レベルアップがない異世界で転生特典のレベルアップしたら魔王として追われケモ耳娘たちとひっそりスローライフ。けど国を興すか悩み中

まみ夜

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魔王国滅亡編

魔武器できました

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 ヤトは、戦闘時は、適当な木の棒に「切断」の魔素を纏わせて武器にしていたが、ヨウコの複数付与槍に刺激されて、自分専用の武器をつくる、と言い出した。
 どんなのをつくるんだろう、と微笑ましく思っていたら、できあがってきたのは、前世でいう死神の大鎌の反対側に斧の刃、柄の先端には槍の穂先を組み合わせた、斬ってよし叩いてよし突いてよしみたいな、凶悪な代物だった。
「ヤトちゃん、これ?」
「うん、ヤト専用の武器だよ」
「これ、すごいですね。ヤト姉様」
「でしょ?お姉ちゃん、強靭化お願い」
「あ、はい。お父さん、離れてみてないで、こっち来て」
 中二病か、と思いながらも「強靭」化。
 ヤトの「切断」の特性と振り回す遠心力で、スパスパ斬れる凶悪な武器となった。

 よほど気に入ったのか、夜も小屋に持ち込んで、磨いていた。
 ちょっと怖い。
 ヨウコとシウンも気になったらしい。
「ヤト姉様、もう寝ましょう」
「ヤトちゃん、お姉さんと寝ましょう」
 声をかけたが、
「ヤト、一人で寝る」
 と凶悪な武器、とりあえずデスサイズと呼ぶが、を抱いて寝ころぶヤト。
「一番の新入りなのに、あんなにヤト姉様のお気に入りになるなんて」
「悔しいわ。あんなのに負けて、お姉さん、悔しい」
 なんだか、擬人化して、変な四角関係が拗れている。
 何やら、作戦会議をする娘たちに「おやすみ」と声をかけ、俺は一人で伸び伸びと寝た。

「ヤト姉様、アネ芋アイス食べましょう?」
「ヤトちゃんが好きな服に冷気付与したから着てみて?」
「もう、ヤト寝るから、明日ね」
 デスサイズを抱いて寝るヤト。
「食べ物でもダメだなんて、ヤト姉様そんなに?」
「悔しいわ。あんなのに負けて、お姉さん、悔しい」
「早く寝ろよ」
 声はかけたが、作戦会議は、深夜にまで及んだようだ。

 が、あっさりヤトはデスサイズと寝るのに飽きた。
「ヤト姉様を信じてました」
「やっぱり、お姉さんの尻尾が一番よね」
 確かに、今までは頭をのせて枕にしていただけのシウンの尻尾に、ヤトは抱き着いて寝ていた。
「もう、ヤトちゃんたら、お姉さんの尻尾が大好きなのね」
 ヨウコは少しだけ、それに嫉妬しているようだったが、シウンに抱き枕にされて、幸せそうな顔で眠っていた。
 ただ、ヤトはデスサイズを抱いて寝たことで、変なクセがついたようで、
「ヤトちゃん。そんなに強く抱きしめたら、お姉さんの尻尾、折れ曲がっちゃう。あ、食べられないから。ガジガジしないで」
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