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第4章
桐生コージの後悔(5/5)
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時刻は午前3時をちょうど迎えたところだった。
目が覚めたのは30分ほど前だ。それから瞼を閉じても一向に眠気が訪れず、ベッドに仰向けになったままぼんやりと回想に浸っていた。もう何度振り返ったのかもわからない、過去の苦い記憶だ。
安住の話によると、立花は事の顛末を報告された時、相当なショックを受けていた様子だったという。
学校を辞めたという話を聞いて、自分が犯した罪の大きさを思い知らされ、以後、巨大な後悔と自責の念に苛まされることになるのだった。
その後、安住とも長くは続かなかった。立花を失い、抜け殻と化していた自分に、安住の方が愛想を尽かした形だった。
安住にも悪いことをしたなと思う。短い交際期間ながら、安住は恋人として非のない振る舞いを見せてくれていた。立花のことが忘れられない中でも、安住といると自然と笑顔でいられた。彼女と様々な映画について意見を交わしていた時の興奮と喜びは今でも克明に覚えている。貴重な青春の1ページを俺のようなボンクラに捧げ、理想の恋人であろうと頑張ってくれていたのに、結局俺の方が地に足をつけられなかったせいでその時間と努力をふいにしてしまった。唯一の救いは、彼女が愚かな自分を切り捨てるだけの賢明さと、過去の失敗をものともせず自らの望むものを貪欲に追い求めることができるフロンティア精神の持ち主だったことだ。俺と別れて間もなく、大手製薬会社のイケメン御曹司を捕まえたという話は風の噂で聞いている。
俺は深くため息をついた。沈んだ気分をため息をついてリセットするのが、昔から癖になっている。カレンからも何度か注意を受けている。ため息をつくと幸せが蜘蛛の子散らして逃げていくんだよ、と。上等だ。自分に幸せなんて似合わない。愛する女の子ひとりの人生をめちゃくちゃにしておいて、何が幸せだ。
立花は相変わらずこちらに背を向けたままだ。昼間からずっと体勢が変わっていない。そうやって機嫌が悪いことをアピールするのは結構だが、それで身体を痛めてしまわないか心配だ。
――立花がまだ俺のことを想ってくれているとして、それでも性交渉に応じてくれないのは。
またため息が出かかったが、咄嗟に呑み込んだ。今の気持ちをリセットしてはならない。
――俺の贖罪が済んでいないからだ。
だってそれは3年前の続きをやり直すことにほかならないから。
順序が間違っていた。俺はまず、彼女から許しを請うところから始めなければならなかったのだ。
許されることなどないことは百も承知だ。それでも許しを求めることを放棄してはならない。さもなければ彼女の心の傷は永遠に癒えることはないんだから。
不覚にも立花のことをカナと呼んでしまったのは悪手だった。そのせいで立花に過去を強く意識させてしまった。立花が俺の呼び方を変えなかったのは、まだ自分はあの時のことを許していないのだという意思表示に違いない。
今後発言に気をつけなければ、と気を引き締め直す。
そして贖罪の方法について、遅まきながら考え出す。
茫洋たる大海原を目の当たりにするかのように、何のとっかかりもない。
当然だ。俺はカナのことを何も知らないのだから。
3年前の彼女の気持ちはもちろん、その性格や思想の成り立ち、今日まで歩んできた人生の足跡。まずはそれらをひとつずつ聞き出して理解するところから始めなくては。
そこまで思い至ったところで、後ろ暗い感情が不意に自分を襲った。
思えば自分はカナのことを知るための努力をしたことがあっただろうか? いつも話を聞いてもらうばかりで、彼女が抱える心の闇に一度でも目を向けたことがあっただろうか? それらの質問にイエスと答えられる自信はない。
俺はカナから多くのギフトを受け取ってきた。しかし、逆はどうだ? 俺は彼女に何かひとつでも心の足しになるものを与えられていただろうか? ただ彼女の優しさに甘えるばかりではなかったか?
胸を抉るような自問自答をひとしきり繰り返す。それから、てのひらで視界を塞いだ。
「……ごめん、立花」
罪悪感がぶり返し、謝罪の言葉が口をつく。
それから何気なく隣を見て、ぎょっとした。カナが感情の欠落した顔でこちらを凝視していたからだ。
「それは何に対する謝罪ですか?」
久しぶりにその声を聞いた気がした。
俺は恐る恐る尋ね返す。
「いつから起きてたんだ?」
「ずっと起きてました」
「ずっと?」
「お昼からずっとです」
唖然とする。こいつはタヌキ寝入りのプロか。
「腹、減っただろ」
「……減りました」
そう答えて、ふわあ、と大あくびを漏らすカナ。その後も潤んだ瞳がこちらを捉えて離さなかった。
「新川カレンのことを考えると、無性に腹が立って眠れなかったんです。先輩、責任取ってください」
「……思ったより元気そうだな」
堪え切れず苦笑する。ちょっとだけ緊張感が和らぎ、気持ちが軽くなる。
「そんなことより、先輩。先ほどの謝罪は何に対するものですか?」
カナは表情を崩さぬまま改めて問うてきた。双眸に真剣な光が戻っている。
一瞬、濁してしまおうかと考えた。だが、この機を逃せば彼女と胸の内を明かし合える時は永遠に訪れないかもしれない。俺は上体を起こし、横たわる彼女を見下ろしながら告げた。
「3年前、俺はお前のことが好きだった」
無表情から一転して彼女のおもてに動揺の色が走った。
まさか3年前に言いそびれた言葉をこんな形で伝えることになるとは……。成功するのは確実だから、あとは絶好のタイミングを見計らうだけだ、なんて嘯いていた当時の自分が滑稽に思えてくる。
「終業式の日に告白するつもりだった。カナに、恋人になってもらいたかったんだ」
カナの瞳が悲しげに揺れる。しかし、涙は落ちなかった。眉を寄せ、唇を噛み締めて、感情が爆ぜるのを堪えている様子だった。
「だけど、その夢は叶わなかった。あろうことか俺が安住ヨシノの恋人になってしまったからだ」
カナは瞼を閉じて苦しそうに表情を歪めた。
「知ってます。だから私は終業式の日、いつもの電車に乗らなかった」
その声の切々とした響きが、胸に鋭利な痛みを与える。
あの朝、カナが乗り込んでくる駅に着くまでは、まだ関係を修復できる余地はあると思っていた。そのための言い訳はいくつも用意していた。しかし、彼女は俺の前に姿を現さなかった。それで自分たちの関係は完全に終了したと悟ったのだ。
「カナの気持ちに気づいていながら、あんなことをしたのは酷い裏切りだったと思う。3年前からずっと、謝りたかった」
カナは静かに息を漏らした。そうすることで感情の澱が掻き消えたのか、また元の能面に戻った。
「あれが私の人生の転機でした」
ゆっくりと抑揚のない口調で彼女は告げる。意図して感情を押し殺しているのか。そうしないと感情の自制が利かなくなるのかもしれない。
黙って続きを待ってみたが、それきり彼女は口を閉ざしてしまった。
時間を置いて、俺はまた心の扉をノックする。
「教えてくれないか。あれからカナに何があったのか」
「……。先輩みたいに愉快な話はできませんよ」
暗く澱んだ瞳がこちらを捉える。底知れない心の闇が潜んでいる気配があった。それに微塵も臆さないと言えば嘘になる。だが、ここまで来て退くという選択肢はない。
「構わない。カナのことが知りたいんだ」
いつの間にか呼び方が3年前のものに戻っていた。でも矯正はしなかった。今は自然体でいることの方が大事な気がするから。
カナは天井の一点に視線を定めたまま、しばらく黙りこくっていたが。やがて何かしらの決心がついたのか、神妙な顔つきとなってベッドから起き上がった。
「だったらまずは、私の幼少時代の話を聞いてください」
そしてどこか遠くを見つめる目となって訥々と口を割り始めた。
時刻は午前3時をちょうど迎えたところだった。
目が覚めたのは30分ほど前だ。それから瞼を閉じても一向に眠気が訪れず、ベッドに仰向けになったままぼんやりと回想に浸っていた。もう何度振り返ったのかもわからない、過去の苦い記憶だ。
安住の話によると、立花は事の顛末を報告された時、相当なショックを受けていた様子だったという。
学校を辞めたという話を聞いて、自分が犯した罪の大きさを思い知らされ、以後、巨大な後悔と自責の念に苛まされることになるのだった。
その後、安住とも長くは続かなかった。立花を失い、抜け殻と化していた自分に、安住の方が愛想を尽かした形だった。
安住にも悪いことをしたなと思う。短い交際期間ながら、安住は恋人として非のない振る舞いを見せてくれていた。立花のことが忘れられない中でも、安住といると自然と笑顔でいられた。彼女と様々な映画について意見を交わしていた時の興奮と喜びは今でも克明に覚えている。貴重な青春の1ページを俺のようなボンクラに捧げ、理想の恋人であろうと頑張ってくれていたのに、結局俺の方が地に足をつけられなかったせいでその時間と努力をふいにしてしまった。唯一の救いは、彼女が愚かな自分を切り捨てるだけの賢明さと、過去の失敗をものともせず自らの望むものを貪欲に追い求めることができるフロンティア精神の持ち主だったことだ。俺と別れて間もなく、大手製薬会社のイケメン御曹司を捕まえたという話は風の噂で聞いている。
俺は深くため息をついた。沈んだ気分をため息をついてリセットするのが、昔から癖になっている。カレンからも何度か注意を受けている。ため息をつくと幸せが蜘蛛の子散らして逃げていくんだよ、と。上等だ。自分に幸せなんて似合わない。愛する女の子ひとりの人生をめちゃくちゃにしておいて、何が幸せだ。
立花は相変わらずこちらに背を向けたままだ。昼間からずっと体勢が変わっていない。そうやって機嫌が悪いことをアピールするのは結構だが、それで身体を痛めてしまわないか心配だ。
――立花がまだ俺のことを想ってくれているとして、それでも性交渉に応じてくれないのは。
またため息が出かかったが、咄嗟に呑み込んだ。今の気持ちをリセットしてはならない。
――俺の贖罪が済んでいないからだ。
だってそれは3年前の続きをやり直すことにほかならないから。
順序が間違っていた。俺はまず、彼女から許しを請うところから始めなければならなかったのだ。
許されることなどないことは百も承知だ。それでも許しを求めることを放棄してはならない。さもなければ彼女の心の傷は永遠に癒えることはないんだから。
不覚にも立花のことをカナと呼んでしまったのは悪手だった。そのせいで立花に過去を強く意識させてしまった。立花が俺の呼び方を変えなかったのは、まだ自分はあの時のことを許していないのだという意思表示に違いない。
今後発言に気をつけなければ、と気を引き締め直す。
そして贖罪の方法について、遅まきながら考え出す。
茫洋たる大海原を目の当たりにするかのように、何のとっかかりもない。
当然だ。俺はカナのことを何も知らないのだから。
3年前の彼女の気持ちはもちろん、その性格や思想の成り立ち、今日まで歩んできた人生の足跡。まずはそれらをひとつずつ聞き出して理解するところから始めなくては。
そこまで思い至ったところで、後ろ暗い感情が不意に自分を襲った。
思えば自分はカナのことを知るための努力をしたことがあっただろうか? いつも話を聞いてもらうばかりで、彼女が抱える心の闇に一度でも目を向けたことがあっただろうか? それらの質問にイエスと答えられる自信はない。
俺はカナから多くのギフトを受け取ってきた。しかし、逆はどうだ? 俺は彼女に何かひとつでも心の足しになるものを与えられていただろうか? ただ彼女の優しさに甘えるばかりではなかったか?
胸を抉るような自問自答をひとしきり繰り返す。それから、てのひらで視界を塞いだ。
「……ごめん、立花」
罪悪感がぶり返し、謝罪の言葉が口をつく。
それから何気なく隣を見て、ぎょっとした。カナが感情の欠落した顔でこちらを凝視していたからだ。
「それは何に対する謝罪ですか?」
久しぶりにその声を聞いた気がした。
俺は恐る恐る尋ね返す。
「いつから起きてたんだ?」
「ずっと起きてました」
「ずっと?」
「お昼からずっとです」
唖然とする。こいつはタヌキ寝入りのプロか。
「腹、減っただろ」
「……減りました」
そう答えて、ふわあ、と大あくびを漏らすカナ。その後も潤んだ瞳がこちらを捉えて離さなかった。
「新川カレンのことを考えると、無性に腹が立って眠れなかったんです。先輩、責任取ってください」
「……思ったより元気そうだな」
堪え切れず苦笑する。ちょっとだけ緊張感が和らぎ、気持ちが軽くなる。
「そんなことより、先輩。先ほどの謝罪は何に対するものですか?」
カナは表情を崩さぬまま改めて問うてきた。双眸に真剣な光が戻っている。
一瞬、濁してしまおうかと考えた。だが、この機を逃せば彼女と胸の内を明かし合える時は永遠に訪れないかもしれない。俺は上体を起こし、横たわる彼女を見下ろしながら告げた。
「3年前、俺はお前のことが好きだった」
無表情から一転して彼女のおもてに動揺の色が走った。
まさか3年前に言いそびれた言葉をこんな形で伝えることになるとは……。成功するのは確実だから、あとは絶好のタイミングを見計らうだけだ、なんて嘯いていた当時の自分が滑稽に思えてくる。
「終業式の日に告白するつもりだった。カナに、恋人になってもらいたかったんだ」
カナの瞳が悲しげに揺れる。しかし、涙は落ちなかった。眉を寄せ、唇を噛み締めて、感情が爆ぜるのを堪えている様子だった。
「だけど、その夢は叶わなかった。あろうことか俺が安住ヨシノの恋人になってしまったからだ」
カナは瞼を閉じて苦しそうに表情を歪めた。
「知ってます。だから私は終業式の日、いつもの電車に乗らなかった」
その声の切々とした響きが、胸に鋭利な痛みを与える。
あの朝、カナが乗り込んでくる駅に着くまでは、まだ関係を修復できる余地はあると思っていた。そのための言い訳はいくつも用意していた。しかし、彼女は俺の前に姿を現さなかった。それで自分たちの関係は完全に終了したと悟ったのだ。
「カナの気持ちに気づいていながら、あんなことをしたのは酷い裏切りだったと思う。3年前からずっと、謝りたかった」
カナは静かに息を漏らした。そうすることで感情の澱が掻き消えたのか、また元の能面に戻った。
「あれが私の人生の転機でした」
ゆっくりと抑揚のない口調で彼女は告げる。意図して感情を押し殺しているのか。そうしないと感情の自制が利かなくなるのかもしれない。
黙って続きを待ってみたが、それきり彼女は口を閉ざしてしまった。
時間を置いて、俺はまた心の扉をノックする。
「教えてくれないか。あれからカナに何があったのか」
「……。先輩みたいに愉快な話はできませんよ」
暗く澱んだ瞳がこちらを捉える。底知れない心の闇が潜んでいる気配があった。それに微塵も臆さないと言えば嘘になる。だが、ここまで来て退くという選択肢はない。
「構わない。カナのことが知りたいんだ」
いつの間にか呼び方が3年前のものに戻っていた。でも矯正はしなかった。今は自然体でいることの方が大事な気がするから。
カナは天井の一点に視線を定めたまま、しばらく黙りこくっていたが。やがて何かしらの決心がついたのか、神妙な顔つきとなってベッドから起き上がった。
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