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第1章:禁断の森「ソーン樹海」
Ep19:「ゼキ」
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「私は、外のいろんな世界を見て、知識を広げたい。・・・そしていつの日か、・・・レア兄ちゃんに会いたい。」
静かに、しかししっかりとした口調、そして力強い眼差しでルアはそう言った。
「お、おぉ!よく言ってくれた!で、では!!」
ショウは身を乗り出しながら言った。
「しかし、ソレはあくまで私の欲望だ。確かに、私にだって自由に物事を決め、行動できる権限があるだろう。そして実際外に出てレア兄ちゃんを探したいという気持ちもある。父さんにだって会いたい。でも、でもそんな気持ちだけで決めていいわけではないんだ。」
「いや、だから決めて良いんだよ!その権利が・・・」
「うん。権利もある。そして欲もある。でもこの村にいる人達はみんな私の家族で、大切だしかけがえのない存在だ。」
「あ・・・」
なるほど。とショウは思った。ショウ自身もその気持ちがあったからだ。結果ガンに任せる事にはなったが。。。
「結論から言う。私は君たちに付いていくことは出来ない。しかし、君達がソーン樹海に行くことは、あまり気は乗らないが・・・許そう。私も行きたいと・・・そう思ってしまったからな。」
「な、なるほど・・・」
この村に来たことは半ば強制、ルアたちに連れられてきたのだが。ショウはどちらにせよこの村に来る予定だった。その理由は一つ。この旅のルアの同行だ。
このままではこの村に来たことが無駄になってしまう。しかもルア以外に村長の血筋のものが居ないという。
「ここまでか・・・」
するとルアは意外な提案をしてきた。
「ショウ。君は私達一族のロストが目的なのだろう?ならば一人推薦したいやつがいる。」
「推薦?」
「そうだ。ザキ!!」
すぐさまザキが部屋に入って来た。
「なんでございましょう!」
「ま、まさか、このジジィか・・・?」
レンが嫌そうに言った。
「何?誰がジジィ・・・」
「五月蝿いぞ。ザキ。」
「は、申し訳ございません。」
ザキはルアに跪きながら言った。
「ゼキを呼んでこい。」
「ぜ、ゼキをでございますか!?」
「そうだ。すぐにこの部屋まで。力づくでも連れてこい。できるだけ早くだ。」
「わ、分かりました。では・・・」
そう言うとザキは部屋を出ていった。
「少し複雑で難しい話をするぞ。あ、推薦したいやつはザキではなく先程話していた"ゼキ"というものだ。」
そう言うとルアは再度座り直し話し始めた。
「前から言うように、私が使用する転送魔法、ロストは私達一族"しか"使えない。あ、ユーキ。すまないがもう一度あの奇っ怪な仮面をつけてくれないか。ゼキが来たときにややこしくなりそうだ。」
「あ、あぁ。」
ユーキは再度マスクを着用した。
ルアは続けた。
「しかし、この代において、例外が存在する。」
「例外・・・?」
「私の父、リアには妹が居た。名前はジア。ジアは私達一族の者。もちろんロストも使用できた。しかしジアの子供はロストは発現しなかった。」
「・・・なるほど。それはジアさんの子供だけか?それとも、所謂"分家"の者にはロストは発現しないのか?」
ショウは少し考えた後質問した。
「ご認識のとおりだ。我が一族にも、もちろん本家と分家が存在する。とはいえ、小さな村だからいずれはすべての村民が分家になってしまう。回避策として子供を第1代として、2代目までが分家として活動できるというわけだ。・・・すまない話が脱線した。」
ルアは続けた。
「長男もしくは長女、つまり第一子を本家とし、以降に生まれた子供が子孫を作る場合は分家とされる。そしてロストは分家第1代以降には発現しない。けれど、この村ができてから今までいくつか例外が存在する。約100年周期で一人だけ分家の者にもロストが発現する。」
「!つ、つまり先程のゼキというものはロストが使用できるということか!?」
「まぁ、そういうことだ。父の妹、ジアはザキとの子供を3人もうけた。」
-ザキ、さっきのジジイか・・・。アイツに嫁が居たんだな・・・-レンは思った。
「一人はジキ、先程の赤髪のやつだ。そしてもうひとりはズキ。同じく先程ジキと一緒に居た青髪のやつだ。」
するとルアは大きくため息を付き続けた。
「そしてもうひとり。ザキとジアの第1子、名をゼキ。年は私と同じ。こいつが厄介でな・・・」
「厄介・・・?」
すると部屋の外から大きな声が聞こえてきた。
「うっせえーなぁ!何だよクソ親父!俺はやることが・・・」
「黙れゼキ!ルア様が呼んでおる!すぐに客間へ迎え!」
「え、ルアが・・・?」
「ルア"様"だ!!何度言えば・・・」
するとドタドタ足音が聞こえ、部屋の前で止まった。
「ゼキ!只今参上しました!!」
答えも聞かぬうちに扉が大きく音を上げて開いた。
「ルアー!ひっさしぶりー!!俺を呼んだって!!?デートのお誘いかな・・・??」
急な出来事にユーキ達は絶句。ルアはまたしても大きくため息をついていた。
「もぅー。ため息なんかついちゃって。。。って誰?あんた達。」
目の前の”少年"ゼキが聞いてきた。
ゼキはルアと同年代の"少年"。明るい金髪を頭の高い位置でまとめ、テール部分が窓から差し込む光にキラキラ輝いていた。」
「静かにしろ。ゼキ。私がデートなんぞの為にお前を呼ぶ訳がないだろ。この人達がお前に用があるそうだ。」
そう言うとルアはゼキをテーブルの方に誘導し座らせた。
「何だぁ?男が揃いも揃って。俺は男の誘いには乗らないようにしているんだが?」
後ろからルアが思い切り後頭部を叩いた。
「失礼だ。さて、見て分かるようにこいつはザキ家の長男。歳は私と同じだがこの見た目。ロストが大きく影響している。」
確かに・・・と3人は口をそろえる。
「お前、確かこの村を出たいとか言っていたよな?良いぞ、村長が許す。この3人と共に行動をしろ。いずれはこの島を出れるだろう。」
急な出来事、そしてルアからのお達しに状況が読めないゼキ。
「な、何のことだ??確かに俺はこの島を出たいが・・・」
ジロジロユーキたちを見ながらゼキは続けた。
「男と旅をするほど物好きじゃないぜ。ルアがついてくるならまだしもよぉ。」
「お前はまたそんなことを・・・」
何度目か分からないため息。
「それに誰かもわからない、どんな目的があるのかもわからない。まずは説明してくれよ。」
この見た目でものすごく傲慢な態度に苛つきながらもユーキ達はこの旅の目的を説明した。
「・・・なるほどねぇ。確かにコイツらと一緒に行動すればいずれは島の外に出れるんだろうなぁ。でもさっきも言ったが男と一緒に行動するほど俺は物好きじゃない。」
ユーキ達はイラつきが頂点に達しそうだった。
「そ、れ、に!」
大きな声で再度ゼキが話し始めた。
「ソーン樹海に行くなんてどうかしてる。あそこに行ったリアさんは帰ってこなかった。あのリアさんがだ!俺のお袋も・・・。俺はそんなとこに行きたくないね。島を出る前に死ぬなんてゴメンだ。」
「ん?待て待て・・・」
レンが話し始めた。
「親父がソーン樹海に連れて行ったのはルアの父ちゃんだけじゃねぇのか?ゼキの母ちゃん・・・つまりジアさんも?」
「親父ぃ?・・・!おまえ!!なるほど少し面影があるな。ディズの息子か。そうだ。やつはリアさんと俺のお袋ジアを旅に同行させた。お袋はロスト以外に単純な魔力が他の人とは桁違いだったからな。」
するとルアが話し始めた。
「いや、それなんだが・・・ディズは幾度かこの島を出入りしていたみたいなんだ。」
「何・・・?じゃ、じゃぁお袋やリアさんは生きているのか??!」
「いや、そもそもこの3人はディズから父さんやジアのことについて聞いていなかったみたいだ。村に帰ってきたときも一人だったらしい。」
「・・・」
「ゼキ。レア兄ちゃんを・・・覚えているか?」
「レアさん?もちろん。忘れるわけないだろ。」
「ユーキ。頼む。」
ユーキはルアの頼みを理解し、マスクを外した。
「なっ!!!!レアさん!!!なんで?!!」
「す、すまない、俺はレア・・さんではないんだ。」
「冗談はよしてくれ。どっからどう見ても・・・」
「ゼキ。この人はレア兄ちゃんではない。それは話を聞いてみて分かった。何か関係があるのかもしれないが・・・」
「い、いやぁ。この顔と声でレアさんじゃないって言われてもなぁ。説得力無いぜ・・・。」
ゼキが言った。
「それでだ。この旅の目的として、私からお前に頼みたいことがある。」
「頼みたいこと・・・??」
ゆっくりルアは話し始めた。
「レア兄ちゃんを、父さんを、そしてジアを島の外に行って探してきてくれないだろうか・・・」
静かに、しかししっかりとした口調、そして力強い眼差しでルアはそう言った。
「お、おぉ!よく言ってくれた!で、では!!」
ショウは身を乗り出しながら言った。
「しかし、ソレはあくまで私の欲望だ。確かに、私にだって自由に物事を決め、行動できる権限があるだろう。そして実際外に出てレア兄ちゃんを探したいという気持ちもある。父さんにだって会いたい。でも、でもそんな気持ちだけで決めていいわけではないんだ。」
「いや、だから決めて良いんだよ!その権利が・・・」
「うん。権利もある。そして欲もある。でもこの村にいる人達はみんな私の家族で、大切だしかけがえのない存在だ。」
「あ・・・」
なるほど。とショウは思った。ショウ自身もその気持ちがあったからだ。結果ガンに任せる事にはなったが。。。
「結論から言う。私は君たちに付いていくことは出来ない。しかし、君達がソーン樹海に行くことは、あまり気は乗らないが・・・許そう。私も行きたいと・・・そう思ってしまったからな。」
「な、なるほど・・・」
この村に来たことは半ば強制、ルアたちに連れられてきたのだが。ショウはどちらにせよこの村に来る予定だった。その理由は一つ。この旅のルアの同行だ。
このままではこの村に来たことが無駄になってしまう。しかもルア以外に村長の血筋のものが居ないという。
「ここまでか・・・」
するとルアは意外な提案をしてきた。
「ショウ。君は私達一族のロストが目的なのだろう?ならば一人推薦したいやつがいる。」
「推薦?」
「そうだ。ザキ!!」
すぐさまザキが部屋に入って来た。
「なんでございましょう!」
「ま、まさか、このジジィか・・・?」
レンが嫌そうに言った。
「何?誰がジジィ・・・」
「五月蝿いぞ。ザキ。」
「は、申し訳ございません。」
ザキはルアに跪きながら言った。
「ゼキを呼んでこい。」
「ぜ、ゼキをでございますか!?」
「そうだ。すぐにこの部屋まで。力づくでも連れてこい。できるだけ早くだ。」
「わ、分かりました。では・・・」
そう言うとザキは部屋を出ていった。
「少し複雑で難しい話をするぞ。あ、推薦したいやつはザキではなく先程話していた"ゼキ"というものだ。」
そう言うとルアは再度座り直し話し始めた。
「前から言うように、私が使用する転送魔法、ロストは私達一族"しか"使えない。あ、ユーキ。すまないがもう一度あの奇っ怪な仮面をつけてくれないか。ゼキが来たときにややこしくなりそうだ。」
「あ、あぁ。」
ユーキは再度マスクを着用した。
ルアは続けた。
「しかし、この代において、例外が存在する。」
「例外・・・?」
「私の父、リアには妹が居た。名前はジア。ジアは私達一族の者。もちろんロストも使用できた。しかしジアの子供はロストは発現しなかった。」
「・・・なるほど。それはジアさんの子供だけか?それとも、所謂"分家"の者にはロストは発現しないのか?」
ショウは少し考えた後質問した。
「ご認識のとおりだ。我が一族にも、もちろん本家と分家が存在する。とはいえ、小さな村だからいずれはすべての村民が分家になってしまう。回避策として子供を第1代として、2代目までが分家として活動できるというわけだ。・・・すまない話が脱線した。」
ルアは続けた。
「長男もしくは長女、つまり第一子を本家とし、以降に生まれた子供が子孫を作る場合は分家とされる。そしてロストは分家第1代以降には発現しない。けれど、この村ができてから今までいくつか例外が存在する。約100年周期で一人だけ分家の者にもロストが発現する。」
「!つ、つまり先程のゼキというものはロストが使用できるということか!?」
「まぁ、そういうことだ。父の妹、ジアはザキとの子供を3人もうけた。」
-ザキ、さっきのジジイか・・・。アイツに嫁が居たんだな・・・-レンは思った。
「一人はジキ、先程の赤髪のやつだ。そしてもうひとりはズキ。同じく先程ジキと一緒に居た青髪のやつだ。」
するとルアは大きくため息を付き続けた。
「そしてもうひとり。ザキとジアの第1子、名をゼキ。年は私と同じ。こいつが厄介でな・・・」
「厄介・・・?」
すると部屋の外から大きな声が聞こえてきた。
「うっせえーなぁ!何だよクソ親父!俺はやることが・・・」
「黙れゼキ!ルア様が呼んでおる!すぐに客間へ迎え!」
「え、ルアが・・・?」
「ルア"様"だ!!何度言えば・・・」
するとドタドタ足音が聞こえ、部屋の前で止まった。
「ゼキ!只今参上しました!!」
答えも聞かぬうちに扉が大きく音を上げて開いた。
「ルアー!ひっさしぶりー!!俺を呼んだって!!?デートのお誘いかな・・・??」
急な出来事にユーキ達は絶句。ルアはまたしても大きくため息をついていた。
「もぅー。ため息なんかついちゃって。。。って誰?あんた達。」
目の前の”少年"ゼキが聞いてきた。
ゼキはルアと同年代の"少年"。明るい金髪を頭の高い位置でまとめ、テール部分が窓から差し込む光にキラキラ輝いていた。」
「静かにしろ。ゼキ。私がデートなんぞの為にお前を呼ぶ訳がないだろ。この人達がお前に用があるそうだ。」
そう言うとルアはゼキをテーブルの方に誘導し座らせた。
「何だぁ?男が揃いも揃って。俺は男の誘いには乗らないようにしているんだが?」
後ろからルアが思い切り後頭部を叩いた。
「失礼だ。さて、見て分かるようにこいつはザキ家の長男。歳は私と同じだがこの見た目。ロストが大きく影響している。」
確かに・・・と3人は口をそろえる。
「お前、確かこの村を出たいとか言っていたよな?良いぞ、村長が許す。この3人と共に行動をしろ。いずれはこの島を出れるだろう。」
急な出来事、そしてルアからのお達しに状況が読めないゼキ。
「な、何のことだ??確かに俺はこの島を出たいが・・・」
ジロジロユーキたちを見ながらゼキは続けた。
「男と旅をするほど物好きじゃないぜ。ルアがついてくるならまだしもよぉ。」
「お前はまたそんなことを・・・」
何度目か分からないため息。
「それに誰かもわからない、どんな目的があるのかもわからない。まずは説明してくれよ。」
この見た目でものすごく傲慢な態度に苛つきながらもユーキ達はこの旅の目的を説明した。
「・・・なるほどねぇ。確かにコイツらと一緒に行動すればいずれは島の外に出れるんだろうなぁ。でもさっきも言ったが男と一緒に行動するほど俺は物好きじゃない。」
ユーキ達はイラつきが頂点に達しそうだった。
「そ、れ、に!」
大きな声で再度ゼキが話し始めた。
「ソーン樹海に行くなんてどうかしてる。あそこに行ったリアさんは帰ってこなかった。あのリアさんがだ!俺のお袋も・・・。俺はそんなとこに行きたくないね。島を出る前に死ぬなんてゴメンだ。」
「ん?待て待て・・・」
レンが話し始めた。
「親父がソーン樹海に連れて行ったのはルアの父ちゃんだけじゃねぇのか?ゼキの母ちゃん・・・つまりジアさんも?」
「親父ぃ?・・・!おまえ!!なるほど少し面影があるな。ディズの息子か。そうだ。やつはリアさんと俺のお袋ジアを旅に同行させた。お袋はロスト以外に単純な魔力が他の人とは桁違いだったからな。」
するとルアが話し始めた。
「いや、それなんだが・・・ディズは幾度かこの島を出入りしていたみたいなんだ。」
「何・・・?じゃ、じゃぁお袋やリアさんは生きているのか??!」
「いや、そもそもこの3人はディズから父さんやジアのことについて聞いていなかったみたいだ。村に帰ってきたときも一人だったらしい。」
「・・・」
「ゼキ。レア兄ちゃんを・・・覚えているか?」
「レアさん?もちろん。忘れるわけないだろ。」
「ユーキ。頼む。」
ユーキはルアの頼みを理解し、マスクを外した。
「なっ!!!!レアさん!!!なんで?!!」
「す、すまない、俺はレア・・さんではないんだ。」
「冗談はよしてくれ。どっからどう見ても・・・」
「ゼキ。この人はレア兄ちゃんではない。それは話を聞いてみて分かった。何か関係があるのかもしれないが・・・」
「い、いやぁ。この顔と声でレアさんじゃないって言われてもなぁ。説得力無いぜ・・・。」
ゼキが言った。
「それでだ。この旅の目的として、私からお前に頼みたいことがある。」
「頼みたいこと・・・??」
ゆっくりルアは話し始めた。
「レア兄ちゃんを、父さんを、そしてジアを島の外に行って探してきてくれないだろうか・・・」
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