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魔王国滅亡編

水道できました

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 部品強度などで難航していた水車がようやく完成した。
「できたー!」
「思ったより、かかってしまいましたな主殿」
「金属部品は、街へ買いにいくしかなかったからな。これもシウンのおかげだ」
「・・・お父さん、もっと褒めて」
「お姉ちゃん、すごい!」
「はいはい、シウン姉様、すごいすごい」
「・・・ヨウコちゃんは、もう少しだけでいいから、言葉に気持ちいれて」
 それも、なんとか「強靭」化で問題解決することができたのだ。

 水車で高い位置にあるタンクに揚水することで、小屋に水道を通すことができた。
 これで、水汲みから解放された。
 飲みたいとき、手を洗いたいときに限って、水瓶に水が足りないものなのだ。
「お水でたよー」
「これで、いつでも手や顔を洗えますね」
「え?」
「ほら、ヤトちゃん。お姉さんと手を洗いましょ」
「・・・洗わなくても平気だよ?」
「お父さんが、手を洗わないと、お腹壊すって」

 蛇口は二つにして、一方には「冷気」を付与したので、いつでも冷たい水を汲める。
「つめたーい。気持ちいー」
「ほら、手を洗うの、いいでしょ」
「うん!」
「ヤト姉様、ついでに顔も洗うと冷たくて気持ちいいですよ」
「つめたーい。気持ちいー」
『ちょろっ』
 やはり、三姉妹の次女って、そういう扱いなのか。

 冬には、蛇口への付与を「火炎」に取り替えれば、温水で手を洗えるだろう。
 魔素を込めれば、熱湯にもできる。
 それで更に思いついて、露天風呂にシャワーをつくった。
 タンクへの揚水は今は人力だけど、頭を流すのがとても楽になった。
「これはこれで便利ですが、主殿」
「うん。便利なのかな」
「お湯をタンクに入れる動作で、お湯をかけた方が、早いかも?」
「ヨウコは、お父様の頭を流したいです」
「お嬢!その通りですぞ!」
 ただ、娘たちもハイロウも、タンクにお湯を溜めるより早い、と桶で俺の頭を流したがった。

 強靭化した木製の水道管は、タンクから小屋まで、空中をはしっている。
 今はメンテナンスしやすくていいけど、暴風雨で破損してしまいそうだから、地面に埋めるようにしたい。
 将来的には、水道を利用して、小屋に水洗トイレを置きたいが、下水をどうするか、地下の活用は、計画的に考えないといけない。
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