獣人ハ恋シ家族ニナル

希紫瑠音

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心と体に触れる(2) ※ 

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 まずは指を一本。セドリックの唾液で濡れていたのもあり、狭いながらもどうにか受けれられた。

「ブレーズ、入れたい」

 舌を。

 抜こうとする舌を逃がさぬように絡ませ、中にもう一本指を増やした。

「セド、待っていられない子にはお仕置きだよ」

 と唇を放し、立ち上がっている下半身のモノへ舌を這わせた。

「く、どう、お仕置き、されるんだ?」
「こう、かな」

 セドリックのズボンに手を伸ばして脱がせると毛におおわれたモノが露になる。

 それをはじめて見た時はやはり人の子とは違うのだと思ったけれど、何度か一緒にお風呂に入っているのでそれも見慣れた。

 雄をむきだしにするため、ちろちろと厭らしく先っぽを舐めると頭がひょっこりとあらわれた。

「先ほどの、仕返しか?」

 ふ、と、口角をあげるセドリックに、目を弓型にし微笑む。

「うん。仕返し」

 全体が露になったところでそれを口に咥えてしゃぶりはじめれば、下半身のモノのように耳と尻尾が立ち上がった。

「これは……」

 はぁ、と低音で色っぽい声がもれた。

 後ろをいじりながらセドリックのモノを口で咥え、上から下からとくちゅくちゅといやらしい音がする。

「ふ、ブレーズ、人の子の口はすごいな」

 気持ちよさそうにゴロゴロと喉がなり始めた。

 後ろの指も三本になり、あと一本増やさないとセドリックのモノは受け入れられないだろうともう一つ増やす。

「ん、ふっ」

 セドリックから発せられる雄の濃い匂いと後ろの弄る指に体が高揚する。

「ブレーズ」

 孔をふさいでいる指の手。その甲をぺろぺろと舐めて、はやくそこへ入りたいと切なく口にした。

 咥えていた口を放し、後ろをほぐしていた指を抜きとる。そしてセドリックの上へとまたがると広がった後ろ孔へと入れた。

「く、んっ」

 まだ少しきつかったかもしれない。だがゆっくりと腰を下ろせば深いところまで入り込んだ。

「はぁ、セドの、入ったよ」
「そうだな。やっとお前を頂ける」

 と下から突き上げられた。

「んんぁ、やぁ、ん」

 指とは断然比べ物にならぬ、熱くそしてかたいその存在。

 一度目はすぐにイってしまい、だが、それだけでは互いに足りずに二度、三度と繰り返す。

 途中から頭が真っ白になり、もう何度目かなんて考えられなくなっていた。そして意識が朦朧とし落ちてしまった。




 朝、後ろに違和感を感じて起きようとしたらセドの腕と後ろの孔がふさがれていた。

「え、ちょ、セドっ」

 まさか入れたままだとは思わなかった。

「ブレーズが、中のを出したくないっていうからふさいでいた」

 たくさん注がれて、あふれるたびに寂しくて。そんなことを言った気が……する。

「え、や、うごかないで」

 いまだ敏感な中は少し動いただけで感じてしまう。

「ブレーズ、あんなにしたのに元気だなぁ」
「あぁ、僕の、ばかぁ」

 たちあがったものをブレーズが指でぐりぐりと動かした。

「ちょ、だめぇ」

 これ以上は我慢できなくなる。だからここで止めないといけない。

「俺も昨日はやりすぎたかなーって思ったけど、元気だわ」

 それは嫌というほど後ろで感じている。あきらかに大きくなっているのだから。

「ダメ。リュンのところに行くんでしょ」

 抜いてともう一度言うと、しぶしぶと後ろからセドリックのモノが抜けた。

「そうだよな。俺たちのかわいい子を迎えに行かないと。よし、体を洗いに行こう!」

 そう言うとセドリックがブレーズの体を抱き上げた。

「え、一緒に入るの!?」

 湯舟はふたりで入るときついが体を洗うのは三人でも大丈夫だった。

「もちろん。洗ってくれるだろう?」
「いいけど、洗う以外はしないからね」

 そうきっぱりと言うと、お気に召さなかったか眉間にしわができていた。

「……いくぞ」

 お風呂の残り湯は冷めてしまっているが水よりも多少は温かい。

 何をしていたかわかってしまうので体を洗うために使うだけなのでこれで十分だろう。

「ねぇ、セド、リュンが記憶を取り戻して、辛くて自分の中に閉じこもってしまっていたらどうしよう」

 今までは記憶を少し取り戻しても気を失い忘れていたが、今回はそうはいかないだろう。

「大丈夫、またはじめからやればいいだけだ。愛情をいっぱいお注ぎ込んで可愛い笑顔を取り戻す。手をかしてくれるだろう?」
「うん」

 ぎゅっとセドリックを抱きしめると、スンスンと匂いを嗅ぎ始めた。

「俺の匂い、まだあるな」

 べろりと首を舐められて背中がぞくぞくと震えた。

「セド、ダメ」
「匂い、なくしたくないな」

 じっとセドリックがこちらを見ている。

「僕もそうしたいけれど、皆に知られるよ」

 ふたりでした行為はリュンに教えるには早い。ゆえにセドリックから離れて体を洗い始めた。

 体に残る噛み痕と、しつこく舐められてぷっくりと膨れて真っ赤に染まる個所、中に注がれたものをだすのに指を入れてかきだしている途中、熟れた個所に指がこすれて甘く声をあげてしまい、あわてて口を押えた。

「あー、えっろ。これって生殺しだよなぁ」

 湯舟がばちゃばちゃと音を立てる。浴槽のふちに腰を下ろしているため尻尾が水面を叩いているのだ。

「僕の体力はリュンのお迎え分しかありません」

 そう口にするが、後ろにはまだセドリックのものが入っているような感触が残り、胸や体は少し触れただけで感じてしまう。愛しい男と触れあってつながりあう喜びを知ってしまったのだから。

 胸がきゅっとして、我慢できなくなって唇だけつなぎ合わせて離れた。

「ふ、グッときた」

 そうセドリックが口角を上げ、そしてじゅるじゅると音をたて唇をむさぼられた。

 先ほど止めたせいか互いに熱が残ったままで、キスがきっかけで止められなくなる。

 後ろも本当は寂しかったのだ。セドリックのが抜けてしまったのが。

 中に再び熱くて大きなものを感じて小さく震えた。

「ブレーズ……だ」

 セドリックのつぶやきが自分が今一番欲しいセリフとして聞こえ、甘く声を上げる。

「ぼくもだよ」

 熱に浮かされ思考がとろけてセドリックのことしか考えられなくなり、結局、リュンのお迎えはお昼近くとなってしまった。
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<獣人、恋慕ノ情ヲ抱ク>シリーズ

獣人ハ恋ヲスル
・獣人剣士(家事が得意)×少年剣士(火傷があり、コンプレックスに)【R18】

獣人ハ恋焦ガレル
・人の子と獣人の友情。互いに好きな人ができて恋をする。
・獣人(騎士・料理上手)×人の子(獣人ラブな薬師)【R18】

獣人ハ甘ヤカシ、甘ヤカサレル
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