甘える君は可愛い

希紫瑠音

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無口な彼は甘いものが好き

甘い君にくらいつく(2)

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「俺もイかせろよ」
「指、もう一本増やしてください。でないと林さんのは無理……、あっ」

 さらに中へ指を増やし、自分のモノを押し付けながらこすり付ける。

「やっ、またすぐにいっちゃうから」
「お前のイき顔、悪くない」
「そんな事、言わないでっ」

 恥ずかしいと、額を林の胸にくっつけて顔を隠す。

 こういう反応は可愛くて好きだ。

「顔、隠すな」

 もっと見たいと、キスをしながらこちらへと視線を向かせる。

「ん、林さんってこういう事をするんですね」

 ずるいですと、頬を膨らませる。

「お前が可愛いからだろ」
「なっ、やめてください。さっきから恥ずかしい事ばかり」
「お前が言わせている」
「もうっ、黙って」

 言葉をキスでふさがれる。

 もう限界だと、指を抜き一緒に中に入り込んでいた清宮の指も抜く。

「んぁっ」

 唇が離れて、糸がつながりあう。

「もう、良いよな」
「はい。貴方のを中に下さい」

 大きく膨らんだものを挿入していく。

「きついな。平気か?」
「ん、だいじょうぶ、です」

 辛そうな表情を浮かべているが止めてやることは出来ない。

 深い所まで入り込んだモノをゆっくりと突き上げれば背をのけ反らせる。

「はぁっ、やばい、はやしさんの」
「何がやばい?」
「きもちいい、です」

 へにゃっと顔を緩め、髪を撫で額にキスをする。

「清宮、お前……」

 胸がときめく。

 たまらなくなって、彼をベッドへと押し付けて激しく中を突いた。

「ひゃぁっ、ちょっと、あっ、あぁっ、やだぁ」
「ふっ」

 互いに放ちあうが、抜かずにさらに中を突く。

「まって」
「待てない」
「だめぇ……」

 すぐに元気を取り戻し、かたくなって立ちあがる。

「こんな、なのに?」

 掴んでこすりあげれば、甘い声をあげる。

「貴方が」
「そうだな、俺がさせてる」

 清宮の弱い所を突けばしめつけられ、互いに快楽へと落ちていった。





 二人の間で約束をした。肌を重ね合うのは次の日が休日の時だけと。

 一週間が待ち遠しくて、会社でも清宮に噛みつきたくなるが、それをグッと我慢する。

 それが周りには不機嫌に見えるらしく、清宮が甘いものと共に様子を窺いに来るのだが、更に眉間のシワが深くなり、たまたまそれが社長に見つかって、怖いよと指で押されてしまった。

「林さん、どうしたんです?」

 そんな事を聞かれてもこたえられるわけがなく、なんでもないとぶっきらぼうにそう返事する。

「金曜日に結衣ちゃんにクッキーの作り方を教えてとお願いされまして」
「結衣に?」

 まさか結衣に邪魔されるなんて。

「はい。男の子にあげるんでしょうかね」

 可愛い姪っ子の頼みなのだからと自分は我慢すべきなのだが、どうにも機嫌が悪くなる。それを勘違いした清宮が、

「あ、もしかして妬いてます?」

 とニヤニヤとした表情を浮かべる。

「違う」

 清宮から顔を背け、引き出しからタブレットを取り出して噛み砕く。

「林さんってば、結衣ちゃんの事が相当可愛いんですね」

 まだ勘違いをしている清宮にプツリと何かが切れた。

「こい」
「え、あ、ちょっと」

 腕を掴んで給湯室へと向かい、壁際に押しやり口づけをする。

「あっ……」

 驚いて目を見開く清宮の顔が見る見るうちに赤くなり、溜飲が下がり唇を離す。

「俺が嫉妬したのは結衣にだ」
「なっ」
「俺は菓子よりお前が良い」

 力が抜けたかずるずると床へくずれおちる。

「仕事中に、何言ってんですか」
「妬かせるお前が悪い」
「信じられない」

 目尻に涙を浮かべながら見上げてくる清宮に、もう一度口づけをした。




 落ち着くまで一人にして欲しいと言われ、給湯室から自分のデスクへと戻る。
 それから数分後。

 缶珈琲を二本持った清宮がデスクに戻る。

「結衣ちゃんとの約束は行かせて頂きます。その後は……」

 俺を好きにしてくださいと真っ赤に頬を染めながら耳元で言い、缶珈琲を林のデスクの上へと置いた。

「そうか」

 お菓子と清宮と両方食える。

 大好きな物が二つも手に入るのだから林の機嫌はみるみるうちに良くなった。

「林さん、解りやすいです」

 照れる清宮に微笑んで、缶珈琲のプルトップを開けた。





【了】
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