青春の悪夢

Zero

文字の大きさ
上 下
19 / 30
Story編

12話

しおりを挟む
俺はすぐさま、その投稿を消したものの拡散されるばかりだった。京花と仲田秀哉の関係についてはSNS上では様々な考察が挙げられていた。中でも多かったのが『パパ活説』だった。

俺は頭を抱えた。京花が人を殺すなんて想像もしていなかったのだから。しばらくして再び家に刑事さんが来てアカウントについて聴かれた。俺は一度携帯を失くしたことを説明すると櫻井刑事が「確かにそんな連絡がありました」と庇ってくれたこともあり、俺の疑いが晴れた。

翌日、学校に行くと昨日の京花のことで話で持ちきりだった。そして、その矛先は俺の方へと向いた。「お前のアカウントだよな?」とか「京花ちゃんに殺すよう脅したのか?」とか、俺は教壇に立ち、今までのことを全てを打ち明けた。ただ俺自身が人を殺したことを除いて。

・SSK事件について京花や先生と調べてること
・GODアカウントは深山先生のものだったこと
・浜松里奈死刑囚と深山先生は知り合いであること
その他諸々話すとクラスの人たちは、

「…深山先生って悪い人なの?」とか「浜松里奈が深山先生と付き合ってたの?」という変な解釈したりする人が多かった。ただ動画の件についての疑いは残ったままで、龍生が逮捕されたときのように俺はまた、独りになっていた。クラス中から学年全体へと変な噂が広まった。ただその中で1人、俺の味方でいてくれた。それはそれで隣の席の綿平良子だった。

ヨシコ
 「私は、充くんも京花ちゃんも信じるよ」
ミチル
 「あ、ありがと」
ヨシコ
 「提案なんだけど、もう調べなくてもいいんじゃない?」
ミチル
 「え?」
ヨシコ
 「警察も調べてるんでしょ?だったら」
ミチル
 「それはできない。俺は最後まで調べるつもりだ」
ヨシコ
 「でも、充くんの命が危ないよ!」
ミチル
 「解決したいんだ、」
ヨシコ
 「自分の命を犠牲にしてまで?」
ミチル
 「もちろん。」
ヨシコ
 「だったら!私も協力する!」

俺は思い悩むことがあった。前に京花を悪く言っていたことを許すべきかどうかを。ただ俺は彼女を信じることにした。

ミチル
 「…分かった。」
ヨシコ
 「何から調べればいいかな?」
ミチル
 「俺と一緒に廃病院を調べて欲しい。」
ヨシコ
 「分かった!」

そして放課後、俺と綿平さんは廃病院へと向かい中を調べた。しかし2階を見てみると、俺が殺したはずの男性は消えていた。誰かがこの廃病院に足を運んだことを確信した。

ふと綿平さんを見ると手の甲を口元にし笑いを我慢しているように見えた。何か知ってるのではないかと思い「何かあったの?」と、聴いてみると

「あの動画、投稿したの私なんだよね。」
と俺の方を向き笑顔で話した。

俺は
「京花と仲田秀哉はどこだ?」
と聴くと

「こっちだよ、」
と俺の手を引っ張り奥の方へと歩いていく。

そして、たどり着いた病室のドアを綿平さんが開けた。その先には仲田秀哉が病室のベッドで息を絶っていた姿があった。警察に連絡すると数分後パトカーが来て現場検証が始まった。

これで京花の殺人が確定したと思うと辛かった。もっと京花のことを気にかけていれば、こんなことにならなかったのに。そんな風に後悔していると

「仲田秀哉は脱獄した浜松里奈と同じ学校です。」そんな声が刑事さんの方から聞こえた。真相には意外な交友関係があるのだ。そして、俺はまた1つの仮説を立てた。その仮説は後に意外な展開に発展していくのだった。その説は「深山先生と仲田秀哉はグル説」だ。

深山先生と仲田秀哉は浜松里奈を通じて、あの洗脳させる飲み物を流通させていた。その飲み物を流通させ、俺たち生徒を滅亡させる狙いがあるのだろう。しかし仲間割れのようなものがあり、仲田秀哉は脅された京花によって殺された…。

俺は刑事さんに質問する。
ミチル
 「脅されて人を殺した場合って罪に問われますか?」
浅蔵 刑事
 「罪は軽くなるかもしれないが犯罪は犯罪だ。」
ミチル
 「…そうですか。」
浅蔵 刑事
 「何かあったのか?」
ミチル
 「いや、京花はどうなってしまうのかなって」
浅蔵 刑事
 「まずは、南原京花さんを見つけることに集中しろ。」
ミチル
 「はい。」

翌日学校に行くと、案の定皆から無視されていた。もう、生きているのが辛くなった。こんなことしていたら一生このまま生き続けることになる。

自暴自棄になり俺は気づいたら屋上にいた。災難ばかり降りかかるのは神様の仕業なのだろうかなんて思いながら俺は屋上の柵を越える。

そして、俺は地面から足を離し前に倒れた。「サヨナラ。」俺はこの世から消える、そう思った。しかし、次に目を覚ましたときには病室にいた。隣には鹿羽先生が椅子に座っていた。

ミチル
 「先生…」
鹿羽 先生
 「目が覚めたか!」
ミチル
 「なんで?」
鹿羽 先生
 「…1人で抱え込むな。私がいるだろ、」
ミチル
 「…ごめんなさい。」
鹿羽 先生
 「謝るな。こんなことになったのは私の責任だ。」
ミチル
 「違います、」
鹿羽 先生
 「私は、お前を利用した。」
ミチル
 「そうじゃないですよ、先生は僕を信じてくれたんですよね?」
鹿羽 先生
 「…」

先生の顔は何か言いたそうな顔をしていた。

ミチル
 「何か…あったんですか?」
鹿羽 先生
 「実は…南原がこことは違う他の病院に運ばれたらしい。」
ミチル
 「え?京花が?」
鹿羽 先生
 「まだ意識はないらしい。」
ミチル
 「どこで見つかったんですか?」
鹿羽先生
 「それが…深山先生の自宅だって」
ミチル
 「…深山紲星。彼は一体何なんですか?」
鹿羽先生
 「彼は浜松里奈の元カレだそうだ。」
ミチル
 「元カレ…ですか。」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

絶叫ゲーム

みなと
ミステリー
東京にある小学校に通う「音川湊斗」と「雨野芽衣」がさまざまなところで「絶叫ゲーム」に参加させられて…… ※現在、ふりがな対応中です。 一部ふりがなありと、ふりがな無しが混同しています。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。

矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。 女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。 取って付けたようなバレンタインネタあり。 カクヨムでも同内容で公開しています。

後悔と快感の中で

なつき
エッセイ・ノンフィクション
後悔してる私 快感に溺れてしまってる私 なつきの体験談かも知れないです もしもあの人達がこれを読んだらどうしよう もっと後悔して もっと溺れてしまうかも ※感想を聞かせてもらえたらうれしいです

おしっこ我慢が趣味の彼女と、女子の尿意が見えるようになった僕。

赤髪命
青春
~ある日目が覚めると、なぜか周りの女子に黄色い尻尾のようなものが見えるようになっていた~ 高校一年生の小林雄太は、ある日突然女子の尿意が見えるようになった。 (特にその尿意に干渉できるわけでもないし、そんなに意味を感じないな……) そう考えていた雄太だったが、クラスのアイドル的存在の鈴木彩音が実はおしっこを我慢することが趣味だと知り……?

幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。

スタジオ.T
青春
 幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。  そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。    ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。

性的イジメ

ポコたん
BL
この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。 作品説明:いじめの性的部分を取り上げて現代風にアレンジして作成。 全二話 毎週日曜日正午にUPされます。

処理中です...