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王都
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王都に近づくにつれ華やかさが増していく。たまに街へと出かけることはあるが、所詮は田舎だ。
ずっと外を眺めているが全然飽きなかった。
そして王宮へと続く門へと馬車は向かい、その立派さにまた驚いてしまった。
「ここはまだ入口だ。王宮はもっと煌びやかで豪華だ」
そうゾフィードが教えてくれた。
「そうなんだ」
楽しみだと窓から外を眺める。
そして明らかに先ほどとは違う、豪華で綺麗な門へとたどり着き、そこから王宮が見えた。
「うわぁ、すごい」
本当に煌びやかで、口を開けたまま眺めていると、ゾフィードがくつくつと笑いだす。
「ちょっと、なんで笑うの」
「間抜け面。王宮の中ではそんな顔をするなよな」
と額をはじかれた。
自然な笑顔にドニの胸が高鳴った。好意を持つ相手がそんな顔を見せるのだから。
「しないもん」
頬を膨らませてゾフィードを見れば、ツンと頬を指で突かれた。
王宮につくと沢山の人に出迎えられた。その中に立派な体格をした綺麗な毛並みの、華やかな衣装を身にまとう獣人がいた。
ゾフィードが跪き挨拶をする。
「王太子様、客人をお連れ致しました」
ぽかんと立ち尽くすふたりに、ゾフィードが頭を下げるように言う。
言われたとおりにすると、
「かまわぬ。ゾフィードも楽にするといい」
と言われ、ゾフィードが立ち上がり頭を下げた。
「私は王太子のアドルフだ。ふたりとも、シリルのために来てくれてありがとう。ひとりの兄として礼を言うよ」
そういうと優しい表情を浮かべた。
たしかシリルは家族に愛されていないと言っていた。だが、王太子はシリルのためにふたりを出迎えてくれたとそう感じた。
「ゾフィード、王太子はシリルのことが嫌いなの?」
「いや、そんなことはない。詳しいことはシリル様に聞け」
「そうだね」
もし、これが演技だとしたら大したものだ。ドニに優しい兄と思わせることができたのだから。
だが、これが本当の姿だとしたら、シリルは愛されているということだ。
そうだといいなと思いながらゾフィードの後に続く。
声の主はゾフィードのもので、ドアが開くと紺色の制服を着たゾフィードが現れる。
その凛々しくかっこいい姿にドニは目を奪われる。
「さっきまで着ていた服と違う……」
「これは正装だからな。ふたりとも、シリル様とファブリスに会いに行くぞ」
「え、本当!」
こんなにも早く会えるとは思わなかった。
ロシェの方へ顔を向ければ、口元が少しだけ緩んでいた。
「ファブリスに会えるね」
そう口にすれば、照れくささを隠すようにドニをにらみつけた。
「さぁ、行くぞ」
「うん」
部屋から出ると使用人とすれ違う。そのたびに頭を下げられ、ドニもつられて頭を下げる。
「おい、客が頭を下げるな。使用人が困ってしまうぞ」
「えぇ、でもこういうの慣れてないもの」
人の子の国ですら王宮を見たことがないくらいだ。どうしたらいいのかなんてわからない。
「ロシェを見習え」
「ロシェは周りに関心がないだけじゃん」
一人覗いては、だ。
「とにかく、いつもの変態を発揮して獣人たちを見て楽しめ」
そうだった。ここには獣人しかいないのだから楽しまないでどうする。
ゾフィードの言葉にドニはありがとうと口にする。
それからはすれ違うたびにデレっとしながら獣人を眺め、ゾフィードがあるドアの前でとまる。
ドアをノックし、
「王様から成人の儀に招待するようにとのご命令を受けましてお客人をお連れ致しました」
と中へ声をかける。
「入れ」
その声は久しぶり聞くシリルの声だった。
高まる気持ちが抑えきれない。早くドアが開かないかと待ち続ける。それは数秒くらいのことなのだろうがやたらと長く感じた。
「失礼します」
ゾフィードが頭をさげ、中へと入るように促される。
目の前にシリルとファブリスの姿がある。綺麗な衣を身に着け、あの屋敷にいた二人とは見た目は違うが笑顔は同じだ。
「ドニ」
「シリル」
手を握りしめあう。
「獣人の国に招待されるなんて思わなかったよ。凄いところだね、圧倒されちゃった」
その豪華さと広さに驚き、使用人の数や騎士がいること、なによりも獣人だらけということに興奮したと話す。
つい、鼻息が荒くなってしまい、ロシェが落ち着けよとチョップを食らわせた。
「相変わらずだな、二人とも」
と笑うシリル。王都へ帰るのを嫌がっていたが、どうやら何かがあったのだろう。
「シリルは出発する前より明るくなったよね、ロシェ」
「そのようだな」
ともあれ、楽しそうにしているのは何よりだ。
「話を聞いて欲しいのだが、ロシェはどうする?」
ファブリスの方へとシリルが顔を向け、ドニもつられるように顔を向けると、ぴくりと小さく耳が動いた。
「俺は休みたい」
それは二人きりになりたいということだろうか。口元が緩み、ロシェにばれて横腹を肘で突かれた。
「わかった。ファブリス、客人のお世話はお前に任せえる。隣のゲストルームを使え」
シリルが気を利かせてふたりになれるようにと部屋を用意してくれた。良かったねとロシェに耳打ちをする。
「承知いたしました」
失礼しますと頭をさげ、ロシェと共に部屋を出て行った。
「シリル様、私も失礼いたします」
ゾフィードも退室の許可を願い、
「あぁ。ゾフィード。ゆっくり休め」
シリルがそれを許可し、はいと返事をして部屋を後にした。
ふたりきりになると、
「ふぁぁ、シリル、本当に王子様なんだねぇ。この部屋もすごく広くてきらきらしてる」
と感嘆の声を上げる。
「ずっと偽っていてすまない。あの時は話してはいけないと言われていてな」
それはシリルを守るためのことだと知り、
「そういう理由があってよかったよ」
心からそう思った。
「あぁ」
シリルも嬉しそうな表情を浮かべている。
王族は色々と大変なんだなと、そこではたっと気が付く。
「あ、ごめん。俺、いつまでもタメ口じゃだめだよね」
さすがに王族にため口ではと、だが、丁寧な言葉など生まれてこのかた使ったことなどない。
「いや、二人にはそのままでいてほしい。敬語はよそよそしくていやだから」
そうシリルが言ってくれて安堵する。絶対に慣れない言葉をつかってもぼろが出るから。
「よかった。それじゃ遠慮なく」
「あぁ。その方がいい」
いつものように話し、そして笑いあう。身分は違えど友達同士なのだから。
しばらくすると使用人がワゴンでお茶とお菓子を運んでくる。
給仕を終えて部屋を出るのを待ち、再び話を始める。
「はぁ、すごいところだね」
部屋を見渡すドニに、シリルはそうだなとうなずく。
シリルは王都では自分の部屋しか知らないといい、ゆえに豪華さに驚いたという。
「だが、父様がドニたちを招待してくださるとは思わなかった」
「俺もびっくりしてる」
まさか獣人の国の、しかも王宮にこれるとは思わなかったから。
「シリル、実はね、君がここにくるまえに王太子に会ったんだ」
「え、アドルフ兄様に?」
「うん。来てくれてありがとうって言ってくれた」
「そのことなのだが、実はな……」
王宮には古き考えを持つ者がいる。それゆえにシリルの見た目をよく思わぬものがおり、排除しようとする動きがあった。
危険な目に会わせぬために、そしてシリルを守るために彼に冷たく接し、王族が管理する屋敷へと隠したのだという。
「そうなんだ」
そんなつまらぬ理由でシリルを排除しようとする者たちに怒り、可愛いわが子を守るために辛い選択をした王たちのこああ思い胸が苦しくなる。
そして、リュンは愛されていることを知ることができてよかったと思う。
シリルがドニの手を握りしめる。それに応えるように手を握りかえした。
しばらくの間、そうしていると、シリルがそわそわと落ち着かない。なにか言いたいのに言い出せない、そんな感じだ。
何かあったのかと話してくれるのを待っていると、
「それとな、ランベールに求婚されたんだ」
照れながらそう告げられて、二人が結ばれたことに歓声を上げシリルを抱きしめた。
「シリル、おめでとう!」
「ありがとう」
シリルがもらったアクセサリーを見せてくれた。とても綺麗な石がついている。
「すごい、七色に光るんだ。綺麗だねぇ」
「そうなんだ。それにな、これは父様と母様から頂いた」
と机の上に飾ってあったものも見せてくれた。どれもこれも素晴らしくて愛されているなと感じられた。
「わ、こっちも綺麗! シリル、よかったね」
友の幸せが嬉しい。辛い思いをしていたのを知っているから余計にだ。
「あぁ。それにドニたちも来てくれた。最高に幸せだよ」
「俺も。シリルの晴れ舞台をみれるなんて嬉しい」
そうシリルが微笑んで額をくっつけた。
「むふ、シリルの可愛いお顔を近くで見れて幸せ」
幸せなシリルは綺麗で可愛い。こちらまで幸せな気持ちなれた。
だが、その時から鈍い痛みを感じるようになった。
ずっと外を眺めているが全然飽きなかった。
そして王宮へと続く門へと馬車は向かい、その立派さにまた驚いてしまった。
「ここはまだ入口だ。王宮はもっと煌びやかで豪華だ」
そうゾフィードが教えてくれた。
「そうなんだ」
楽しみだと窓から外を眺める。
そして明らかに先ほどとは違う、豪華で綺麗な門へとたどり着き、そこから王宮が見えた。
「うわぁ、すごい」
本当に煌びやかで、口を開けたまま眺めていると、ゾフィードがくつくつと笑いだす。
「ちょっと、なんで笑うの」
「間抜け面。王宮の中ではそんな顔をするなよな」
と額をはじかれた。
自然な笑顔にドニの胸が高鳴った。好意を持つ相手がそんな顔を見せるのだから。
「しないもん」
頬を膨らませてゾフィードを見れば、ツンと頬を指で突かれた。
王宮につくと沢山の人に出迎えられた。その中に立派な体格をした綺麗な毛並みの、華やかな衣装を身にまとう獣人がいた。
ゾフィードが跪き挨拶をする。
「王太子様、客人をお連れ致しました」
ぽかんと立ち尽くすふたりに、ゾフィードが頭を下げるように言う。
言われたとおりにすると、
「かまわぬ。ゾフィードも楽にするといい」
と言われ、ゾフィードが立ち上がり頭を下げた。
「私は王太子のアドルフだ。ふたりとも、シリルのために来てくれてありがとう。ひとりの兄として礼を言うよ」
そういうと優しい表情を浮かべた。
たしかシリルは家族に愛されていないと言っていた。だが、王太子はシリルのためにふたりを出迎えてくれたとそう感じた。
「ゾフィード、王太子はシリルのことが嫌いなの?」
「いや、そんなことはない。詳しいことはシリル様に聞け」
「そうだね」
もし、これが演技だとしたら大したものだ。ドニに優しい兄と思わせることができたのだから。
だが、これが本当の姿だとしたら、シリルは愛されているということだ。
そうだといいなと思いながらゾフィードの後に続く。
声の主はゾフィードのもので、ドアが開くと紺色の制服を着たゾフィードが現れる。
その凛々しくかっこいい姿にドニは目を奪われる。
「さっきまで着ていた服と違う……」
「これは正装だからな。ふたりとも、シリル様とファブリスに会いに行くぞ」
「え、本当!」
こんなにも早く会えるとは思わなかった。
ロシェの方へ顔を向ければ、口元が少しだけ緩んでいた。
「ファブリスに会えるね」
そう口にすれば、照れくささを隠すようにドニをにらみつけた。
「さぁ、行くぞ」
「うん」
部屋から出ると使用人とすれ違う。そのたびに頭を下げられ、ドニもつられて頭を下げる。
「おい、客が頭を下げるな。使用人が困ってしまうぞ」
「えぇ、でもこういうの慣れてないもの」
人の子の国ですら王宮を見たことがないくらいだ。どうしたらいいのかなんてわからない。
「ロシェを見習え」
「ロシェは周りに関心がないだけじゃん」
一人覗いては、だ。
「とにかく、いつもの変態を発揮して獣人たちを見て楽しめ」
そうだった。ここには獣人しかいないのだから楽しまないでどうする。
ゾフィードの言葉にドニはありがとうと口にする。
それからはすれ違うたびにデレっとしながら獣人を眺め、ゾフィードがあるドアの前でとまる。
ドアをノックし、
「王様から成人の儀に招待するようにとのご命令を受けましてお客人をお連れ致しました」
と中へ声をかける。
「入れ」
その声は久しぶり聞くシリルの声だった。
高まる気持ちが抑えきれない。早くドアが開かないかと待ち続ける。それは数秒くらいのことなのだろうがやたらと長く感じた。
「失礼します」
ゾフィードが頭をさげ、中へと入るように促される。
目の前にシリルとファブリスの姿がある。綺麗な衣を身に着け、あの屋敷にいた二人とは見た目は違うが笑顔は同じだ。
「ドニ」
「シリル」
手を握りしめあう。
「獣人の国に招待されるなんて思わなかったよ。凄いところだね、圧倒されちゃった」
その豪華さと広さに驚き、使用人の数や騎士がいること、なによりも獣人だらけということに興奮したと話す。
つい、鼻息が荒くなってしまい、ロシェが落ち着けよとチョップを食らわせた。
「相変わらずだな、二人とも」
と笑うシリル。王都へ帰るのを嫌がっていたが、どうやら何かがあったのだろう。
「シリルは出発する前より明るくなったよね、ロシェ」
「そのようだな」
ともあれ、楽しそうにしているのは何よりだ。
「話を聞いて欲しいのだが、ロシェはどうする?」
ファブリスの方へとシリルが顔を向け、ドニもつられるように顔を向けると、ぴくりと小さく耳が動いた。
「俺は休みたい」
それは二人きりになりたいということだろうか。口元が緩み、ロシェにばれて横腹を肘で突かれた。
「わかった。ファブリス、客人のお世話はお前に任せえる。隣のゲストルームを使え」
シリルが気を利かせてふたりになれるようにと部屋を用意してくれた。良かったねとロシェに耳打ちをする。
「承知いたしました」
失礼しますと頭をさげ、ロシェと共に部屋を出て行った。
「シリル様、私も失礼いたします」
ゾフィードも退室の許可を願い、
「あぁ。ゾフィード。ゆっくり休め」
シリルがそれを許可し、はいと返事をして部屋を後にした。
ふたりきりになると、
「ふぁぁ、シリル、本当に王子様なんだねぇ。この部屋もすごく広くてきらきらしてる」
と感嘆の声を上げる。
「ずっと偽っていてすまない。あの時は話してはいけないと言われていてな」
それはシリルを守るためのことだと知り、
「そういう理由があってよかったよ」
心からそう思った。
「あぁ」
シリルも嬉しそうな表情を浮かべている。
王族は色々と大変なんだなと、そこではたっと気が付く。
「あ、ごめん。俺、いつまでもタメ口じゃだめだよね」
さすがに王族にため口ではと、だが、丁寧な言葉など生まれてこのかた使ったことなどない。
「いや、二人にはそのままでいてほしい。敬語はよそよそしくていやだから」
そうシリルが言ってくれて安堵する。絶対に慣れない言葉をつかってもぼろが出るから。
「よかった。それじゃ遠慮なく」
「あぁ。その方がいい」
いつものように話し、そして笑いあう。身分は違えど友達同士なのだから。
しばらくすると使用人がワゴンでお茶とお菓子を運んでくる。
給仕を終えて部屋を出るのを待ち、再び話を始める。
「はぁ、すごいところだね」
部屋を見渡すドニに、シリルはそうだなとうなずく。
シリルは王都では自分の部屋しか知らないといい、ゆえに豪華さに驚いたという。
「だが、父様がドニたちを招待してくださるとは思わなかった」
「俺もびっくりしてる」
まさか獣人の国の、しかも王宮にこれるとは思わなかったから。
「シリル、実はね、君がここにくるまえに王太子に会ったんだ」
「え、アドルフ兄様に?」
「うん。来てくれてありがとうって言ってくれた」
「そのことなのだが、実はな……」
王宮には古き考えを持つ者がいる。それゆえにシリルの見た目をよく思わぬものがおり、排除しようとする動きがあった。
危険な目に会わせぬために、そしてシリルを守るために彼に冷たく接し、王族が管理する屋敷へと隠したのだという。
「そうなんだ」
そんなつまらぬ理由でシリルを排除しようとする者たちに怒り、可愛いわが子を守るために辛い選択をした王たちのこああ思い胸が苦しくなる。
そして、リュンは愛されていることを知ることができてよかったと思う。
シリルがドニの手を握りしめる。それに応えるように手を握りかえした。
しばらくの間、そうしていると、シリルがそわそわと落ち着かない。なにか言いたいのに言い出せない、そんな感じだ。
何かあったのかと話してくれるのを待っていると、
「それとな、ランベールに求婚されたんだ」
照れながらそう告げられて、二人が結ばれたことに歓声を上げシリルを抱きしめた。
「シリル、おめでとう!」
「ありがとう」
シリルがもらったアクセサリーを見せてくれた。とても綺麗な石がついている。
「すごい、七色に光るんだ。綺麗だねぇ」
「そうなんだ。それにな、これは父様と母様から頂いた」
と机の上に飾ってあったものも見せてくれた。どれもこれも素晴らしくて愛されているなと感じられた。
「わ、こっちも綺麗! シリル、よかったね」
友の幸せが嬉しい。辛い思いをしていたのを知っているから余計にだ。
「あぁ。それにドニたちも来てくれた。最高に幸せだよ」
「俺も。シリルの晴れ舞台をみれるなんて嬉しい」
そうシリルが微笑んで額をくっつけた。
「むふ、シリルの可愛いお顔を近くで見れて幸せ」
幸せなシリルは綺麗で可愛い。こちらまで幸せな気持ちなれた。
だが、その時から鈍い痛みを感じるようになった。
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