中高年がジムに通ってもムキムキになれない理由

じゃあサプリ万歳？

　栄養・睡眠が重要となると、すぐ飛びつきたくなるのが、サプリメントです。

　結論から言うと、効果があるサプリメントは、プロテイン、ビタミン・ミネラル剤、カフェインくらいのものです。
　基本的に効果があれば、「薬」に分類されるので、そうではないサプリは、効果に期待できないわけです。

　タンパク質が、不足がちだと脅すような広告文句をよく目にしますが、一般的な食生活で、十分に足りていることが多いです。
　むしろ、肉などを多く摂りすぎていることで、含まれる脂質によるカロリーオーバーの方が問題として大きいです。
　更には、穀物にもタンパク質は含まれ、ダイエットで糖質制限をすると、タンパク質が減り、それを補うために肉を食べ、脂質でカロリー過多となる場合もあります。
　脂質と摂取カロリーを最小限にタンパク質を摂取できるのが、プロテイン・サプリの利点です。

　すでに、十分なタンパク質を摂っている食生活でプロテイン・サプリを飲んでも摂取カロリーが増えるだけですし、トレーニングをしなければ、筋肉は増えません。

　ちなみに、トレーニング後30分以内にタンパク質を摂取すると筋肉が増えやすい、というゴールデンタイム説がありますが、トレーニング直後でアドレナリンが出ている状態では、消化器が働かないので、大腸までタンパク質が未消化で行ってしまい、腸内環境を悪くする説もあることをお伝えしておきます。

　ついでに、鎮痛剤も筋肉の増加を妨げるとの説があります。
　筋肉痛のメカニズムは、解明されていませんが、筋肉が破損し、修復（回復）を求めているシグナルですので、それを消してしまうと「原始時代対応脳」に「筋肉の壁を超える」ための「ものすごく筋肉を使っている！」という主張が届かなくなるのだと考えます。
　特に、ロキソニン配合の張り薬は、常用すると筋肉を減らしますので、痛い部分の筋肉減少で、更に血行不良などが進行して更に痛む悪循環に陥りやすくなります。
（自分は長年の腰痛持ちで、椎間板ヘルニアの手術、再発して1年間のブロック注射、ロキソニン常用からの十二指腸潰瘍からの大量出血を経験しています。体重を減らし、腰・股関節の可動域を広げ、背中・腰の筋肉を増やすことで解消しました）

　睡眠に関するサプリも注意が必要です。
　メラトニンは、脳が合成するホルモンですが、このサプリは日本での製造・販売が認められていません。

　脳内で合成されたGABAは、脳をリラックスさせますが、口から入れたGABAは、脳関門（脳に危険物を入れないためのフィルタ）を通りません。

　必須アミノ酸は、脳関門で競合します。
　つまり、一定量しか通れないので、たくさん飲めば、たくさん届く訳ではないのです。
　タンパク質（必須アミノ酸を含む）を摂った上で、グリシンやトリプトファンを摂っても、脳関門を通れるのはわずかですし、脳内の必須アミノ酸バランスが変化します。

　抗ヒスタミン系は、数回で耐性がつくので、常用は不可です。

　アルコールは、睡眠の質を下げ、深く眠れない上、脂肪の代謝を阻害します。

　トレーニングで身体に熱が籠って眠れない場合、手のひらを冷やすのが、深部体温を下げるのに効果的です。
　これは、手のひらのみを10度程度に冷やした場合、身体が体表面の毛細血管を縮めて体温を逃がさないようにする反応を起こさないためです。
　冷蔵庫から出してしばらくしたペットボトルを握ったり、専用の保冷剤も販売されています。

　アイススラリーという、シャーベット状の飲み物を飲んで、深部体温を下げる商品も販売されています。
　内臓を冷やすデメリットに関しては不明です。