77 / 94
大量焼死体遺棄事件:裏サイド
side:裏
しおりを挟む
「携帯でメールを送られたのは、失態だな」
「申し訳ございません。もう一度、パソコンのアドレスから、偽装メールを送った方がよろしいでしょうか?」
送信済みのメール文章を読み、
「更にメールした方が、疑われる」
「畏まりました。この女は?」
「実験に使わせてもらう」
高山佐倉のブラウスに手をかけ、ボタンを引きちぎって、胸を出す。
胸元に手をかざし、逆の手に本を持ち、唱える。
「高天原に神留り坐す・・・」
高山佐倉の口、鼻から、ごぼごぼと血があふれる。
「伊佐奈美乃命、妹背二柱嫁継ぎ給ひて・・・」
胸元が盛り上がり、血があふれ、肋骨がめくれあがる。
「火を生み給ひて、御保止を焼かえ坐しき・・・」
むき出しになった心臓が、爆ぜた。
「ちっ、失敗か」
血にまみれた手を、高山佐倉の服で拭う。
「いつものようにバラバラにしろ。指紋、歯型には、特に気を使え」
「畏まりました」
引きずられていく高山佐倉を見ながら、
「今日から、サクラを名乗るか」
「申し訳ございません。もう一度、パソコンのアドレスから、偽装メールを送った方がよろしいでしょうか?」
送信済みのメール文章を読み、
「更にメールした方が、疑われる」
「畏まりました。この女は?」
「実験に使わせてもらう」
高山佐倉のブラウスに手をかけ、ボタンを引きちぎって、胸を出す。
胸元に手をかざし、逆の手に本を持ち、唱える。
「高天原に神留り坐す・・・」
高山佐倉の口、鼻から、ごぼごぼと血があふれる。
「伊佐奈美乃命、妹背二柱嫁継ぎ給ひて・・・」
胸元が盛り上がり、血があふれ、肋骨がめくれあがる。
「火を生み給ひて、御保止を焼かえ坐しき・・・」
むき出しになった心臓が、爆ぜた。
「ちっ、失敗か」
血にまみれた手を、高山佐倉の服で拭う。
「いつものようにバラバラにしろ。指紋、歯型には、特に気を使え」
「畏まりました」
引きずられていく高山佐倉を見ながら、
「今日から、サクラを名乗るか」
0
お気に入りに追加
31
あなたにおすすめの小説
最終死発電車
真霜ナオ
ホラー
バイト帰りの大学生・清瀬蒼真は、いつものように終電へと乗り込む。
直後、車体に大きな衝撃が走り、車内の様子は一変していた。
外に出ようとした乗客の一人は身体が溶け出し、おぞましい化け物まで現れる。
生き残るためには、先頭車両を目指すしかないと知る。
「第6回ホラー・ミステリー小説大賞」奨励賞をいただきました!
キラー・イン・レッド〜惨劇の夜〜
NoMa
ホラー
高校三年生、最後の夏休み。恵美里は彼氏の晶や友人たちとともに軽井沢の晶の別荘に遊びに来た。楽しく過ごしたその晩、一人が血痕とともに姿を消す。だがそれは恐ろしい一夜のほんの始まりに過ぎなかった。
都市伝説であるはずの深紅のローブに身を包んだ殺人鬼“タキコ”が斧を振るいながら彼らに襲いかかる!
変貌忌譚―変態さんは路地裏喫茶にお越し―
i'm who?
ホラー
まことしやかに囁かれる噂……。
寂れた田舎町の路地裏迷路の何処かに、人ならざる異形の存在達が営む喫茶店が在るという。
店の入口は心の隙間。人の弱さを喰らう店。
そこへ招かれてしまう難儀な定めを持った彼ら彼女ら。
様々な事情から世の道理を逸しかけた人々。
それまでとは異なるものに成りたい人々。
人間であることを止めようとする人々。
曰く、その喫茶店では【特別メニュー】として御客様のあらゆる全てを対価に、今とは別の生き方を提供してくれると噂される。それはもしも、あるいは、たとえばと。誰しもが持つ理想願望の禊。人が人であるがゆえに必要とされる祓。
自分自身を省みて現下で踏み止まるのか、何かを願いメニューを頼んでしまうのか、全て御客様本人しだい。それ故に、よくよく吟味し、見定めてくださいませ。結果の救済破滅は御客しだい。旨いも不味いも存じ上げませぬ。
それでも『良い』と嘯くならば……。
さぁ今宵、是非ともお越し下さいませ。
※注意点として、メニューの返品や交換はお受けしておりませんので悪しからず。
※この作品は【小説家になろう】さん【カクヨム】さんにも同時投稿しております。 ©️2022 I'm who?
ホラフキさんの罰
堅他不願(かたほかふがん)
ホラー
主人公・岩瀬は日本の地方私大に通う二年生男子。彼は、『回転体眩惑症(かいてんたいげんわくしょう)』なる病気に高校時代からつきまとわれていた。回転する物体を見つめ続けると、無意識に自分の身体を回転させてしまう奇病だ。
精神科で処方される薬を内服することで日常生活に支障はないものの、岩瀬は誰に対しても一歩引いた形で接していた。
そんなある日。彼が所属する学内サークル『たもと鑑賞会』……通称『たもかん』で、とある都市伝説がはやり始める。
『たもと鑑賞会』とは、橋のたもとで記念撮影をするというだけのサークルである。最近は感染症の蔓延がたたって開店休業だった。そこへ、一年生男子の神出(かみで)が『ホラフキさん』なる化け物をやたらに吹聴し始めた。
一度『ホラフキさん』にとりつかれると、『ホラフキさん』の命じたホラを他人に分かるよう発表してから実行しなければならない。『ホラフキさん』が誰についているかは『ホラフキさん、だーれだ』と聞けば良い。つかれてない人間は『だーれだ』と繰り返す。
神出は異常な熱意で『ホラフキさん』を広めようとしていた。そして、岩瀬はたまたま買い物にでかけたコンビニで『ホラフキさん』の声をじかに聞いた。隣には、同じ大学の後輩になる女子の恩田がいた。
ほどなくして、岩瀬は恩田から神出の死を聞かされた。
※カクヨム、小説家になろうにも掲載。
黄泉小径 -ヨモツコミチ-
小曽根 委論(おぞね いろん)
ホラー
死後の世界に通ずると噂される、村はずれの細道……黄泉小径。立ち入れば帰って来れないとも言われる、その不気味な竹藪の道に、しかしながら足を踏み入れる者が時折現れる。この物語では、そんな者たちを時代ごとに紐解き、露わにしていく。
オカルト刑事《デカ》 ~スラッシャーと化したヘラギャル VS 百人の退魔師~
椎名 富比路
ホラー
オカルト関連を専門に扱う警察官が、オカルト探偵の女性調査員と手を組む。
「退魔師ばかりを殺すスラッシャー」を、退治するためだ。
だが、現場に向かうと手口が変わっている。
今までは法則性もなく、普通に殺すだけだった。
なのに、殺害方法に怨念がこもっている。
とある高名な霊能力者から、息子の護衛を依頼される。
だが、彼らのあんまりな態度に、オカルト課は断ってしまう。
事件を追っていくうちに、スラッシャーは元々、普通の人間だったとわかった。
そのスラッシャーは、「ピ(カレシ)」が大事にしていたペット「魔王」を守っていた。
だが、魔王は殺され、スラッシャーの女性も深手を追う。
魔王は女性を助ける。自分の手足とするために。
ピの聖域を踏みにじった奴らを殺すため、ふたたびスラッシャーは動き出す!
警察の協力を得られない大手退魔師側も、百人の退魔師を雇って応戦する!
一方オカルト課は、事件に先程の大手退魔師が関与していると突き止めた!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる