【完結】中身は男子高校生が全寮制女子魔法学園初等部に入学した

まみ夜

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1806年/秋

≪撤退≫

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「やはり、引いてロシアと合流するべきなのです」
「負け戦のまま、引けと?」
「撤退を『引く』、と言うのは、言い訳じみた呼び方ですな」
「フランス軍の方が総数が多い。正面から当たっても無駄だ」
「やってみなけばわからん!」
「そんなことだから、ルイ殿下を失ったのですぞ」
「なればこそ、殿下に報いるためにも」
「どうするのです、それは?」
「徹底抗戦だ!」
「ですから、これといった策もなくては」
「だから、ロシアと合流すればいい!」
「領土内でロシアと合流し、押し負けたら、どこへ逃げるのです?」
「逃げるなど、ありえん!」
「そのありえなかった、ルイ殿下戦死を、どうなさる!」
「申し上げます!」
「何事だ?」
「・・・ナウムブルクが制圧されたとの報告が入りました」
「ナウムブルクが、だと?」
「市街郊外にフランス軍が集結し、野営を行っております」
「集まりきるまえに、叩くのだ!」
「いや、それどころか包囲されてしまいますぞ」
「・・・撤退だ」
「今、なんと?」
「撤退だ!」
「いや、それは」
「撤退しかない!ロシアの援軍と合流するのだ!」
「お待ちください。ブラウンシュヴァイク=リューネブルク公」
「ルイ殿下!?」
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