1 / 21
1.高嶺のsub様はご主人様を探しています
しおりを挟む
この世界には男と女の他に第二の性、ダイナミクスと呼ばれるものがある。
相手を支配したいDomと服従したい sub。そしてそのどちらでもないNeutral、DomとSubの両方の性質を持つSwitchの4つだ。
支配の中には管理、甘やかし、嗜虐など様々なタイプがあるが、共通するのはDomはSubをコマンドによって命令し、Subが命令を遂行し、Domがそれを認めることで互いの欲求を満たすという点である。
domとsubには生理学的に明確な違いがあり、個人の趣味趣向や性格とは無関係に発現するというのは、今や常識だが、ほんの十数年前まではそうではなかった。
ダイナミクスの発現は思春期以降がほとんどだが、発現時期は個人差が大きく、周囲の環境にも影響を受けること、またその特性から偏見や差別を生みやすいことから、
皆が存在を自覚しつつも、名言を避け、平等の旗の下に有耶無耶にしてきた…まさに人種や民族と同じように…
それを変えたのは一本の医学論文だった。
D波とS波の発見だ。
domは脳内にD波を発生させ、それに反応してグレアを生み出す器官があり、体外に放出させて相手に作用する。
ダイナミクスを持つと言われる人間には、このグレアを受け取るレセプターが存在し、レセプターが満たされるとグレアを発した人間に対して服従状態となる。
これは、dom同士であっても同様で強いdomに弱いdomは屈服する。
domの屈服と subの服従の大きな違いはこの後だ。
subには、S波(快楽波)を発生させる器官が存在し、レセプターが満たされ、服従した際にS波を発生させ、本人や周囲の者、特にグレアを発生させたdomに強く作用し、多幸感を感じさせる。
domは屈服しても、快感が伴わないため屈辱感を味わうが subはこの多幸感により服従して幸せと感じる。
さらにコマンドによる命令の達成とreword(褒められる行為)はS波の発生を促す。
また、neutralはダイナミクスが未発現の状態であり、今後環境や身体の成熟によりダイナミクスが発現する可能性がある状態であると定義づけられた。
当初、発表は大きな波紋を呼んだ。
それまで、ダイナミクスは心理学や社会学の範疇として、扱われてきた。
人間はみな平等であり、domとsubの違いを生物学的に明確にすべきでないという声が強かった。
差別を助長することを恐れたからだ。
しかし、この発見により幸福感を満たす主体はsubであり、 subを満足させる事が互いの幸福に繋がる事が明確化された事で、結果としてsubの社会的地位は向上し、偏見も改善されるようになった。
domとsubは男女の性と同じように身体に明確な違いを持った上で人権は平等という風潮に変わった。
それまで多く見られた、嗜虐を好み1人のsubに満足できずに 自分のsubを無能と虐げ、多頭飼いしていたdomは、subを満足させられない甲斐性なしと見做され、逆に侮蔑の対象になった。
また、メカニズムが解明され始めたことで、医学的観点からのダイナミクス研究が急速に発展した。
抑制剤もその一つである。
体内のD波の発生を抑えるdom用抑制剤、微弱なグレアを与えることでS波の発生を促し、欲求を安定させるsub用抑制剤が開発された。
抑制剤により、欲求をコントロールすることで、望まぬプレイによるダイナミクス事故が減少した事は言うまでもない。
***
誰もが知る超名門K大学のキャンパス内。
優秀な学生が集うこの場所を美しい男が颯爽と歩く。
背は170cmと平均よりやや小柄ながらもスラッとした8頭身に透けるような白い肌。
小さな顔にはすっと通った鼻筋に色素の薄い瞳と妖艶な唇が絶妙なバランスで配置されている。
凛とした立ち姿と隙のない所作…
道ゆく人は誰もが彼に見惚れ、誰もが振り返る…
彼の名前は西園寺理人。
父は「あの論文」を発表したダイナミクス研究の第一人者、母はダイナミクスの抑制剤を世界に販売する製薬会社の代表取締役というエリート一家に育ちながら、本人もそれに驕る事なく持ち前の賢さと努力により医学部に主席で入学した。
「は~今日も西園寺様は美しいな…」
「一度でいいから、彼を跪かせてみてぇな~」
「ばーか!お前じゃ無理だ」
「お前だって無理だろ~が」
日々、嘆いているのは学内のdom達。
西園寺理人はsubだ。
しかし、ただのsubではない、Sランクのさらに上、SSランクの規格外のsubなのである。
これも近年発見された事だが、domとsubにはそれぞれランクというものがある。
domのランクは主にグレアの強さで決まる。そのdomが発生できるグレアの強さをSランクからEランクまで6段階に区切っている。同じランクの中でも強弱が存在し、環境等で途中でランクが上がることもある。
また、neutralからダイナミクスが発現したばかりの人間は低ランクであることが多い。
subのランクはレセプターの大きさによって決まり、レセプターが大きいほど、高ランクとなる。そのため、低ランクのdomのグレアでは高ランクのsubのレセプターを満たす事ができないため、支配することができない。
しかし、一度レセプターが満たされれば、高ランクのsubほど、大きなS波を発生し、domに及ぼす快感も大きいとされる。
美しい上に世界的にも稀な高ランクsubである理人のレセプターを満たし、至上の快感を得ることは、多くのdomの憧れであり、そのため、彼は「高嶺のsub様」と呼ばれていた。
「こんにちは、西園寺さん。僕Aランクだけど、割とグレア強い方なんだ。よかったら…その…試してみてくれないかな…」
「いいよ…そこの校舎の裏でいいかな?」
domとsubの間では、無意識に互いのダイナミクスを感じ取ってしまうことはままあるが、一般的にはダイナミクスを大っぴらに開示する事はあまりない。ましては公共の場でグレアを発する事は、マナー違反であり、悪質な場合には、処罰の対象にもなり得る。
にも関わらず、理人は自分が高ランクのsubである事を開示し、声をかけてくる者には、よほど気に入らない人間を除いて、周囲に人がいないことを確認した上でグレアを発する事を許可している。
なぜ、理人がそんなことをしているかというと、理人を完全に支配できる人間がいないこともあるが、単に理人がsubとしての幸福に憧れており、自分を支配してくれるdomを探し求めているからだ。
***
「はぁ~今回もダメだった~どこかに白馬に乗ったdom様はいないもんかな~」
空き教室の隅っこに陣取り僕は、スパゲティをぐるぐると掻き回す
「ちょっと!行儀悪いよ理人!」
「僕にそんな口叩くの一平くらいだな…」
「もう諦めてneutralとして生きたら?」
「絶対に嫌だ…」
「パートナーがいる俺がこんな事言うのは不謹慎かもだけど、欲求に悩まされずに生活できるのってちょっと羨ましいけどな…」
悪態を付いてるのは、岸田一平。僕の幼馴染だ。
小学校から大学までエスカレーターだった僕とは違い、高校まで地元の公立校に通い、猛勉強してうちの大学に入ってきた。
一平とは、学校は違ったけど、近所に住んでたし、子供の頃から気が合ってよく遊んでた。
一平も僕も、中学の健康診断でsubだと判明した。
2人とも初めはショックを受けたけど、そこは思春期の男子らしく、好奇心も強くてdomとのプレイってどんな感じなのかな~と、エロ本代わりにコマンドリスト眺めて萌えるシチュの空想に耽ったりして…
でも、僕は高ランクの自覚はあったし、別に欲求も強くなかったから、このまま普通に恋愛して、プレイなしにセックスしてってので充分かなと思ったりしてた。
そんな僕たちに転機が訪れたのは高校2年の時だ。
2人で買い物に出かけた帰り道、駅でdom同士の喧嘩に出くわしたんだ。それなりに強いdom同士だった思う。言い合いからとうとうグレア合戦になり、周囲にも被害が及んだ。
僕は、高ランクなので、グレアを感じても何ともないが隣にいた一平はCランク。咄嗟に後ろに庇ったけど、ムダだったみたいで、一平はサブドロップ寸前でその場にしゃがみ込んでしまった。
いくら、俺が背中をさすったり声をかけても落ち着かず、誰か助けを呼びに行こうかと悩んでいたときに、正樹さんに出会ったんだ。
当時、正樹さんはK大の一年生で、僕たちの2つ上。Bランクのdomだった。
一平の様子に気づいた正樹さんは、汚れる事も気にせずその場に胡座をかいて、一平を向かい合わせに膝に乗せて、そっと抱きしめながら背中をさすったり頭を撫でたりしながら、『いい子』『もう大丈夫』『頑張ったね』と言ってケアしてくれた。
青ざめていた一平顔色は徐々に赤みが差して、最後はトロンと気持ち良さそうな顔になって、そのままサブスペースに入った。
僕はあの時の一平の蕩けた顔が今でも忘れられない…
本当に気持ち良さそうで、羨ましいって思ったんだ。
一平と正樹さんは、その後すぐにパートナーになり、しばらくすると恋人同士になった。
一平は正樹さんと同じ大学に入るために猛勉強して、晴れて今年K大生になった。
僕もせっかくsubに生まれなんだから、いつかあの時の一平みたいに僕を蕩けさせてくれるdomに出会えるんじゃないかって期待してるんだ。
「お医者さんにはneutralと同じように生活していいって言われてるんでしょ?」
「うん、まぁね…」
「抑制剤だけで欲求が安定してるのに、何で無理してdomを探してるの?」
『お前が羨ましいから』なんて、悔しいからこいつには、絶対言わない!
抑制剤は微弱なグレアを発生させるだけなので、一般的に高ランクになるほど、レセプターが大きいために欲求を抑えるのが難しい。
しかし、なぜか僕は弱い抑制剤でも十分に欲求コントロールができていて、今までsub不安症になった事はない。
規格外の高ランクであることと、抑制剤の効果が異常に高い事で、研究バカの父は俺を被験体にしたくてウズウズしているのが分かる。
他人にモルモットにされるくらいなら自分で自分を研究してやろうと僕は医学部に内部進学することにしたのだ。
相手を支配したいDomと服従したい sub。そしてそのどちらでもないNeutral、DomとSubの両方の性質を持つSwitchの4つだ。
支配の中には管理、甘やかし、嗜虐など様々なタイプがあるが、共通するのはDomはSubをコマンドによって命令し、Subが命令を遂行し、Domがそれを認めることで互いの欲求を満たすという点である。
domとsubには生理学的に明確な違いがあり、個人の趣味趣向や性格とは無関係に発現するというのは、今や常識だが、ほんの十数年前まではそうではなかった。
ダイナミクスの発現は思春期以降がほとんどだが、発現時期は個人差が大きく、周囲の環境にも影響を受けること、またその特性から偏見や差別を生みやすいことから、
皆が存在を自覚しつつも、名言を避け、平等の旗の下に有耶無耶にしてきた…まさに人種や民族と同じように…
それを変えたのは一本の医学論文だった。
D波とS波の発見だ。
domは脳内にD波を発生させ、それに反応してグレアを生み出す器官があり、体外に放出させて相手に作用する。
ダイナミクスを持つと言われる人間には、このグレアを受け取るレセプターが存在し、レセプターが満たされるとグレアを発した人間に対して服従状態となる。
これは、dom同士であっても同様で強いdomに弱いdomは屈服する。
domの屈服と subの服従の大きな違いはこの後だ。
subには、S波(快楽波)を発生させる器官が存在し、レセプターが満たされ、服従した際にS波を発生させ、本人や周囲の者、特にグレアを発生させたdomに強く作用し、多幸感を感じさせる。
domは屈服しても、快感が伴わないため屈辱感を味わうが subはこの多幸感により服従して幸せと感じる。
さらにコマンドによる命令の達成とreword(褒められる行為)はS波の発生を促す。
また、neutralはダイナミクスが未発現の状態であり、今後環境や身体の成熟によりダイナミクスが発現する可能性がある状態であると定義づけられた。
当初、発表は大きな波紋を呼んだ。
それまで、ダイナミクスは心理学や社会学の範疇として、扱われてきた。
人間はみな平等であり、domとsubの違いを生物学的に明確にすべきでないという声が強かった。
差別を助長することを恐れたからだ。
しかし、この発見により幸福感を満たす主体はsubであり、 subを満足させる事が互いの幸福に繋がる事が明確化された事で、結果としてsubの社会的地位は向上し、偏見も改善されるようになった。
domとsubは男女の性と同じように身体に明確な違いを持った上で人権は平等という風潮に変わった。
それまで多く見られた、嗜虐を好み1人のsubに満足できずに 自分のsubを無能と虐げ、多頭飼いしていたdomは、subを満足させられない甲斐性なしと見做され、逆に侮蔑の対象になった。
また、メカニズムが解明され始めたことで、医学的観点からのダイナミクス研究が急速に発展した。
抑制剤もその一つである。
体内のD波の発生を抑えるdom用抑制剤、微弱なグレアを与えることでS波の発生を促し、欲求を安定させるsub用抑制剤が開発された。
抑制剤により、欲求をコントロールすることで、望まぬプレイによるダイナミクス事故が減少した事は言うまでもない。
***
誰もが知る超名門K大学のキャンパス内。
優秀な学生が集うこの場所を美しい男が颯爽と歩く。
背は170cmと平均よりやや小柄ながらもスラッとした8頭身に透けるような白い肌。
小さな顔にはすっと通った鼻筋に色素の薄い瞳と妖艶な唇が絶妙なバランスで配置されている。
凛とした立ち姿と隙のない所作…
道ゆく人は誰もが彼に見惚れ、誰もが振り返る…
彼の名前は西園寺理人。
父は「あの論文」を発表したダイナミクス研究の第一人者、母はダイナミクスの抑制剤を世界に販売する製薬会社の代表取締役というエリート一家に育ちながら、本人もそれに驕る事なく持ち前の賢さと努力により医学部に主席で入学した。
「は~今日も西園寺様は美しいな…」
「一度でいいから、彼を跪かせてみてぇな~」
「ばーか!お前じゃ無理だ」
「お前だって無理だろ~が」
日々、嘆いているのは学内のdom達。
西園寺理人はsubだ。
しかし、ただのsubではない、Sランクのさらに上、SSランクの規格外のsubなのである。
これも近年発見された事だが、domとsubにはそれぞれランクというものがある。
domのランクは主にグレアの強さで決まる。そのdomが発生できるグレアの強さをSランクからEランクまで6段階に区切っている。同じランクの中でも強弱が存在し、環境等で途中でランクが上がることもある。
また、neutralからダイナミクスが発現したばかりの人間は低ランクであることが多い。
subのランクはレセプターの大きさによって決まり、レセプターが大きいほど、高ランクとなる。そのため、低ランクのdomのグレアでは高ランクのsubのレセプターを満たす事ができないため、支配することができない。
しかし、一度レセプターが満たされれば、高ランクのsubほど、大きなS波を発生し、domに及ぼす快感も大きいとされる。
美しい上に世界的にも稀な高ランクsubである理人のレセプターを満たし、至上の快感を得ることは、多くのdomの憧れであり、そのため、彼は「高嶺のsub様」と呼ばれていた。
「こんにちは、西園寺さん。僕Aランクだけど、割とグレア強い方なんだ。よかったら…その…試してみてくれないかな…」
「いいよ…そこの校舎の裏でいいかな?」
domとsubの間では、無意識に互いのダイナミクスを感じ取ってしまうことはままあるが、一般的にはダイナミクスを大っぴらに開示する事はあまりない。ましては公共の場でグレアを発する事は、マナー違反であり、悪質な場合には、処罰の対象にもなり得る。
にも関わらず、理人は自分が高ランクのsubである事を開示し、声をかけてくる者には、よほど気に入らない人間を除いて、周囲に人がいないことを確認した上でグレアを発する事を許可している。
なぜ、理人がそんなことをしているかというと、理人を完全に支配できる人間がいないこともあるが、単に理人がsubとしての幸福に憧れており、自分を支配してくれるdomを探し求めているからだ。
***
「はぁ~今回もダメだった~どこかに白馬に乗ったdom様はいないもんかな~」
空き教室の隅っこに陣取り僕は、スパゲティをぐるぐると掻き回す
「ちょっと!行儀悪いよ理人!」
「僕にそんな口叩くの一平くらいだな…」
「もう諦めてneutralとして生きたら?」
「絶対に嫌だ…」
「パートナーがいる俺がこんな事言うのは不謹慎かもだけど、欲求に悩まされずに生活できるのってちょっと羨ましいけどな…」
悪態を付いてるのは、岸田一平。僕の幼馴染だ。
小学校から大学までエスカレーターだった僕とは違い、高校まで地元の公立校に通い、猛勉強してうちの大学に入ってきた。
一平とは、学校は違ったけど、近所に住んでたし、子供の頃から気が合ってよく遊んでた。
一平も僕も、中学の健康診断でsubだと判明した。
2人とも初めはショックを受けたけど、そこは思春期の男子らしく、好奇心も強くてdomとのプレイってどんな感じなのかな~と、エロ本代わりにコマンドリスト眺めて萌えるシチュの空想に耽ったりして…
でも、僕は高ランクの自覚はあったし、別に欲求も強くなかったから、このまま普通に恋愛して、プレイなしにセックスしてってので充分かなと思ったりしてた。
そんな僕たちに転機が訪れたのは高校2年の時だ。
2人で買い物に出かけた帰り道、駅でdom同士の喧嘩に出くわしたんだ。それなりに強いdom同士だった思う。言い合いからとうとうグレア合戦になり、周囲にも被害が及んだ。
僕は、高ランクなので、グレアを感じても何ともないが隣にいた一平はCランク。咄嗟に後ろに庇ったけど、ムダだったみたいで、一平はサブドロップ寸前でその場にしゃがみ込んでしまった。
いくら、俺が背中をさすったり声をかけても落ち着かず、誰か助けを呼びに行こうかと悩んでいたときに、正樹さんに出会ったんだ。
当時、正樹さんはK大の一年生で、僕たちの2つ上。Bランクのdomだった。
一平の様子に気づいた正樹さんは、汚れる事も気にせずその場に胡座をかいて、一平を向かい合わせに膝に乗せて、そっと抱きしめながら背中をさすったり頭を撫でたりしながら、『いい子』『もう大丈夫』『頑張ったね』と言ってケアしてくれた。
青ざめていた一平顔色は徐々に赤みが差して、最後はトロンと気持ち良さそうな顔になって、そのままサブスペースに入った。
僕はあの時の一平の蕩けた顔が今でも忘れられない…
本当に気持ち良さそうで、羨ましいって思ったんだ。
一平と正樹さんは、その後すぐにパートナーになり、しばらくすると恋人同士になった。
一平は正樹さんと同じ大学に入るために猛勉強して、晴れて今年K大生になった。
僕もせっかくsubに生まれなんだから、いつかあの時の一平みたいに僕を蕩けさせてくれるdomに出会えるんじゃないかって期待してるんだ。
「お医者さんにはneutralと同じように生活していいって言われてるんでしょ?」
「うん、まぁね…」
「抑制剤だけで欲求が安定してるのに、何で無理してdomを探してるの?」
『お前が羨ましいから』なんて、悔しいからこいつには、絶対言わない!
抑制剤は微弱なグレアを発生させるだけなので、一般的に高ランクになるほど、レセプターが大きいために欲求を抑えるのが難しい。
しかし、なぜか僕は弱い抑制剤でも十分に欲求コントロールができていて、今までsub不安症になった事はない。
規格外の高ランクであることと、抑制剤の効果が異常に高い事で、研究バカの父は俺を被験体にしたくてウズウズしているのが分かる。
他人にモルモットにされるくらいなら自分で自分を研究してやろうと僕は医学部に内部進学することにしたのだ。
10
お気に入りに追加
90
あなたにおすすめの小説


鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
後輩に嫌われたと思った先輩と その先輩から突然ブロックされた後輩との、その後の話し…
まゆゆ
BL
澄 真広 (スミ マヒロ) は、高校三年の卒業式の日から。
5年に渡って拗らせた恋を抱えていた。
相手は、後輩の久元 朱 (クモト シュウ) 5年前の卒業式の日、想いを告げるか迷いながら待って居たが、シュウは現れず。振られたと思い込む。
一方で、シュウは、澄が急に自分をブロックしてきた事にショックを受ける。
唯一自分を、励ましてくれた先輩からのブロックを時折思い出しては、辛くなっていた。
それは、澄も同じであの日、来てくれたら今とは違っていたはずで仮に振られたとしても、ここまで拗らせることもなかったと考えていた。
そんな5年後の今、シュウは住み込み先で失敗して追い出された途方に暮れていた。
そこへ社会人となっていた澄と再会する。
果たして5年越しの恋は、動き出すのか?
表紙のイラストは、Daysさんで作らせていただきました。

僕の部下がかわいくて仕方ない
まつも☆きらら
BL
ある日悠太は上司のPCに自分の画像が大量に保存されているのを見つける。上司の田代は悪びれることなく悠太のことが好きだと告白。突然のことに戸惑う悠太だったが、田代以外にも悠太に想いを寄せる男たちが現れ始め、さらに悠太を戸惑わせることに。悠太が選ぶのは果たして誰なのか?



家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!
灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。
何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。
仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。
思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。
みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。
※完結しました!ありがとうございました!

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる