3秒間の永遠〜たった3秒だけでいいから、あなたに想いを届けたい〜

紫水晶羅

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3秒間の永遠

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「悪かったね。すぐに気が付かなくて」
 申し訳なさそうに眉根を寄せると、あんまり似てないんだね、と村木は付け足した。

 徹平の無礼な態度に腹を立てるでもなく、村木は「ちょうどこれから昼休憩なんだ」と徹平を応接室へと誘った。
 すぐにでも真相を突きとめたかった徹平だったが、村木の飄々とした態度にいささか拍子抜けしてしまい、流されるままに応接室のソファーに腰かけた。

 ドア越しに事務員と何やら言葉を交わしたあと、村木は徹平の対面に腰を下ろした。
「大変だったね。恭介のこと」
「いえ」
 村木を鋭く見つめたまま、徹平は短く答えた。
「立花……いや、椿……さんから聞いて」
「立花でいいですよ。その方が呼びやすいでしょうから」
 ああ、と恥ずかしそうに目元を歪ませると、「じゃあお言葉に甘えて」と村木は人差し指で眼鏡を直した。

「昨年の夏頃だったかな? 街で偶然立花と会って。なんだか顔色が悪かったからどうしたのか訊いてみたら、貧血がひどくて医者に通ってるって。でも一向に良くならないって言うから症状訊いて」
 職業柄どうしてもね、と村木は人差し指でこめかみを掻いた。

「そしたら、めまいに加えて頭痛と目のかすみもあるっていうから、一度うちで目の検査もしてみようかってことになって」
「それで緑内障か」
「聞いたんだ」
「ああ」
「そっか」
 それなら、と村木は息をつき、「そうなんだ。それも、かなり深刻なね」と険しい顔で語り始めた。

「あの時ちょうど、恭介のことでいろいろあって、生活リズムも乱れていたみたいだから、それも一つの要因だったんじゃないかな。ストレスで病状が悪化するのは珍しいことじゃないからね。それに加えて彼女、市販のサプリや目薬なんかもいろいろ使ってたみたいで……。ああいうのは逆に病気を悪化させてしまうものもあるから、むやみに使うのは危険なんだ。ましてや医師から処方されてる薬がある場合、飲み合わせもあるしね。きっと、そういう諸々のことが重なって、短期間のうちに一気に進行したんだと思う」

「治らねぇって……」
 掠れた声で徹平が言う。ふっと瞼を落とすと、村木は力なく首を振った。
「正直、ここまでくるともう、手の施しようはないんだ。あとは、目薬でなんとか進行を遅らすくらいしか……」
 村木は深くため息をついた。
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