【完結】大量焼死体遺棄事件まとめサイト/裏サイド

大量焼死体遺棄事件：裏サイド

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　久しぶりに会った中高一貫校の同級生だった山下香苗は、私に似せて整形していた。
　昔から、ソウルメイトだの、魂の双子だの言っていた、行きつく果てなのだろう。
　月林檎の実験に使おう、と思っていたが、予想外の展開だ。
　さすがは、ソウルメイトだ。
　うつを患って、大学を留年したのは知っていたが、カウンセラーから行動療法の提案があり、小さな劇団に一時的に所属していたことを知った。
　しかも、そこでは整形前の顔しか、知られていない。
　その劇団とやらを足掛かりにして、実験台の確保をしよう。
　魂の双子は、なんという贈り物をしてくれたのだろう。
　私は、彼女を誉めそやし、近日の再会を強く約束して別れた。
　香苗を帰したことに、不審げな顔をして出てきた男たちへ、
「実験に使うのは中止だ。いつでも私の身代わりに使えるよう監視しておけ」
　魂の半身を失うのは悲しくて仕方がないが、その顔、存在のすべてを利用してあげよう。
　そう、私の糧となるのだ。