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21. 高嶺のsub様は…(最終回)
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僕はギュッと春人の首にしがみついた。
外に出ると、武田が車を用意してくれていて、僕らはそれに乗り込んだ。
武田は助手席にいたけど、
春人が「2人きりだと我慢できなくなりそうだから」って武田も後ろの席に座らせた。
たぶん、ずっと心配していた武田に僕の姿を見せてあげようっていう春人の優しさだったんだと思う。
でも、春人のグレアに蕩けて理性が切れかけてた僕は、春人の膝枕で春人の兆した股間に擦り寄ってデレデレしはじめたから、春人が上着を脱いで僕の頭にかけて隠した。
「まったく…武田さんの前でなんて顔してるんだ…」って嗜められたけど、上着で見えないのをいいことにズボンの上から春人の股間をハムハムしたら服越しに頭を軽くポンと叩いた後、撫で撫でしてくれた。
春人と武田が何やらヒソヒソ話しているけど、服越しでよく聞こえないし、頭がふわふわした僕は春人の股間と上着から漂う春人の匂いに包まれて、幸せだったから気にしない。
きっと、犯人の処分とかそんな話をしてるんだろう…僕にはどうでもいいことだ…
僕はその時ちゃんと盗み聞きしなかった事を後で後悔することになるのだけども…
しばらくすると車が停まった。
マンションに着いたのかな…
春人は僕の頭に上着を被せたまま縦抱きにした。
さっきは、お姫様抱っこにしたのに、今回は縦に密着する形に抱いてくれたのは、もうプレイは始まっているって考えていいんじゃないかな…
僕はワクワクした。あれだけのS波を浴びて、しかも僕はお仕置きされるべき失敗をしでかしたばかりだ。
どんなお仕置きが待ってるんだろうな…
怖いと思いつつも、ワクワクが抑えられない…
「武田さんも付いてきてください。」
「承知いたしました。」
えええ?
武田も付いてくるの?!邪魔だよ!僕は一刻も早く春人とイチャイチャしたいのに…
お説教でもされるのかな…
まぁ、武田は僕にとっては3人目の親のような、兄のような存在だ…お尻ぺんぺんくらいなら甘んじて受けよう…
そういえば、小学生の頃に一度だけ武田にお尻を叩かれた事を思い出した。
当時父さんと母さんはアメリカと日本を行ったり来たりして生活していた。
2人が揃ってアメリカに出発した日、僕は両親を見送った後、家出した。
世界に一人ぼっちな気がして、世界のどこかにいる僕だけを見てくれる人を探しに行こうと思ったのだ…
けど、ライバル会社の人に誘拐されて、武田に助け出された。
あの時の武田は凄かった!
アクション俳優もびっくりの立ち回りで、あっという間にその場にいた男たちをやっつけてしまった…
武田を本気で怒らせてはいけないと悟ったよ…
両親も空港から急いで引き換えしてきて、みんなに迷惑かけちゃったけど、ちょっと嬉しかったんだ…
その翌日、武田にお尻を叩かれた。でも、叩いた武田の方がボロボロとすっごい泣いていて、僕はお尻の痛みより心が痛かった…
「よかった…坊ちゃんに何かあったら…武田は……
坊ちゃん!坊ちゃんの事を本気で心配する人間が沢山いる事を忘れないでください…」
それから、僕は独りぼっちじゃないって理解した。愛してくれる両親の他にもう1人、素敵な兄(父?)もいるんだから…
今回、また武田には心配をかけてしまった…だからお尻ぺんぺんくらいは甘んじて受けようと思う。
ガチャ
ドアが開いたらしい。
僕は、頭に春人の上着を被ったまま、ベッドに下ろされた。
「理人、目をギュッと瞑って【close eyes】」
僕が目を瞑ると上着が外され、目隠しをされた。
フワッと、武田の香水の匂いがする…たぶん、この目隠しは武田のネクタイだ…
本当に付いてきたんだな。武田は足音や気配を消すなんてお手のものなのでどこにいるのかわからないけど…
「理人、どうしてすぐに俺に連絡しなかった?」
「春人は授業中だったから、迷惑かけると思って…あいつらのグレアくらい問題ないし、授業終わる頃まで持ち堪えられると思ったんだ…」
「いつも、遠慮せずにすぐ連絡しろと言ってるよな?
遠慮した結果、あいつらに乱暴されそうになってたじゃないか」
あいつらに掴まれた手首を春人がギュッと握りしめた。
「ごめんなさい…」
「それから、セーフワードを使えと言った時に俺の命令に背いたな…」
「うう…ごめんなさい…」
「俺がもし負けてたら、どうするつもりだったんだ…あんな蕩けた状態で逃げられると思ったのか…」
「ごめんなさい…春人が勝つって確信してたから…」
「domの言いつけに背いた悪い子にはお仕置きだ…」
春人はコマンドを使わずに、乱暴に僕の服を下半身だけ全部脱がせた。
「今からお前が自慰するところを武田さんに見てもらおうな…」
「ひいぃ…」
「返事は『ひい』じゃなくて、『はい』だろ?」
「うぅ…はい…」
家族も同然の武田の前で自慰をするなんて、恥ずかしくて死にそうだ。
でも、武田に迷惑かけたのは事実だし、反省している。春人にも迷惑をかけた。
春人には『お仕置きに集中して、他のことは何も心配するな』っていつも言われてるから、ご主人様が決めた事に僕が背いちゃダメだ…
僕は悪い子なんだからきちんとお仕置きしてもらわなくちゃいけない…
春人の言うことだけを忠実に従う事ができるか、春人は見ているんだ…
僕は、武田に見られているという事を頭の隅に押しやり、自分のおちんちんを握りしめて、ゆっくり扱き始めた。
「んん…♡」
自分の手で触っているだけなのに、春人に見られていると思うとすぐに気持ちよくなってきた…
さっき、たっぷりと春人のグレアを浴びた上に、お仕置きプレイの最中ということもあり、僕は興奮していたのもあるんだろう…すぐに勃起してしまった…
ああ…勃起したおちんちんを武田に見られたのは、初めてだ…また羞恥が襲ってくる…
「もっと理人が気持ちよくなってるところを見てもらおうな…
後ろは俺が弄ってやるから、前を扱き続けろ…」
春人がちゅぷっと自分の指を舐めて湿らすと、僕のお尻に一本埋め込んだ。そのままぐるっとかき回すと、僕の気持ちいいところをぐりぐり押し込んできた。
「あは…ん♡はぁはぁ…」
「気持ちよさそうだな…武田さんに見られて気持ちよくなってるのか?」
「ちが…!武田…みないで…みないでぇぇ…」
「ちがう…見てくださいだろ【say】」
「うぅ…僕が気持ちよくなってるところ…み…みてください…」
春人は指を2本に増やすと、今度は僕のシャツのボタンを全て外し、前をはだけさせた。
「乳首が勃ってるなぁ…期待してるの?
でも俺は今、理人のお尻で忙しいからね、今日たくさん頑張ってくれた武田さんにしてもらおうか…
武田さん、理人の乳首舐めてあげてください。でも、味わうのは許せないから、舌先だけ許します。舌先を尖らせて、先端だけでくすぐってあげてくださいね」
春人がそう言った瞬間、何かが乳首の先端をツンツンと触れた。柔らかさと湿った感触でそれが先を固くした舌だとわかった。
武田の舌の感触なんて知らないけど、春人の舌なら分かる自信があった…
でも、尖らせた先端だけしか触れられてないから判別がつかない。
舌らしきものは、僕の乳首の先端を円を描くようにすりすりチロチロと動き、やがて力を強めてクリクリと潰すように転がした。
「ああぁん…やだ!やめてぇえ…たけだぁ…たけだはダメなのぉ~はるとしか…だめなのぉ…」
僕は泣きながら懇願した…
舌先がすっと僕の乳首から離れていく…
「もうやめてしまうんですか?武田さんは甘いですねぇ…」
「ふふ…でも、俺は容赦しませんよ…」
いつの間にか3本になっていた中の指が僕の腹側をゴリっと強く刺激した。
「あはぁん♡」
僕は思わず腰を逸らした。
僕のペニスもピクんと一際大きくなって、先走りがタラタラ流れ出すのを感じる…
「おやおや…垂れてきちゃったねぇ…もったいない…
武田さん、舐め取ってあげて下さい。ああでも舌先だけしかダメですよ~理人のチンコは俺のもんなんで。
理人…俺だけって言ってくれて嬉しいけど、これはお仕置きだからね…頑張るんだよ。」
固い舌先が根本から、つつつーっと先端へと上がってくる。
一度舐めとるようにして、舌が離れた…
今、武田は僕の先走りを味わっているんだろうか…
いやだやめてくれ…それは春人のものなのに…
ねぇ春人、どうして武田に与えるの?
舌先がまた戻ってきて今度は先端まで這い上ってきて、鈴口の中にぐりっと入り込んだ…
「いやぁ~!!やめて!やめて!!」
その瞬間、パクッと亀頭が舌の持ち主に咥えられてジュルッと柔らかい舌全体がペニスを這い回った。
僕がパニックになりかけた瞬間、シュルッと目隠しが外された…
「【open eyes】」
僕は目を開く。急に明るくなった視界に目がチカチカした。
ボヤけた視界に映ったのは、僕のおちんちんにしゃぶりついている武田の姿…
ではなく、春人の姿だった…
僕のペニスを舐め回していたのは春人だった…
あれ?武田は?
周りを見回したけど、武田は何処にもいない…
「お仕置き、最後までよく頑張ったな…偉かったぞ!【good boy】」
春人がペニスから口を離すと僕をぎゅーっと抱きしめて、たくさん頭を撫でてくれた。
よかった…よかった~!!
見られるのも触られるのも春人だけがいい…
褒められてキューンと胸が締め付けられるように嬉しくなる…褒められた…許された…
鼻の奥がツンとする。嬉しくて泣きそうだし、蕩けてきた…
でも、聞かなきゃいけない事がある…
「武田は?何処に行ったの?」
「武田さんは、初めからいないよ…ネクタイだけ借りたんだ。
俺が理人の痴態を誰かに見せるわけないだろ?
春人の身体は、全て俺だけのものだからね…誰にも触らせたりしないよ。」
「よかった…よがっだあぁぁ~!!!」
気が抜けたら、性液と尿がチョロチョロと漏れ出してしまった…
嬉しょんってこんな感じなのかな…
春人は汚れるのも気にせず僕を抱きしめて沢山キスをしてくれた。
キスがどんどん深くなり、舌を絡ませて根本まで吸われた。
「本当は武田さんのネクタイだって、イヤなくらいだよ…」
あ…やっぱり武田のネクタイだったんだね…
これにすっかり騙されたよ…
「このネクタイは理人の汗と涙が付いてるからね…しっかりクリーニングしてから返すよ。理人の匂いは残したくないからね。」
「春人、大好き!!」
僕はギュッと春人に抱きつくと、首に頬をスリスリと擦り付けた。大好きな春人の匂いがして、僕はほぅっと安堵した。
春人が僕の頭を撫でてくれた。
すっかり安心したら、春人の顔が見たくなって、顔を上げた…
優しい目がこちらを見つめて細められた。
僕は、春人の頬に手を添えて、キスをした。
春人に噛み付くような激しいキスをされ、舌に口の中を蹂躙された…
それから、僕がsubスペースに入り、最後は気絶するまで数えきれないくらい、春人は僕を抱きつづけた。
春人はS波の影響で、dom性だけでなく性欲も昂ってしまったみたいだ…ごめんなさい…
頑張って受け止めます…
***
出会って6年、僕らは2人でアメリカに住んでいる。父さんの研究所に就職して、研究員として毎日一緒に通っている。
もちろん今も、生活の全てを管理してもらっている。でも春人がいない時は自分で考えるようになった。
失敗しても春人が責任取ってくれるから、安心して自己判断ができる。(まぁ…お仕置きされることはあるけども…)
ピアス型の体内グレアの測定器は、普通のグレアにも適応するものに改良され、レセプターのグレア充足率を測定するものとして、それが埋め込まれた首輪が人気商品となっている。
今の僕の研究テーマは、強いS波のdomに与える影響についてだ。
僕のS波を受け続けた春人は今では通常時でもSSランクだ。僕はそのメカニズムを解明しようとしている。
そして、春人の研究テーマはS波の周囲に与える影響についてだ。
どうやら、僕のS波で病気が治るというのは都市伝説じゃなかったらしい…
世界最高水準のカップルとして、僕らは話題になった。
僕らの婚約発表記者会見には多くの人が押しかけた。
そんな中で、スーツ姿の春人に手を繋がれてキュンとした僕は、会見会場にいるみんなに無意識にS波を振り撒いてしまった。
その時会場にいた人達は、みんな怪我や持病が治ったと大きな話題になった。
そのため、僕らは休みの日に病院巡りをして、2人で慰問するようになった。
患者は快癒するし、僕らは研究データが取れるのでwin-winだ。
こうして、僕らは互いを被験体に研究し合っている。
父さんと母さんは、最近は研究を僕らに任せて旅行に行く事も多くなった…
来年には僕らは正式な夫婦となる…
誰よりも強くて優しくてカッコいい春人は、僕の恋心によって、僕の恋人になり、パートナーになり、最強のdomになり、婚約者になって、もうすぐ最愛の旦那様になる…
これから先も、どんな事があっても2人でなら乗り越えていけると思う…
独りぼっちだった『高嶺のsub様』は、大いなる勘違いのおかげで、高嶺に咲く二輪の花になった…
【fin】
外に出ると、武田が車を用意してくれていて、僕らはそれに乗り込んだ。
武田は助手席にいたけど、
春人が「2人きりだと我慢できなくなりそうだから」って武田も後ろの席に座らせた。
たぶん、ずっと心配していた武田に僕の姿を見せてあげようっていう春人の優しさだったんだと思う。
でも、春人のグレアに蕩けて理性が切れかけてた僕は、春人の膝枕で春人の兆した股間に擦り寄ってデレデレしはじめたから、春人が上着を脱いで僕の頭にかけて隠した。
「まったく…武田さんの前でなんて顔してるんだ…」って嗜められたけど、上着で見えないのをいいことにズボンの上から春人の股間をハムハムしたら服越しに頭を軽くポンと叩いた後、撫で撫でしてくれた。
春人と武田が何やらヒソヒソ話しているけど、服越しでよく聞こえないし、頭がふわふわした僕は春人の股間と上着から漂う春人の匂いに包まれて、幸せだったから気にしない。
きっと、犯人の処分とかそんな話をしてるんだろう…僕にはどうでもいいことだ…
僕はその時ちゃんと盗み聞きしなかった事を後で後悔することになるのだけども…
しばらくすると車が停まった。
マンションに着いたのかな…
春人は僕の頭に上着を被せたまま縦抱きにした。
さっきは、お姫様抱っこにしたのに、今回は縦に密着する形に抱いてくれたのは、もうプレイは始まっているって考えていいんじゃないかな…
僕はワクワクした。あれだけのS波を浴びて、しかも僕はお仕置きされるべき失敗をしでかしたばかりだ。
どんなお仕置きが待ってるんだろうな…
怖いと思いつつも、ワクワクが抑えられない…
「武田さんも付いてきてください。」
「承知いたしました。」
えええ?
武田も付いてくるの?!邪魔だよ!僕は一刻も早く春人とイチャイチャしたいのに…
お説教でもされるのかな…
まぁ、武田は僕にとっては3人目の親のような、兄のような存在だ…お尻ぺんぺんくらいなら甘んじて受けよう…
そういえば、小学生の頃に一度だけ武田にお尻を叩かれた事を思い出した。
当時父さんと母さんはアメリカと日本を行ったり来たりして生活していた。
2人が揃ってアメリカに出発した日、僕は両親を見送った後、家出した。
世界に一人ぼっちな気がして、世界のどこかにいる僕だけを見てくれる人を探しに行こうと思ったのだ…
けど、ライバル会社の人に誘拐されて、武田に助け出された。
あの時の武田は凄かった!
アクション俳優もびっくりの立ち回りで、あっという間にその場にいた男たちをやっつけてしまった…
武田を本気で怒らせてはいけないと悟ったよ…
両親も空港から急いで引き換えしてきて、みんなに迷惑かけちゃったけど、ちょっと嬉しかったんだ…
その翌日、武田にお尻を叩かれた。でも、叩いた武田の方がボロボロとすっごい泣いていて、僕はお尻の痛みより心が痛かった…
「よかった…坊ちゃんに何かあったら…武田は……
坊ちゃん!坊ちゃんの事を本気で心配する人間が沢山いる事を忘れないでください…」
それから、僕は独りぼっちじゃないって理解した。愛してくれる両親の他にもう1人、素敵な兄(父?)もいるんだから…
今回、また武田には心配をかけてしまった…だからお尻ぺんぺんくらいは甘んじて受けようと思う。
ガチャ
ドアが開いたらしい。
僕は、頭に春人の上着を被ったまま、ベッドに下ろされた。
「理人、目をギュッと瞑って【close eyes】」
僕が目を瞑ると上着が外され、目隠しをされた。
フワッと、武田の香水の匂いがする…たぶん、この目隠しは武田のネクタイだ…
本当に付いてきたんだな。武田は足音や気配を消すなんてお手のものなのでどこにいるのかわからないけど…
「理人、どうしてすぐに俺に連絡しなかった?」
「春人は授業中だったから、迷惑かけると思って…あいつらのグレアくらい問題ないし、授業終わる頃まで持ち堪えられると思ったんだ…」
「いつも、遠慮せずにすぐ連絡しろと言ってるよな?
遠慮した結果、あいつらに乱暴されそうになってたじゃないか」
あいつらに掴まれた手首を春人がギュッと握りしめた。
「ごめんなさい…」
「それから、セーフワードを使えと言った時に俺の命令に背いたな…」
「うう…ごめんなさい…」
「俺がもし負けてたら、どうするつもりだったんだ…あんな蕩けた状態で逃げられると思ったのか…」
「ごめんなさい…春人が勝つって確信してたから…」
「domの言いつけに背いた悪い子にはお仕置きだ…」
春人はコマンドを使わずに、乱暴に僕の服を下半身だけ全部脱がせた。
「今からお前が自慰するところを武田さんに見てもらおうな…」
「ひいぃ…」
「返事は『ひい』じゃなくて、『はい』だろ?」
「うぅ…はい…」
家族も同然の武田の前で自慰をするなんて、恥ずかしくて死にそうだ。
でも、武田に迷惑かけたのは事実だし、反省している。春人にも迷惑をかけた。
春人には『お仕置きに集中して、他のことは何も心配するな』っていつも言われてるから、ご主人様が決めた事に僕が背いちゃダメだ…
僕は悪い子なんだからきちんとお仕置きしてもらわなくちゃいけない…
春人の言うことだけを忠実に従う事ができるか、春人は見ているんだ…
僕は、武田に見られているという事を頭の隅に押しやり、自分のおちんちんを握りしめて、ゆっくり扱き始めた。
「んん…♡」
自分の手で触っているだけなのに、春人に見られていると思うとすぐに気持ちよくなってきた…
さっき、たっぷりと春人のグレアを浴びた上に、お仕置きプレイの最中ということもあり、僕は興奮していたのもあるんだろう…すぐに勃起してしまった…
ああ…勃起したおちんちんを武田に見られたのは、初めてだ…また羞恥が襲ってくる…
「もっと理人が気持ちよくなってるところを見てもらおうな…
後ろは俺が弄ってやるから、前を扱き続けろ…」
春人がちゅぷっと自分の指を舐めて湿らすと、僕のお尻に一本埋め込んだ。そのままぐるっとかき回すと、僕の気持ちいいところをぐりぐり押し込んできた。
「あは…ん♡はぁはぁ…」
「気持ちよさそうだな…武田さんに見られて気持ちよくなってるのか?」
「ちが…!武田…みないで…みないでぇぇ…」
「ちがう…見てくださいだろ【say】」
「うぅ…僕が気持ちよくなってるところ…み…みてください…」
春人は指を2本に増やすと、今度は僕のシャツのボタンを全て外し、前をはだけさせた。
「乳首が勃ってるなぁ…期待してるの?
でも俺は今、理人のお尻で忙しいからね、今日たくさん頑張ってくれた武田さんにしてもらおうか…
武田さん、理人の乳首舐めてあげてください。でも、味わうのは許せないから、舌先だけ許します。舌先を尖らせて、先端だけでくすぐってあげてくださいね」
春人がそう言った瞬間、何かが乳首の先端をツンツンと触れた。柔らかさと湿った感触でそれが先を固くした舌だとわかった。
武田の舌の感触なんて知らないけど、春人の舌なら分かる自信があった…
でも、尖らせた先端だけしか触れられてないから判別がつかない。
舌らしきものは、僕の乳首の先端を円を描くようにすりすりチロチロと動き、やがて力を強めてクリクリと潰すように転がした。
「ああぁん…やだ!やめてぇえ…たけだぁ…たけだはダメなのぉ~はるとしか…だめなのぉ…」
僕は泣きながら懇願した…
舌先がすっと僕の乳首から離れていく…
「もうやめてしまうんですか?武田さんは甘いですねぇ…」
「ふふ…でも、俺は容赦しませんよ…」
いつの間にか3本になっていた中の指が僕の腹側をゴリっと強く刺激した。
「あはぁん♡」
僕は思わず腰を逸らした。
僕のペニスもピクんと一際大きくなって、先走りがタラタラ流れ出すのを感じる…
「おやおや…垂れてきちゃったねぇ…もったいない…
武田さん、舐め取ってあげて下さい。ああでも舌先だけしかダメですよ~理人のチンコは俺のもんなんで。
理人…俺だけって言ってくれて嬉しいけど、これはお仕置きだからね…頑張るんだよ。」
固い舌先が根本から、つつつーっと先端へと上がってくる。
一度舐めとるようにして、舌が離れた…
今、武田は僕の先走りを味わっているんだろうか…
いやだやめてくれ…それは春人のものなのに…
ねぇ春人、どうして武田に与えるの?
舌先がまた戻ってきて今度は先端まで這い上ってきて、鈴口の中にぐりっと入り込んだ…
「いやぁ~!!やめて!やめて!!」
その瞬間、パクッと亀頭が舌の持ち主に咥えられてジュルッと柔らかい舌全体がペニスを這い回った。
僕がパニックになりかけた瞬間、シュルッと目隠しが外された…
「【open eyes】」
僕は目を開く。急に明るくなった視界に目がチカチカした。
ボヤけた視界に映ったのは、僕のおちんちんにしゃぶりついている武田の姿…
ではなく、春人の姿だった…
僕のペニスを舐め回していたのは春人だった…
あれ?武田は?
周りを見回したけど、武田は何処にもいない…
「お仕置き、最後までよく頑張ったな…偉かったぞ!【good boy】」
春人がペニスから口を離すと僕をぎゅーっと抱きしめて、たくさん頭を撫でてくれた。
よかった…よかった~!!
見られるのも触られるのも春人だけがいい…
褒められてキューンと胸が締め付けられるように嬉しくなる…褒められた…許された…
鼻の奥がツンとする。嬉しくて泣きそうだし、蕩けてきた…
でも、聞かなきゃいけない事がある…
「武田は?何処に行ったの?」
「武田さんは、初めからいないよ…ネクタイだけ借りたんだ。
俺が理人の痴態を誰かに見せるわけないだろ?
春人の身体は、全て俺だけのものだからね…誰にも触らせたりしないよ。」
「よかった…よがっだあぁぁ~!!!」
気が抜けたら、性液と尿がチョロチョロと漏れ出してしまった…
嬉しょんってこんな感じなのかな…
春人は汚れるのも気にせず僕を抱きしめて沢山キスをしてくれた。
キスがどんどん深くなり、舌を絡ませて根本まで吸われた。
「本当は武田さんのネクタイだって、イヤなくらいだよ…」
あ…やっぱり武田のネクタイだったんだね…
これにすっかり騙されたよ…
「このネクタイは理人の汗と涙が付いてるからね…しっかりクリーニングしてから返すよ。理人の匂いは残したくないからね。」
「春人、大好き!!」
僕はギュッと春人に抱きつくと、首に頬をスリスリと擦り付けた。大好きな春人の匂いがして、僕はほぅっと安堵した。
春人が僕の頭を撫でてくれた。
すっかり安心したら、春人の顔が見たくなって、顔を上げた…
優しい目がこちらを見つめて細められた。
僕は、春人の頬に手を添えて、キスをした。
春人に噛み付くような激しいキスをされ、舌に口の中を蹂躙された…
それから、僕がsubスペースに入り、最後は気絶するまで数えきれないくらい、春人は僕を抱きつづけた。
春人はS波の影響で、dom性だけでなく性欲も昂ってしまったみたいだ…ごめんなさい…
頑張って受け止めます…
***
出会って6年、僕らは2人でアメリカに住んでいる。父さんの研究所に就職して、研究員として毎日一緒に通っている。
もちろん今も、生活の全てを管理してもらっている。でも春人がいない時は自分で考えるようになった。
失敗しても春人が責任取ってくれるから、安心して自己判断ができる。(まぁ…お仕置きされることはあるけども…)
ピアス型の体内グレアの測定器は、普通のグレアにも適応するものに改良され、レセプターのグレア充足率を測定するものとして、それが埋め込まれた首輪が人気商品となっている。
今の僕の研究テーマは、強いS波のdomに与える影響についてだ。
僕のS波を受け続けた春人は今では通常時でもSSランクだ。僕はそのメカニズムを解明しようとしている。
そして、春人の研究テーマはS波の周囲に与える影響についてだ。
どうやら、僕のS波で病気が治るというのは都市伝説じゃなかったらしい…
世界最高水準のカップルとして、僕らは話題になった。
僕らの婚約発表記者会見には多くの人が押しかけた。
そんな中で、スーツ姿の春人に手を繋がれてキュンとした僕は、会見会場にいるみんなに無意識にS波を振り撒いてしまった。
その時会場にいた人達は、みんな怪我や持病が治ったと大きな話題になった。
そのため、僕らは休みの日に病院巡りをして、2人で慰問するようになった。
患者は快癒するし、僕らは研究データが取れるのでwin-winだ。
こうして、僕らは互いを被験体に研究し合っている。
父さんと母さんは、最近は研究を僕らに任せて旅行に行く事も多くなった…
来年には僕らは正式な夫婦となる…
誰よりも強くて優しくてカッコいい春人は、僕の恋心によって、僕の恋人になり、パートナーになり、最強のdomになり、婚約者になって、もうすぐ最愛の旦那様になる…
これから先も、どんな事があっても2人でなら乗り越えていけると思う…
独りぼっちだった『高嶺のsub様』は、大いなる勘違いのおかげで、高嶺に咲く二輪の花になった…
【fin】
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※攻め視点で1話完結の短い話です。
※続きのリクエストを頂いたので受け視点での続編を連載開始します。出来たところから順次アップしていく予定です。
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【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます
夏ノ宮萄玄
BL
オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。
――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。
懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。
義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。
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