青春-4つの物語-

Zero

文字の大きさ
上 下
85 / 94
第4の物語(最終章)「サヨナラ青春」

71

しおりを挟む
水城 沙耶
 「…とりあえず戻ろっか。」
月川 壱成
 「…そうだな、」

俺と沙耶は屋上へと向かった。ただ、向かう途中何も話さなかった。

-屋上-
月川 壱成
 「ごめん、長引いたわ。」
火宮 修
 「イッチー、話がある。」
月川 壱成
 「ごめん、少し休ませてくれ」
火宮 修
 「…わかった。」
木島 快
 「おい!さっさとゲーム終わらせたいんだが、」
火宮 修
 「…イッチーいける?」
月川 壱成
 「第一のゲームは、隠れんぼ…あまり体力も使わないし早いとこ終わらせよう」
火宮 修
 「沙耶は?」
水城 沙耶
 「私も問題ない。始めよう。」
月川 壱成
 「で、ルールは?」
火宮 修
 「土浦昌樹を見つける。…ただそれだけらしい、」
月川 壱成
 「見つけるって言っても死んでるんじゃ」
金沢 愛海
 「いや、生きてるらしいよぉ」
月川 壱成
 「マジ?…良かったぁ!」

日比野 文佳
 「…あのさぁ、始めて良いかな?」

月川 壱成
 「あぁ、こちらの準備は万全だ。」

日比野 文佳
 「えっと~…このゲームにおいて、いくつかのルールがあるから教えとくね!」

すると日比野は、俺たち一人一人に本を渡しておく。

日比野 文佳
 「…ルールは3ページに記載してあるよ」

俺は、その本の3ページ目を開く。

第一ゲームのルールは以下の通りだ。
①このゲームをクリアするまで校舎を出たら死
②ゲームマスター(以下GM)への暴力は死
③仲間同士の暴力は了承
④リタイアする場合、生存者全員自殺
⑤ゲームクリア後、口外禁止
⑥ゲーム進行中LIVE配信などすれば死
⑦クリア後もGM及び仲間と学校生活を共にする
なお、アクシデントが生じた場合は急遽中止にすることがある。
その場合1週間、プレイヤー全員を体育館で軟禁する。

このルールは一見普通に見えるが、俺たちの行く手を阻む最凶のゲームの始まりだった。

『第1ゲーム隠れんぼ開始!』

そうして隠れんぼが行われた。
14:00 第1ゲーム隠れんぼ 開始

-屋上-
月川 壱成
 「とりあえず、どうすれば良い?」
火宮 修
 「そうやなぁ。一階ずつ分担した方がいい感じ?」
水城 沙耶
 「だったらイックンは一階、修っちは二階、私は三階、木島くんは四階、愛海は…」
金沢 愛海
 「一応、グラウンドとかも見といた方が良いよね?」
水城 沙耶
 「じゃあ、そうしよ!」

そして皆は、各担当の階へと向かった。

-2階-
月川 壱成
 「体育館は、この階だから居る確率も割りと高いよな…」

体育館の外にも出たりキャットウォークというところも一周したりしたが、これといったものは収穫できなかった。

諦めて体育館に戻ろうと階段で降りようとしたら、誰かに背中を押された気がした。俺はそのまま階段を転げ落ち気を失った。

気づいたときには体育館棟ではなく、体育館と同じく2階にある図書室にいた。

俺は図書室用のパソコンの電源を何となくつけた。
そこには、『真木 実』というフォルダがあった。
俺は七星闇が『ミノルを返して』と言っていたことを思い出す。
そして、そのフォルダを開くと何十もの写真が保存されていた。

その何枚もの写真には、とある共通点があった。とある一人の女子生徒が写っていた。まるで、盗撮したかのように。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

せどり探偵の事件

崎田毅駿
ミステリー
せどりを生業としている瀬島は時折、顧客からのリクエストに応じて書籍を探すことがある。この度の注文は、無名のアマチュア作家が書いた自費出版の小説で、十万円出すという。ネットで調べてもその作者についても出版物についても情報が出て来ない。希少性は確かにあるようだが、それにしてもまったく無名の作家の小説に十万円とは、一体どんな背景があるのやら。

兄の悪戯

廣瀬純一
大衆娯楽
悪戯好きな兄が弟と妹に催眠術をかける話

目の前で始まった断罪イベントが理不尽すぎたので口出ししたら巻き込まれた結果、何故か王子から求婚されました

歌龍吟伶
恋愛
私、ティーリャ。王都学校の二年生。 卒業生を送る会が終わった瞬間に先輩が婚約破棄の断罪イベントを始めた。 理不尽すぎてイライラしたから口を挟んだら、お前も同罪だ!って謎のトバッチリ…マジないわー。 …と思ったら何故か王子様に気に入られちゃってプロポーズされたお話。 全二話で完結します、予約投稿済み

【実話】友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
青春
とあるオッサンの青春実話です

幻想プラシーボの治療〜坊主頭の奇妙な校則〜

蜂峰 文助
キャラ文芸
〈髪型を選ぶ権利を自由と言うのなら、選ぶことのできない人間は不自由だとでも言うのかしら? だとしたら、それは不平等じゃないですか、世界は平等であるべきなんです〉  薄池高校には、奇妙な校則があった。  それは『当校に関わる者は、一人の例外なく坊主頭にすべし』というものだ。  不思議なことに薄池高校では、この奇妙な校則に、生徒たちどころか、教師たち、事務員の人間までもが大人しく従っているのだ。  坊主頭の人間ばかりの校内は異様な雰囲気に包まれている。  その要因は……【幻想プラシーボ】という病によるものだ。 【幻想プラシーボ】――――人間の思い込みを、現実にしてしまう病。  病である以上、治療しなくてはならない。 『幻想現象対策部隊』に所属している、白宮 龍正《しろみや りゅうせい》 は、その病を治療するべく、薄池高校へ潜入捜査をすることとなる。  転校生――喜田 博利《きた ひろとし》。  不登校生――赤神 円《あかがみ まどか》。  相棒――木ノ下 凛子《きのした りんこ》達と共に、問題解決へ向けてスタートを切る。 ①『幻想プラシーボ』の感染源を見つけだすこと。 ②『幻想プラシーボ』が発動した理由を把握すること。 ③その理由を○○すること。  以上③ステップが、問題解決への道筋だ。  立ちはだかる困難に立ち向かいながら、白宮龍正たちは、感染源である人物に辿り着き、治療を果たすことができるのだろうか?  そしてその背後には、強大な組織の影が……。  現代オカルトファンタジーな物語! いざ開幕!!

病院の僧侶(プリースト) と家賃という悪夢にしばられた医者

加藤かんぬき
ミステリー
 僧侶サーキスは生き別れた師匠を探す旅の途中、足の裏に謎の奇病が出現。歩行も困難になり、旅を中断する。  そして、とある病院で不思議な医者、パディ・ライスという男と出会う。  中世時代のヨーロッパという時代背景でもありながら、その医者は数百年は先の医療知識と技術を持っていた。  医療に感銘を受けた僧侶サーキスはその病院で働いていくことを決心する。  訪れる患者もさまざま。  まぶたが伸びきって目が開かない魔女。  痔で何ものにもまたがることもできなくなったドラゴン乗りの戦士。  声帯ポリープで声が出せなくなった賢者。  脳腫瘍で記憶をなくした勇者。  果たしてそのような患者達を救うことができるのか。  間接的に世界の命運は僧侶のサーキスと医者パディの腕にかかっていた。  天才的な技術を持ちながら、今日も病院はガラガラ。閑古鳥が鳴くライス総合外科病院。  果たしてパディ・ライスは毎月の家賃を支払うことができるのか。  僧侶のサーキスが求める幸せとは。  小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。

【完結】大量焼死体遺棄事件まとめサイト/裏サイド

まみ夜
ホラー
ここは、2008年2月09日朝に報道された、全国十ケ所総数六十体以上の「大量焼死体遺棄事件」のまとめサイトです。 事件の上澄みでしかない、ニュース報道とネット情報が序章であり終章。 一年以上も前に、偶然「写本」のネット検索から、オカルトな事件に巻き込まれた女性のブログ。 その家族が、彼女を探すことで、日常を踏み越える恐怖を、誰かに相談したかったブログまでが第一章。 そして、事件の、悪意の裏側が第二章です。 ホラーもミステリーと同じで、ラストがないと評価しづらいため、短編集でない長編はweb掲載には向かないジャンルです。 そのため、第一章にて、表向きのラストを用意しました。 第二章では、その裏側が明らかになり、予想を裏切れれば、とも思いますので、お付き合いください。 表紙イラストは、lllust ACより、乾大和様の「お嬢さん」を使用させていただいております。

本当にあった怖い話

邪神 白猫
ホラー
リスナーさんや読者の方から聞いた体験談【本当にあった怖い話】を基にして書いたオムニバスになります。 完結としますが、体験談が追加され次第更新します。 LINEオプチャにて、体験談募集中✨ あなたの体験談、投稿してみませんか? 投稿された体験談は、YouTubeにて朗読させて頂く場合があります。 【邪神白猫】で検索してみてね🐱 ↓YouTubeにて、朗読中(コピペで飛んでください) https://youtube.com/@yuachanRio ※登場する施設名や人物名などは全て架空です。

処理中です...