真実の裏

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第1章『真実の裏』

#5

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-5話-
赤崎貴斗
 「第10問!人を何人殺した?」
目黒理
 「…え?」

その質問に俺は動揺を隠せなかった。

浜松里奈
 「どうしたの?」
神童知佳
 「理?」

「0!」「0、」「0回だ」「殺したことない」
次々と皆は質問に答えていく。
しかし俺は答えることができない。

浜松里奈
 「理、早くしないと、」
目黒理
 「俺は…」

それは、さらに2年前と遡る。
俺は中学を卒業し高校生になって始めの頃

いつも通り、俺と里奈だけで帰宅していたところ、不審者らしき人物がいた。俺は、里奈を家に送り、そのまま帰宅した。

とある別の日、里奈は1人で帰ってしまった。
それは、俺と喧嘩したことが原因だ。

俺は1人で帰宅していると、

「やめてください、困ります!」

夜7時を回りそうな頃、里奈の声がした
声がする方へ言ってみると、

あの不審者が里奈に馴れ馴れしく触っていた
俺はすぐさま止めに入り、里奈をその場で見送った
俺は不審者と話していると、

 「君は彼氏かな?そんなんじゃ守れないよ」とか、
 「里奈ちゃんは、僕のものだ!」とか、
いかにも自己中心的な言葉で俺を論破(?)しようとしたのか、
仕舞いには「里奈ちゃんとの子ども作りたいなぁ」と言い出し、
俺は感情が押さえきれず、俺は男を殴ってしまった。
 男は、一度倒れたが起き上がり、

「暴力だ!これは、警察に言わないとね」

と脅し始め、その場を立ち去ろうとしたので
俺は、里奈を守るため、として勢いで殺してしまった

目黒理
 「…俺は」
赤崎貴斗
 「残り10秒!」
浜松里奈
 「理!」
目黒理
 「1人、」
神童知佳
 「え?」
目黒理
 「俺は、人を1人殺した。」

他の生徒たちは騒々しくなる。
「あいつ、人殺し?」「うわぁ、マジかよ」

赤崎貴斗
 「ゲーム終了、ゲーム終了、第1ゲームクリア!クリアしたチームは20チーム!おめでと~!今日は疲れただろうから解散!また明日!」

神童知佳
 「私、行かなきゃいけないところある。」
浜松里奈
 「分かった。」
目黒理
 「…」
浜松里奈
 「理、行こ!」

-教室-
俺は2人に、話しをすることが出来なかった
目黒理
 「…」
浜松里奈
 「…理、」
目黒理
 「…」
浜松里奈
 「理ってば!」
神童知佳
 「人を殺したって、嘘だよね?」
目黒理
 「…」
神童知佳
 「ねぇ、嘘だよね?」
目黒理
 「…」
神童知佳
 「嘘って言ってよ!」
浜松里奈
 「ちょっと知佳、」
神童知佳
 「いつ、どこで、誰を殺したの!」
浜松里奈
 「知佳!それぐらいにし」
目黒理
 「一年の頃、公園で、里奈のストーカーを殺した」
浜松里奈
 「え?私の、ストーカー?」
目黒理
 「お前が1人で帰ったとき、あっただろ?」
浜松里奈
 「あ、あの時か、」
目黒理
 「そんときに、揉めて、殺してしまった」
浜松里奈
 「私のために、そこまでして、」
神童知佳
 「でも、殺したのには変わりないでしょ?」
目黒理
 「まぁ、」
神童知佳
 「最低ね、この人殺し!」
浜松里奈
 「知佳!このゲームは友情が大切なの!これ以上、仲が悪くなったら負けるよ」
神童知佳
 「大丈夫!秘策はあるから!」
浜松里奈
 「秘策?」

-翌日 体育館-

殺された人の姿はなかった。血の跡も消されていた。

赤崎貴斗
 「さぁ、残り20チーム!60人!第2ゲームは!」
神童知佳
 「ちょっと待って!」
赤崎貴斗
 「おや、どうしました?」
神童知佳
 「チーム編成を希望します!」
赤崎貴斗
 「と、言いますと?」
神童知佳
 「メンバーを変えるんです、」
赤崎貴斗
 「…面白そうですね。では、1度。メンバーの1人を変えましょうか、もちろん変えなくても構いません。制限時間は10分です。スタート!」

神童知佳
 「私がこのチームを出ていく、」
目黒理
 「そうか、」
????
 「だったら、僕がこのチームに入ろうかな」

そこに来たのはイケメン男子だ、

浜松里奈
 「あなたは確か、」
????
 「よろしくね、理くん、浜松さん、」
目黒理
 「だれ?」
????
 「西道 彰。知らない?」
目黒理
 「西道…あ、いつも試験1位の人か、」
浜松里奈
 「でも、なんでこのグループに?」
西道彰
 「ん~、冒険…かな?」
浜松里奈
 「よろしくね、西道くん、」
西道彰
 「さて、制限時間を待ちましょうか。」

そして、
赤崎貴斗
 「では、第2ゲーム始めましょうか。」

西道彰
 「第2ゲームは何ですかね?」
浜松里奈
 「簡単なものだと良いですけど」

赤崎貴斗
 「第2ゲームは…チーム代表による
  カードゲーム、じゃんけんだ!」

浜松里奈
 「じゃんけん?」
目黒理
 「…なんでカードゲームで?」
西道彰
 「普通のじゃんけんだと、最初はグーの時点で
  次に出す手の割合が定められてしまうからだ」
目黒理
 「なるほどな、」
西道彰
 「このゲームは僕がやるよ」
浜松里奈
 「じゃ、じゃあ、お願いします。」
西道彰
 「理くん、僕の活躍を見ててよ。」
目黒理
 「…」

赤崎貴斗
 「さて、このじゃんけん、今回は特別ルールで戦っていただきます」

西道彰
 「特別ルール?」

赤崎貴斗
 「グー、チョキ、パー、それぞれのチームの代表に
  各1枚ずつ、計3枚を配ります。これで戦え。」

西道彰
 「なるほど、勝てる確率が均一ということか。」

赤崎貴斗
 「ただし!この3枚のカードのうち、パーを
  失くすことができればクリアになる。」

浜松里奈
 「なんで、そんなこと?」
目黒理
 「おそらく、」
西道彰
 「おそらく焦らせて、確率を変えるためだ」
目黒理
 「…」
浜松里奈
 「よく、わかんないよ」

赤崎貴斗
 「勝ち、もしくはあいこの場合、自分の
  出したカードを捨てることが出来る。」

浜松里奈
 「じゃあ、全員あいこでパーを出せば、」
目黒理
 「全員クリア、ただしその場合ならね、」

赤崎貴斗
 「詳しいルールはルールブックを読んで」

ルールブックを見ると新しいページがあった。

浜松里奈
 「昨日まで、こんなページなかったよ!」
目黒理
 「あいつなら出来るんじゃね」
西道彰
 「それは随分、都合の良い話だね、」

-じゃんけん ルール-
・各グループ代表者1名に手札の違う3枚のカードを渡す
・クリア条件はじゃんけんでパーの札を消すこと
・じゃんけんは同じ相手とはできない。
-じゃんけんの試合において-

・1VS1の試合
・勝ちorあいこの場合、出した札を消せる
・負けの場合は手元に残る。

西道彰
 「面白くなってきたなぁ」

赤崎貴斗
 「では、試合開始です!」
-試合開始-

皆、一斉に必死に最初の相手を見つけ出す。
西道彰ただその1人を除いて。

俺と里奈、その他グループの代表者以外はじゃんけんの試合が始まって少し経った後、貴斗の指示により体育館を立ち去った。

-10分後-
校内のアナウンスが流れた。
赤崎貴斗の声だ。

赤崎貴斗
 「試合が終了しました。体育館へ来てください」

俺と里奈は、体育館へと戻る。

-体育館-
俺と里奈は体育館の状態を見て驚愕した。

全員あいこで、全員クリア、そう思っていた。
実際に見ると、残ってるのは、ほぼ半分だった。

目黒理
 「なんで…なんで、こんなに死んでるんだよ」
????
 「これはゲームだからね。」

後ろから声がした。振り向くと彰が何か企んでいるような顔を見せていた

目黒理
 「…まさか、お前が?」
西道彰
 「手は出してないよ!出したら死ぬもんね」
目黒理
 「じゃあ、どうやって?」
西道彰
 「僕がやった前提?」
目黒理
 「質問に答えろ!」
西道彰
 「惑わせたんだよ。とある呪文でね。」
目黒理
 「呪文?」
西道彰
 「交換しようって、」
目黒理
 「交換?」

-回想-
皆、一斉に必死に最初の相手を見つけ出す。
すると、

西道彰
 「皆、待って!」
男子生徒A
 「何?俺ら今必死なんだけど!」
西道彰
 「それより、良い方法がある!」
男子生徒A
 「良い方法?」
西道彰
 「全員のカードを集めてシャッフルするんだ!」
男子生徒A
 「そんなんでクリアできるのか?」
西道彰
 「パーが3つある確率は…」

3枚ともパーの確率は…
57/1711・・・およそ3.3%

ちょうど2枚パーの確率
380/1711・・・およそ22.2%

1枚だけパーの確率
780/1711・・・およそ45.6%

パーがない確率
494/1711・・・およそ28.9%

男子生徒
 「つまり、お前の作戦に従えば、
  クリアする確率が上がるということか?」
西道彰
 「あぁ、」
女子生徒A
 「でも、それってアリなの?」
赤崎貴斗
 「うん!素晴らしいよ!許可する。」
-回想終了-

西道彰
 「っていう感じ、」
目黒理
 「お前は彼らを騙したということか?」
西道彰
 「仕方ないことだ。背に腹は代えられないだろ。」
目黒理
 「…そうか。」

赤崎貴斗
 「今回のゲームクリア者は、12組。
  8組…24人がここで脱落です。」

目黒理
 「第3ゲームはこれより過酷なのかもしれない。」
浜松里奈
 「………」
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