ブラ紐イニシエーション

西木景

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#6 後輩と身も心もひとつになった件について

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 扉が閉まるよりも先に、俺たちは抱き締め合っていた。
 瞼を閉じて、力のこもった口づけを交わす。
 先ほど路上で交わした唇を重ねるだけのキスではない。今度はどちらからともなく舌を伸ばして、深く深く貪るように絡め合っていた。互いの気分を高め合う、情熱的な口づけだった。

「……ん、んッ……」

 息継ぎの合間に艶めかしい喘ぎ声が明里の唇から零れる。
 まだ玄関にいながら靴を脱ぐことさえ忘れて、俺たちはしばらく濃厚な接吻に耽っていた。
 その最中はさながら脳みそが蕩けるような感覚に襲われていた。キスがこれほど気持ちのいいものだとは知らなかった。そんなこと、風俗では教わらなかった。
 股間はすでにギンギンに膨れ上がっていた。衣類越しに下半身を押しつけると、彼女の方もそれに呼応するように腰をねじり寄せてきた。
 自然と両手が彼女の臀部に伸びていた。スカートの上から乱暴な手付きで撫でまわし、それからスカートをたくし上げて生尻を掴む。その瞬間、電流が走ったかのように女体がぶるぶると揺れ動いた。
 舌を絡ませ唾液をすすりながら明里の尻の感触を堪能する。
 途切れ途切れに届く彼女の甘い声が性欲を高ぶらせる。
 本能に従うがままブラウスに指をかける。胸元までまくり上げて、ブラジャーの感触を手にする。ブラジャー越しに手のひらを乳房に重ねると、女体がまた感電したように跳ねた。
 唇を離すと、名残惜しそうな表情を浮かべた彼女と目が合う。
 目線を胸元まで下ろすと、そこには何度も俺の理性を惑わせた、赤いブラジャーがあった。意外と豊満な乳房が少しはみ出ていた。
 ブラの上に置いた手を動かすと明里の唇から甘美な声が漏れ出た。さらに強い力で揉みしだくと、その分、声が大きくなる。
 乳房を愛撫しながら、俺は明里の半開きの唇に舌をねじ入れた。

「んん、あッ……んんッ……」

 淫靡な声が室内を満たす。
 ハア、ハア、とお互いの吐息が混ざり合い、中空に溶けていく。
 俺は左手を胸元に残したまま、右手を彼女の下半身に這わせた。はだけた下着の中に手をねじ込み、陰毛を搔き分けて膣穴を探る。

「……ああンッ!」

 彼女の股間はぐっしょりと濡れていた。指先が陰核に触れると、またびくりと身を硬直させた。
 明里の両手が柔らかい力で俺の胸元を押した。
 唇が離れ、潤んだ瞳がこちらを見つめてくる。
 胸に重ねていた両手をぶらんと下ろすと、明里はおもむろな手付きで俺のシャツをたくし上げてきた。
 左右の乳首が剥き出しとなり、柔らかい力で摘ままれる。軽く悲鳴を上げると、明里の口元に妖しい笑みが浮かんだ。

「あたしにも、ご奉仕させてください」

 そう言って、明里は俺の胸元に顔を埋めた。舌を伸ばして、まずは左の乳首から舐め始める。ぺろぺろと、まるで子犬のように。

「……くッ!」

 思考を溶かすような刺激が全身を貫き、つい声が我慢できなかった。
 左乳首、右乳首と交互に舐められては、空いた方の手でもう片方の乳首を刺激される。
 甲斐甲斐しいその姿があまりに愛おしくて、俺は明里の艶めく黒髪を優しく愛撫していた。
 奉仕が終わり、また濃厚な口づけを交わした。
 俺の手は再び彼女の臀部をまさぐっていた。今度は幾分か乱暴な手付きで尻たぶを揉みしだいた。
 明里は唇を塞がれたまま、艶めかしい声を漏らしていた。嗜虐心を煽る声色だった。
 次に唇が離れた時、彼女は視線を下に向けた。ひざまずいて、腰のベルトに手をかける。
 彼女が何をしようとしているのか俄に理解して、緊張と期待に胸が膨らんだ。
 ズボンがずり下ろされ、びっしりとテントを張ったボクサーブリーフが露わになる。
 それもおもむろな手付きでずり下ろされると、すでに硬くなったペニスが鎌首を振って現れた。屹立した亀頭がさながら銃口のように、彼女の眉間の辺りを捉えていた。

「ああ……これが、男の人の……」

 うっとりした声で囁き、まじまじと観察する明里。
 彼女の生息が亀頭に吹き掛かった瞬間、腰が小刻みに震えた。
 白魚のようなその指が竿に巻きつく。

「その、初めてやるので……下手だったらごめんなさい」

 言うが早いか、明里は舌を伸ばし、ペニスの裏側を舐めてきた。

「ううッ」

 その舌で亀頭の先端や砲身を立て続けに撫でられ、血流がさらに下半身に集中するのを感じた。
 ペニスがはち切れんばかりに逞しくなったところで、ついに彼女はぱっくりと亀頭を咥えた。

「くおおおぉぉっ……!」

 熱い口腔粘液に包まれて、全身が硬直する。
 自分の股間を見下ろせば、いちもつを咥えた状態の明里と目が合った。
 その瞬間、筆舌に尽くしがたい興奮が胸に押し寄せた。

「あふっ……はむっ……」

 明里がペニスをゆっくりと呑み込んでいく。
 まるでヘビのように、舌が肉柱の表面を這いずる。
 脳幹を痺れるような感覚に襲われ、口のなかでペニスが暴れ馬のようにうねった。

 ――ああ……あの、飯田明里が、俺のちんこを咥えている……。

 普段のオフィスにいる時の彼女の姿が脳裏にちらついた。
 パソコンと向き合っている時の真剣な表情。
 気心の知れた同僚と話している時の無邪気な顔。
 つい仕事でミスをして上司に叱られた時なんかに見せる、落ち込んだ面持ち。
 俺にロリだの小学生だのと体型をいじられた際に浮かべる、つり上がった目に、若干頬を膨らませた表情。
 まるで性的な要素など微塵も感じさせない普段の彼女と、今の、頬を赤く染めて男の肉棒をしゃぶっている姿があまりにかけ離れていて、そのギャップが男心を激しく焚きつけるのだった。
 初めてと言うだけあって明里の舌遣いはぎこちなく、少しばかりくすぐったい感じもした。しかし懸命に口唇奉仕に勤しんでいるその姿は、俺の心に途方もない興奮と感動をもたらしていた。
 やがて根元まで彼女の口内に収まり、舌が砲身にまとわりついてきた。
 這いずりまわる舌に思わず腰が引けたが、明里はすかさず両手を俺の腰に回し込み、逃さないとばかりに引き寄せた。
 亀頭が喉の奥に達したところで、彼女は力のかぎり吸茎してきた。じゅぽじゅぽと淫らな音が空気を揺らす。

「くおおおぉッ!!」

 堪らず喉の奥から声が絞り出た。
 自分の肉柱を美味そうにしゃぶる女を上から見下ろす光景は、まさしくこの世の桃源郷に他ならなかった。

「……んん、はむっ、んんっ」

 行為の最中にも上目遣いでこちらの様子をうかがってくるのが、さらなる獣欲を誘った。
 金玉はすでにパンパンの状態だった。でも彼女はお構いなしに肉棒をしゃぶり続けた。
 もう、我慢の限界だった。

「出るっ!」

 言った直後、沸騰した精液が尿道を駆けくだり、勢いよく砲射された。

「んんんんんんっ!」

 突如として喉の奥に精液をぶちまけられ、明里は目を丸くした。
 おもむろに肉棒から口を離し、その拍子に粘度のある白濁液がトロリと床に垂れ落ちた。
 半開きにしている口の中やその周辺に、べったりと男の欲望がこびりついていた。
 蕩けたような目でこちらを見ている彼女の腕を引っ張って立ち上がらせる。
 身体の向きを反転させて、壁に押しつけた。
 尻を突き出させ、パンティを太腿の辺りまでずり下ろす。
 俺はまだまだ硬度の衰えない肉棒を彼女の尻の割れ目にあてがう。
 ふんだんに愛蜜の溢れている陰唇にめがけて、ゆっくりとねじ込むように射し入れた。

「ぁぁあああン……!」

 堪えきれないといった様子で明里の口から喘ぎ声が漏れた。
 それから両手を壁につけたまま、顔だけ振り返ってきた。
 潤いを帯びた眼差し。口元に滴る涎と精液。喘ぎ声まじりの熱い吐息。
 完全に発情した牝の顔だった。
 下半身を前に突き出すと、肉棒は媚肉をかき分け、みるみるうちに女壺の中に沈んでいった。

「ああああああッ!」

 今までで一番大きな声が彼女の口から発せられた。
 その声が引き金となって、膣道に挟まれたいちもつがさらにむくむくと成長する。
 想像以上に膣襞が竿に絡みつき、ぎゅうぎゅうと射精を促してくる。
 膣道からは止め処なく蜜が溢れ出ていて、結合部を淫靡な光で濡らしていた。
 肉棒を奥まで押し込むと、彼女の瑞々しい唇がいっそう大きな嬌声を轟かせた。
 透明な液体に混じって鮮血が滴る。それを見て俺は我に返った。

「すまん、痛くなかったか」

 明里の瞳は涙で濡れていた。でも口元は恍惚を噛み締めるように歪んでいた。

「すっごく、痛かったです……でも、続けてください……」

 俺は頷き、彼女のくびれた腰を掴み直した。
 そして、ゆっくりと抽送を再開した。
 奥に出し入れするたび、明里はむせび泣くように絶叫を振りまいた。
 気づけば俺も一緒になって叫んでいた。
 一体の牡と牝がこの部屋にはいた。その激しさたるや、セックスというよりまるで獣同士の交尾だった。
 ピストンを速めると、彼女も腰を前後に振ってよがるように鳴いた。

「あンッ! 気持ちいいっ、気持ちいいですっ! せんぱいっ!」

 明里が徐々に尻を突き出してくるものだから、気づいた時には俺の背中は通路の反対側の壁にまで追いやられていた。
 俺は彼女の右足を持ち上げて、さらにピストンのスピードを加速させた。
 彼女は長い黒髪を振り乱しながら、あんあんと嬌声をまき散らした。

「もっと! 強く……激しく、してくださいッ!」

 そう訴えかけてくる彼女の言葉に、男心が燃え上がる。

「このエロ女めッ!」

 わざと汚い言葉で罵ると、膣道がさらにきつく締まった。
 明里は腰をねじるように回転させて、すっかり愉悦の波に溺れていた。

「あンッ! イクぅ! イッちゃうううぅ!」

 もう限界を迎えそうな明里に、俺は叫んだ。

「出すぞッ! 受け止めろッ!」

 尿道を勢いよく精液が上り詰める感覚があった。
 そして、灼熱のごとき男の欲望が後輩の膣内に注がれた。

「ああああああああああ! 熱いッ! 熱いですッ! せんぱいッ!」

 汗ばんだ女体がガクガクと痙攣する。
 同時に絶頂を迎えたらしく、彼女は腰砕けになり、その場に尻を突き出したまま倒れ込んだ。
 お互いに、はあはあと肩で息をしていた。こんなに息を切らしたのは学生の時以来かもしれない。

「……せんぱいも、初めてですか」

 明里は頬をフローリングに押しつけたまま、かすれた声で尋ねてきた。
 風俗の一回が脳裏をよぎったが、すぐに掻き消した。あんなのは、数のうちに入らない。
 俺がこくりと頷くと、明里はにへらと笑った。淫靡さの欠片もない、いつもの無邪気な笑顔だった。

「お揃いですね。じゃあ今日は卒業記念日です」

 俺も自然と笑い返していた。
 自分たちが同時に大人になったのだと思うと感慨深かった。
 また気づいた時には、むくむくとペニスがそそり立っていた。
 それを見て、明里はまた笑った。今度は無邪気さの中に淫靡な色の混じった、妖しい笑みだった。

「ねえ、せんぱい」

 明里は俺の瞳を覗き込み、躊躇いの間を挟んでから、言った。

「もっかい、しよ?」

 ぶちんと理性が切れる音がした。
 俺は明里を立ち上がらせて、やっと部屋の中に入った。
 玄関からベッドまでの僅かなアプローチを渡る間も、俺たちは濃厚な口づけを交わしていた。自分の精液に塗れた口だったが、不思議と気にならなかった。それよりも彼女の唾液を堪能したいという気持ちの方が勝っていた。
 ベッドに倒れ込むまでに、すでにお互いの衣類はお互いの手で剥ぎ取り合っていた。
 両者生まれたままの姿となり、またベッドのうえで身体を重ねた。
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