15 / 59
年下ワンコはご主人様が好き
5・久世
しおりを挟む
昨日の波多はとても可愛かった。
自分の舌にちゃんと反応をしてくれたし、こすりあいも気持ちよかった。
いかせろと言われた時には、胸の高鳴りが収まらず、イき顔を思いだすだけで自分のモノがじくじくと熱が溜まる。
「はたさん」
抜いてスッキリとした後、体を洗ってバスルームを出る。
濡れた髪を拭きながら波多がいるキッチンへと向かうとすでに朝ご飯ができていてイイにおいがする。
だが、テーブルの上にあるのは一食分しかない。どうしてだろうと首を傾げると、帰るからと波多はエプロンを外す。
久世のためにご飯を作ってくれたのだ。見送るために玄関までついていった久世は、我慢できず波多に口づけた。
驚いた顔をしていた。だが、怒られなかった。しかも、髪が濡れたままというのに頭を撫でてくれた。
出て行った後も、しばらくは玄関先で惚けたまま突っ立っていたが、ハッと我に返る。
「幸せにひたっている場合じゃなかった」
はやく支度を終えて波多を迎えに行かねばならない。
髪を乾かし着替えを済ました後、波多の作ってくれた食事を食べてお迎えに向かう。
まだ支度が終わらないからと部屋の中で待つように言われ、リビングのソファーへと座る。
波多の朝食は食パン一枚。しかも焼かずに食べているのを見て、自分はちゃんとした食事を用意してもらったのにと申し訳ない気持ちとなる。
「波多さん、ごめんなさい」
「別に。面倒な時はいつもこんなだし。それにもう飯を作ってやる必要もないからな」
「……え?」
「え、じゃない。お前、俺にまだ飯の面倒まで見ろって言うのか!?」
と言われて黙り込む。
これからも食事の面倒を見てくれるものだと思っていたので素直に口にしたら、図々しいと怒られた。
「米を炊いて、スーパーで惣菜でも買ってくればいいだろう」
「炊いた事なんてないです」
今まで料理など一度もしたことが無い。彼女が用意してくれたり、コンビニの弁当で済ましたりしていたから。
「なら、弁当でも食ってろ」
と言われるが、弁当ばかりでは味気ないし、波多の手料理の味を知ってしまった。
あの暖かくて優しい味のする料理が直ぐに恋しくなるだろう。
「あの、食費を払いますから、俺の分も作ってくれませんか」
手料理を一緒に食べたいんですと言うが、嫌だと断られてしまう。
「……俺が作ってたら意味がないんだよ」
今までのような甘えは駄目だと、
「俺はお前に都合のいい相手じゃない」
いつまでも面倒を見させるなとハッキリと言われる。
甘えているばかりで自分では何もしようとはしない。それが駄目だと波多は言いたのだろう。
「わかりました。では、俺に料理を教えてくれませんか?」
「あぁ。それなら良いぞ」
料理を教えるのは週に一・二回と決まり、波多の家で教えて貰う事になった。
自分の舌にちゃんと反応をしてくれたし、こすりあいも気持ちよかった。
いかせろと言われた時には、胸の高鳴りが収まらず、イき顔を思いだすだけで自分のモノがじくじくと熱が溜まる。
「はたさん」
抜いてスッキリとした後、体を洗ってバスルームを出る。
濡れた髪を拭きながら波多がいるキッチンへと向かうとすでに朝ご飯ができていてイイにおいがする。
だが、テーブルの上にあるのは一食分しかない。どうしてだろうと首を傾げると、帰るからと波多はエプロンを外す。
久世のためにご飯を作ってくれたのだ。見送るために玄関までついていった久世は、我慢できず波多に口づけた。
驚いた顔をしていた。だが、怒られなかった。しかも、髪が濡れたままというのに頭を撫でてくれた。
出て行った後も、しばらくは玄関先で惚けたまま突っ立っていたが、ハッと我に返る。
「幸せにひたっている場合じゃなかった」
はやく支度を終えて波多を迎えに行かねばならない。
髪を乾かし着替えを済ました後、波多の作ってくれた食事を食べてお迎えに向かう。
まだ支度が終わらないからと部屋の中で待つように言われ、リビングのソファーへと座る。
波多の朝食は食パン一枚。しかも焼かずに食べているのを見て、自分はちゃんとした食事を用意してもらったのにと申し訳ない気持ちとなる。
「波多さん、ごめんなさい」
「別に。面倒な時はいつもこんなだし。それにもう飯を作ってやる必要もないからな」
「……え?」
「え、じゃない。お前、俺にまだ飯の面倒まで見ろって言うのか!?」
と言われて黙り込む。
これからも食事の面倒を見てくれるものだと思っていたので素直に口にしたら、図々しいと怒られた。
「米を炊いて、スーパーで惣菜でも買ってくればいいだろう」
「炊いた事なんてないです」
今まで料理など一度もしたことが無い。彼女が用意してくれたり、コンビニの弁当で済ましたりしていたから。
「なら、弁当でも食ってろ」
と言われるが、弁当ばかりでは味気ないし、波多の手料理の味を知ってしまった。
あの暖かくて優しい味のする料理が直ぐに恋しくなるだろう。
「あの、食費を払いますから、俺の分も作ってくれませんか」
手料理を一緒に食べたいんですと言うが、嫌だと断られてしまう。
「……俺が作ってたら意味がないんだよ」
今までのような甘えは駄目だと、
「俺はお前に都合のいい相手じゃない」
いつまでも面倒を見させるなとハッキリと言われる。
甘えているばかりで自分では何もしようとはしない。それが駄目だと波多は言いたのだろう。
「わかりました。では、俺に料理を教えてくれませんか?」
「あぁ。それなら良いぞ」
料理を教えるのは週に一・二回と決まり、波多の家で教えて貰う事になった。
0
<シリーズ>
社員食堂で休息を(URL)
社員食堂で休息を(URL)
お気に入りに追加
87
あなたにおすすめの小説
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
後輩に嫌われたと思った先輩と その先輩から突然ブロックされた後輩との、その後の話し…
まゆゆ
BL
澄 真広 (スミ マヒロ) は、高校三年の卒業式の日から。
5年に渡って拗らせた恋を抱えていた。
相手は、後輩の久元 朱 (クモト シュウ) 5年前の卒業式の日、想いを告げるか迷いながら待って居たが、シュウは現れず。振られたと思い込む。
一方で、シュウは、澄が急に自分をブロックしてきた事にショックを受ける。
唯一自分を、励ましてくれた先輩からのブロックを時折思い出しては、辛くなっていた。
それは、澄も同じであの日、来てくれたら今とは違っていたはずで仮に振られたとしても、ここまで拗らせることもなかったと考えていた。
そんな5年後の今、シュウは住み込み先で失敗して追い出された途方に暮れていた。
そこへ社会人となっていた澄と再会する。
果たして5年越しの恋は、動き出すのか?
表紙のイラストは、Daysさんで作らせていただきました。

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが
五右衛門
BL
月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。
しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──
年上の恋人は優しい上司
木野葉ゆる
BL
小さな賃貸専門の不動産屋さんに勤める俺の恋人は、年上で優しい上司。
仕事のこととか、日常のこととか、デートのこととか、日記代わりに綴るSS連作。
基本は受け視点(一人称)です。
一日一花BL企画 参加作品も含まれています。
表紙は松下リサ様(@risa_m1012)に描いて頂きました!!ありがとうございます!!!!
完結済みにいたしました。
6月13日、同人誌を発売しました。
エリート上司に完全に落とされるまで
琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。
彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。
そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。
社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。
ハイスペックED~元凶の貧乏大学生と同居生活~
みきち@書籍発売中!
BL
イケメン投資家(24)が、学生時代に初恋拗らせてEDになり、元凶の貧乏大学生(19)と同居する話。
成り行きで添い寝してたらとんでも関係になっちゃう、コメディ風+お料理要素あり♪
イケメン投資家(高見)×貧乏大学生(主人公:凛)

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる