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愛おしくてたまらない
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あの日以来、ファブリスが触ろうとすると身構えてしまう。
気持ち良さを知ってしまった身体が、ファブリスの熱に反応してしまうのだ。
「ロシェ、何もしないからそんなに身構えないでくれ」
「信用できねぇ」
ファブリスは言葉のとおり、何もしてこない。
日がたつにつれ、自分に飽きたのだろうと、これで心が乱されなくてすむと思うのだけれども、心の奥がずきずきと痛む。
「三日後に成人の儀の為に王都に行く」
剣術の稽古を終え、いつものように外でお茶をしている時に言われる。
獣人は十五になると王宮で行われる成人の儀に出席しなければならないそうで、シリルからその話は前から聞いてはいたが、まだ先のことだと思っていたが、もうそんなに日がたっていたのかと驚く。
「そうか」
それまでファブリスとの手合せはお預けかと、残念な気持ちになる。
痩せて細かった身体は、少しふっくらとしたし、以前よりも力も出るようになった。
「帰りは数か月後になると思う。その間、鍛錬を怠るなよ?」
「あぁ。お前が戻って来た時にガッカリされないように頑張るさ」
「あぁ」
熱のこもった視線が、ロシェへと向けられる。好きだと言われてから時折、そう見られることがある。
それは気持ちを落ち着かなくさせ、居心地が悪い。
「なぁ、今日は泊まって行かないか? 皆でゆっくりと食事をできるのは今日くらいだから」
別の話となり、思わず安堵する。
「……いいぞ」
「そうか。腕によりをかけよう」
ファブリスはキッチンへと向かった。
ドローイングルームは、シリルとドニがお茶を飲んでいた。
「ロシェ、今日、泊まっていこう」
「あぁ。さっきファブリスに言われた」
「じゃぁ、今日こそは四人で一緒に風呂でコミュニケーションを……」
彼らとは当分会うことはないだろう。だが、これとそれは別だ。断ろうとした所に、
「シリル、悪いがロシェと二人きりで入りたい」
と酒を手にファブリスが戻る。
「はぁ? 勝手なことを言うな」
ファブリスとは入りたくない。そう口にしようとしたところで、
「当分会えないんだ。いいだろう、ロシェ」
キューンと鳴き、耳と尻尾が垂れる。
「はわわわ、ファブリス、可愛すぎる」
その姿にドニが興奮し始め、シリルが珍しいものを見たと呟いた。
「なんだ、まるで小さな子のようだな。ロシェ、一緒に入ってやってくれ」
「なっ、何を言って」
「お願いだ」
また、キューンという鳴き声が聞こえてきて、皆の視線が一斉にロシェに向けられていたたまれなくなる。
「くそっ、わかったよ」
「ありがとう」
尻尾が揺れる。
そんなに嬉しいのかと、その反応に悪い気がしてこない。
いつの間にか、ファブリスに心を許し始めている。
好意を向けられているからか、それとも彼の暖かさを知ってしまっただろうか。
服を脱ぎ、湯船へと入ろうとしていた時、壁に身体を押し付けられてキスをされた。それも欲を含む、下半身にくるやつだ。
「ん、まて、何故キスをするっ」
「暫く会えないからな」
舌が絡み、たっぷりとキスをされた後、もふっと頬に耳をこすり付ける。
先ほどから甘えてくるファブリスに、あることに気が付く。
「寂しいのか?」
乱暴に頭を撫でまわす。
「寂しい。お前と離れたくない」
好きだと、鼻先にキスをする。
「一生、会えない訳じゃない、だろう?」
「そうなんだが、お願いだ。お前の中に入れたい」
唇が口に鎖骨へとキスをする。
離れる前に証を、と、囁かれる。
「お願いだ」
キューン、キューン、キューン……。
何かの一つ覚えの様に鳴きまくる。
「甘えるな、鳴けば貰えると思うなよ?」
ずるい。
可愛く甘えるという手を使うなんて。
「ロシェ」
尻尾が腕に絡みつく。
「くそっ、好きにしろ」
全ての面でこの獣人に自分は勝つことなんてできないだろう。
やたらと火傷の跡へ舌を這わせたりキスをされる。ロシェにとって敏感な箇所であり、それを知ったファブリスはやたらと触れようとするのだ。
「火傷の跡ばかり触れないでくれ」
「ここも愛していると言うことを伝えたくてな」
愛おしいと目が語り、舌が彼の火傷の跡を嬲る。それが心を満たし、身体を疼かせる。
火傷を舐められただけでイってしまったことに驚き、ファブリスは口角を上げる。
「ふふ、お前はここが敏感で弱いのだな」
「お前がっ」
くやしくて耳を噛んでやれば、ぴくっと動く。
「おっ」
甘噛みをすれば、揺らいでいた尻尾がヘタリと垂れる。
「耳、駄目なのか?」
「ロシェが噛んでいると思うとな」
ファブリスのモノが更に大きさを増していた。
「うっ」
互いに照れつつ、そして額をくっつけて唇を重ねる。
「あっ、ファブリス」
今度はファブリスがロシェの首や腕、そして太腿へと甘噛みをしはじめる。
それがたまらなく気持ちよい。
「後を頂いても?」
「あぁ、好きにしろ」
後ろを舌で舐められ声を上げる。
「待て、舐めるのか?」
「前にも話したが、舐めたほうがスムーズにはいるからな」
そうだとしても、これは恥ずかしい。
「あのな、舐めてもお前のは受け入れられない。指でほぐさないとな」
「そうか。しかし俺の指を中に入れたら確実に爪で傷をつけてしまうだろう」
ぺたりと耳が垂れた。落ち込んでいるのか、なんだか可愛い。
「俺が……」
「では、その前にたっぷりと濡らしておこう」
俺が自分で解すという前に、ファブリスが後ろを再び舐めはじめる。
「え、ひゃぁっ、や、ふぁぶりす」
孔をびちゃびちゃと舐めた後、中へと入り込んでくる。
「んっ」
ぬめぬめと中で蠢いて変な感じだ。
長い舌はロシェの良い所を舌先で弄り始める。
「ふ、あぁっ」
爪を気をつけながらロシェのモノを手の中へと包み込んでこすりあげる。
「あっ、だめ、そんな深くまで舐めるな」
「だが、ここに触れると、ロシェがいい反応を見せる」
舌先が触れる度、身体が飛び跳ねてしまう。
「もういいから、抜け。後は指でする」
「そうか。では、俺のを舐めてはくれないだろうか?」
「わかった」
反り立つモノを見せられ、ロシェは膝をつき中腰になるとそれを咥えた。
気持ち良さを知ってしまった身体が、ファブリスの熱に反応してしまうのだ。
「ロシェ、何もしないからそんなに身構えないでくれ」
「信用できねぇ」
ファブリスは言葉のとおり、何もしてこない。
日がたつにつれ、自分に飽きたのだろうと、これで心が乱されなくてすむと思うのだけれども、心の奥がずきずきと痛む。
「三日後に成人の儀の為に王都に行く」
剣術の稽古を終え、いつものように外でお茶をしている時に言われる。
獣人は十五になると王宮で行われる成人の儀に出席しなければならないそうで、シリルからその話は前から聞いてはいたが、まだ先のことだと思っていたが、もうそんなに日がたっていたのかと驚く。
「そうか」
それまでファブリスとの手合せはお預けかと、残念な気持ちになる。
痩せて細かった身体は、少しふっくらとしたし、以前よりも力も出るようになった。
「帰りは数か月後になると思う。その間、鍛錬を怠るなよ?」
「あぁ。お前が戻って来た時にガッカリされないように頑張るさ」
「あぁ」
熱のこもった視線が、ロシェへと向けられる。好きだと言われてから時折、そう見られることがある。
それは気持ちを落ち着かなくさせ、居心地が悪い。
「なぁ、今日は泊まって行かないか? 皆でゆっくりと食事をできるのは今日くらいだから」
別の話となり、思わず安堵する。
「……いいぞ」
「そうか。腕によりをかけよう」
ファブリスはキッチンへと向かった。
ドローイングルームは、シリルとドニがお茶を飲んでいた。
「ロシェ、今日、泊まっていこう」
「あぁ。さっきファブリスに言われた」
「じゃぁ、今日こそは四人で一緒に風呂でコミュニケーションを……」
彼らとは当分会うことはないだろう。だが、これとそれは別だ。断ろうとした所に、
「シリル、悪いがロシェと二人きりで入りたい」
と酒を手にファブリスが戻る。
「はぁ? 勝手なことを言うな」
ファブリスとは入りたくない。そう口にしようとしたところで、
「当分会えないんだ。いいだろう、ロシェ」
キューンと鳴き、耳と尻尾が垂れる。
「はわわわ、ファブリス、可愛すぎる」
その姿にドニが興奮し始め、シリルが珍しいものを見たと呟いた。
「なんだ、まるで小さな子のようだな。ロシェ、一緒に入ってやってくれ」
「なっ、何を言って」
「お願いだ」
また、キューンという鳴き声が聞こえてきて、皆の視線が一斉にロシェに向けられていたたまれなくなる。
「くそっ、わかったよ」
「ありがとう」
尻尾が揺れる。
そんなに嬉しいのかと、その反応に悪い気がしてこない。
いつの間にか、ファブリスに心を許し始めている。
好意を向けられているからか、それとも彼の暖かさを知ってしまっただろうか。
服を脱ぎ、湯船へと入ろうとしていた時、壁に身体を押し付けられてキスをされた。それも欲を含む、下半身にくるやつだ。
「ん、まて、何故キスをするっ」
「暫く会えないからな」
舌が絡み、たっぷりとキスをされた後、もふっと頬に耳をこすり付ける。
先ほどから甘えてくるファブリスに、あることに気が付く。
「寂しいのか?」
乱暴に頭を撫でまわす。
「寂しい。お前と離れたくない」
好きだと、鼻先にキスをする。
「一生、会えない訳じゃない、だろう?」
「そうなんだが、お願いだ。お前の中に入れたい」
唇が口に鎖骨へとキスをする。
離れる前に証を、と、囁かれる。
「お願いだ」
キューン、キューン、キューン……。
何かの一つ覚えの様に鳴きまくる。
「甘えるな、鳴けば貰えると思うなよ?」
ずるい。
可愛く甘えるという手を使うなんて。
「ロシェ」
尻尾が腕に絡みつく。
「くそっ、好きにしろ」
全ての面でこの獣人に自分は勝つことなんてできないだろう。
やたらと火傷の跡へ舌を這わせたりキスをされる。ロシェにとって敏感な箇所であり、それを知ったファブリスはやたらと触れようとするのだ。
「火傷の跡ばかり触れないでくれ」
「ここも愛していると言うことを伝えたくてな」
愛おしいと目が語り、舌が彼の火傷の跡を嬲る。それが心を満たし、身体を疼かせる。
火傷を舐められただけでイってしまったことに驚き、ファブリスは口角を上げる。
「ふふ、お前はここが敏感で弱いのだな」
「お前がっ」
くやしくて耳を噛んでやれば、ぴくっと動く。
「おっ」
甘噛みをすれば、揺らいでいた尻尾がヘタリと垂れる。
「耳、駄目なのか?」
「ロシェが噛んでいると思うとな」
ファブリスのモノが更に大きさを増していた。
「うっ」
互いに照れつつ、そして額をくっつけて唇を重ねる。
「あっ、ファブリス」
今度はファブリスがロシェの首や腕、そして太腿へと甘噛みをしはじめる。
それがたまらなく気持ちよい。
「後を頂いても?」
「あぁ、好きにしろ」
後ろを舌で舐められ声を上げる。
「待て、舐めるのか?」
「前にも話したが、舐めたほうがスムーズにはいるからな」
そうだとしても、これは恥ずかしい。
「あのな、舐めてもお前のは受け入れられない。指でほぐさないとな」
「そうか。しかし俺の指を中に入れたら確実に爪で傷をつけてしまうだろう」
ぺたりと耳が垂れた。落ち込んでいるのか、なんだか可愛い。
「俺が……」
「では、その前にたっぷりと濡らしておこう」
俺が自分で解すという前に、ファブリスが後ろを再び舐めはじめる。
「え、ひゃぁっ、や、ふぁぶりす」
孔をびちゃびちゃと舐めた後、中へと入り込んでくる。
「んっ」
ぬめぬめと中で蠢いて変な感じだ。
長い舌はロシェの良い所を舌先で弄り始める。
「ふ、あぁっ」
爪を気をつけながらロシェのモノを手の中へと包み込んでこすりあげる。
「あっ、だめ、そんな深くまで舐めるな」
「だが、ここに触れると、ロシェがいい反応を見せる」
舌先が触れる度、身体が飛び跳ねてしまう。
「もういいから、抜け。後は指でする」
「そうか。では、俺のを舐めてはくれないだろうか?」
「わかった」
反り立つモノを見せられ、ロシェは膝をつき中腰になるとそれを咥えた。
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