に蠢く
野村勇輔(ノムラユーリ)
ホラー
関わると行方不明になると噂される喪服の女(少女)に関わってしまった相原奈央と相原響紀。
響紀は女の手にかかり、命を落とす。
さらに奈央も狙われて……
イラスト:ミコトカエ(@takoharamint)様
※無断転載等不可
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる