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蜜月 ※

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 皆に鐘の丘で祝福を受け、その後はブレーズたちの家で食事会をした。

 朝から用意してくれていたそうで、ブレーズと母親が作ってくれた料理はとても美味しかった。

 そしてリュンを中心に部屋を可愛く飾り付けてくれていた。とても温かくそして楽しい会だった。



 今まで住んでいた部屋なのに、番になった途端に違うものにかんじた。これからは一緒の意味が違うのだから。

「なんか、ふわふわしてる」
「そうだな。出かける前と後では俺たちの関係が違うのだから」
「うん。まだ夢の中にいるみたいだよ」

 贈られた腕輪に触れ、やっと実感する。ライナーは自分の番なのだと。

 じわじわと熱がこみあげてきて尻尾が揺れだした。

「エメ、実はなもう一つ贈り物があるんだ」

 これだけでも十分だというのに、ライナーはどれだけエメを喜ばせるつもりなのだろう。

「あうう、ライナー、もう、俺、もたないよぉ」
「ふ、俺を待たせた罰だ。もっと喜ばせてやる」

 したり顔を向け、そしてライナーの荷物が置いてある戸棚へと向かう。手に持っているのは大きな封筒だった。

「エメ、開けてごらん」

 そういうと手渡された。

 言われたとおりに中を開くと皮のファイルがあり、それをだして開くと土地売買契約書と書かれていた。

「土地?」
「診療所の隣、空き地になっていただろう? そこを俺が買った」
「買った? えぇぇ!!」

 診療所には馬車をとめられるようにつなぎ場がある。その反対側は空き地だった。

 すでに売約済みだとは客の誰かが話していた気がするが、まさかライナーだったとは。

「いつ買ったの?」
「五年前」

 求婚と共にこの土地売買契約書を渡そうとしていたそうだ。

「もし、何かあったとしてもこれはエメに渡したかった。いつでも側に居てほしいから」
「ライナー」

 愛されている。それを感じて幸せでライナーに抱きついた。

「俺ばかりライナーから色んなものをもらっているね」
「いや、そんなことはない。エメにだってたくさんもらっているよ」

 愛している。

 そうライナーが呟いて鼻先に口づけをした。

 その瞬間、目元がじわりとなって涙が零れ落ちた。

「エメ、泣いちゃったか」
「うぇぇん、だって、嬉しくてぇぇ」
「ははは。昔から泣き顔はブサイクだな」
「あー、それは言っちゃダメなやつだからねぇ」

 泣かせたくないからライナーはそう口にする。そして優しく涙をふき取ってくれるのだ。

「どうせ泣かせるのなら、鳴かせるほうがいい」

 可愛い声で、と言われて尻尾でライナーを叩いた。

「もうっ」
「俺とエメは番になって初めての夜なんだぞ?」

 初夜、その言葉が頭の中に浮かんで、落ち着かずに何度もライナーを尻尾で叩く。

「ねぇ、ライナーのこと舐めていい?」
「ルクス系の舌で舐められるとスゴイと聞いたことがあるな」

 人の子は多少毛が生えているくらいなのでつるつるとしている。あの肌を舐めたり噛んだりしていたいと思っていた。

 それに口に入れることはできないが、あれを舐めてイかせてあげたい。

「上手に舐められるかわからないけれど」

 ぺろりと自分の口を舐めると、エロいといってライナーが目を細めた。

「獲物を狙う雄ってかんじでしてみたのに」

 どうやら雄としてはまだまだのようだ。

「いや、かっこいいよ。でも小さいころから知っているからどうしても可愛いが勝ってしまうんだよ」

 ごめんなと頭を撫でられて、首を横にふるった。

「うんん。ライナーには可愛いて言われるの嬉しいから」
「ベッドに行くか」
「うん」

 ライナーに手を握りしめられベッドへと連れていかれる。

 ブレーズが作ってくれた服は脱いだ後に綺麗に畳んで置いておいた。

 一糸まとわぬ姿になるとライナーの肌へと触れた。

「つるつる」
「エメだって、首のここからきわどいところまではつるつるだろう」

 指が首筋をたどり鎖骨、谷間、腹筋、へそまで触れた。

「今日は俺の番だよ?」
「そうだったな」

 大の字になってベッドに横になる。エメはやさしく舌先で胸の突起を舐めた。

「お、いきなりそこか」
「だって、俺がされてきもちいいところだから」

 あとは、下半身のアレだ。あの言い方だとからかわれるだろうから口にしないが。

「エメはここを弄るとかわいい反応をするが俺はくすぐったいかな」

 ライナーの指が乳首を摘まんで動かす。

「ひゃぁ、俺のは触っちゃ、やっ」

 すぐに感じてしまって頭の中がほわほわとしてしまうから。

「エメが頑張らないと俺に負けちゃうぞ?」

 そうだ。この舌を使ってライナーをメロメロにしてしまえばいいだけだ。

「負け、ないモン」

 今度は力強く。舌の奥から先を使って乳首を刺激すれば、ピクリと体が震えた、ような気がした。

「ふ、やるな、エメ」

 だがライナーの手は止まらない。爪で刺激をされたら体は我慢できずに跳ね上がる。

「きゅぅぅん、らめだってばぁ」

 目がちかちかとして頭の中がぼーっとしてきた。

「おや、もうねを上げるのか?」

 ぷっくりと脹らんだ乳首は感じやすくなっていて、こらえようにも無理だ。

「ずるぃぃ」
「ごめんな。俺が我慢ができないんだよ」

 そんなことを言われてしまったら、ダメと言えなくなってしまう。

「わかった」

 少ししか舐めることができなかったけれど、まだまだ時間はたっぷりあるのだ。

 ライナーの後はエメの番にすればいい。

「俺の好きなトコ、解るよね?」

 腕を首に回して目を細めれば、ライナーが口角を上げた。

 色香が半端なく、ぞくぞくとする。

「おいしそうに脹らんだここと、ちょっと顔を出しはじめたここ、すでにぬれているここかな」

 乳首を指ではじき、立ち上がり顔をだしている下半身のものを撫で、後ろでひくひくとしている孔へと触れた。

「ん、だいせいかい」

 口元が緩み舌でライナーの唇を舐めると、かわりに甘噛みをされた。

「きゅぅん」
「素直な反応だな」
「後で同じことしてあげるね」

 口でするのは無理だけど舌はライナーを傷つけることはない。

「後ろはダメだぞ」
「えー、いれてみたい」
「それだけは譲れないなぁ。いい子だから先生のいうことを聞きなさい」
「うー」

 こういうときだけ先生になるのだからずるい。尻尾で腕を叩くと掴まれて撫でられてしまう。

 不慣れな自分はライナーに勝てるわけもなく、でも、大好きな人だからそれでもいいと思えるのだ。

「いっぱい愛してね」
「ああ、もちろんだとも」

 可愛いエメ。

 そう耳元で囁かれて、エメはライナーの唇に口づけた。





<了>
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