獣人ハ恋焦ガレル

希紫瑠音

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獣人ハ恋ニ落チル

お風呂で×××(2)*

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 うつむくドニに、ゾフィードが頬を両手で包み込みふにふにと動かした。慰めてくれている、それが伝わるか頬が熱くなる。

「ゾフィード」

 彼の膝の上に乗るような形で抱きつくと、お尻にふにゃっとした何かが当たった。

「ドニ、それはっ」

 焦るゾフィードにドニは首を傾げる。

「ん、なに?」

 それは毛のようなものにおおわれていて、上から下へと確認するように指を動かすとゾフィードの耳と尻尾がぴんと立ち上がった。

「あっ」

 雄の象徴。今、ドニの手の中にゾフィードのモノが握られていた。

「ドニ、よせ、もむな」

 少し強引な手を使ってでも意識をさせた方がいい。だが、本気で嫌がったら即やめろ。セドリックから言われたことだ。

 獣人は耳と尻尾が語ってくれる。言葉とは裏腹に尻尾が動いていた。

「んっ」

 なんと色っぽい声か。ぞくぞくとする。

 それに手の中にあるものに興味がある。どんな味がするのだろう。

「欲しいな」

 ぼそっと呟いた言葉にゾフィードが反応する。

「何を、考えている」
「ゾフィードの、口の中で咥えてもいい?」
「口で、だと。あぁ、そうかお前らは牙がないか」

 口を開かされ中に舌が入り込む。

「ふ!?」

 歯列をなぞられてぞくぞくと体が震えた。

「ん、人の子は牙が小さいんだな」
「犬歯って、いうんだよ」
「そう、か」

 上が終わり今度は下の歯をなぞられる。

「ゾフィード」

 それがあまりに気持ちよくて頭がぼーとする。このまま唇も触れ合いたい。顔をもっと近づければ触れる、それなのに確認をし終えたゾフィードはドニの口の中から舌を抜いてしまった。

「食いちぎられる心配はなさそうだな」
「あっ」

 キスしたいと手を伸ばすが、ゾフィードは湯船から出ると風呂の淵に腰を下ろした。

「なんだ、やらないのか?」

 まさかOKしてくれるとは思わなくて顔を二度見してしまった。

「うんん、する!」

 気が変わらぬうちにと湯船から上がりゾフィードの足の間に体をいれて下半身のモノへと触れる。

「獣人の」

 自分たちと同じ形だが、毛におおわれている。

 それを味わうようにゆるりと舐める。

「ねぇ、この状態だと感じないの?」

「いや、そんなことはない」

 ただ、むき出しの状態よりは感じない程度だそうだ。

 それならと口で咥えて吸い込めば、ゾフィードの体が跳ねた。 

「ドニ、それはダメだ」

 耳と尻尾が垂れる。

「きゃわぁっ」

 ちゅちゅと音をたてて吸い込めば、ぬるりとした感触。

 咥えていたのをとりだせば、ひょっこりとむけたものがあらわれた。

「ゾフィード、頭が出てきたよ」
「いうなっ、お前はデリカシーがないな」
「だって、可愛いんだもん」

 ぺろりとそこをなめると、ふるっと震えて中からとろりと蜜を流す。

「ん、甘い」
「そんなわけがあるかっ。お前の味覚はおかしいぞ」
「えぇ? 好きな人のは甘いんだよぉ」

 といったものの、昔、誰かが言っていたのを聞いただけで、真実かどうかは初めてだから知らない。

 だが、ゾフィードのを味わうのを楽しみにしていたドニにとって、どんな密よりも甘く心が震えるものだった。

「ゾフィードの、全部出たね」

 熱いモノがそりたち、それにドニが舌を這わす。

「ドニっ」
「きもちいいみたい」

 ぱくりと口で咥えて吸い上げる。それが気持ちよいと尻尾が揺らいでいる。

 素直で可愛いなとそれを眺めながら高みへと誘う。

「んっ」

 ドニの口の中に苦いものがはなたれ、それを飲み込んだ。

「はぁ、ごちそうさま。ゾフィードの生絞り」

 その言葉に、ゾフィードが冷たい目でこちらを見ているが気にしない。

「それじゃ、お風呂から出よっか」

 そう口にするとマテと掌が邪魔をする。

「なんで?」
「ドニも辛いだろう、それ」

 指の先、小ぶりの自分のモノがたちあがっていた。

「あ、これは、後でするから」
「いや、咥えることはできぬが舐めてやろう」

 とぺろりとドニのモノを舐めた。

「ひゃっ、ゾフィード」

 まさか自分のをなめてくれるなんて思わなかった。心臓が激しく高ぶる。好意を持っている相手にくらった不意打ちは、腰がぬけるものなのだと知った。

「ドニ、大丈夫か」

 ゾフィードが顔をのぞかせ、更に心臓が飛び出しそうになる。

「ごめん、のぼせちゃったみたい」
「ほら、ドニ」

 手を差し出すゾフィードは優しい顔をしている。

「今は立てなさそうだから先に出てて」
「そうか」

 ゾフィードがドニの体を抱き上げた。

「わぁっ」

 ダイニングルームへと向かい、ソファーへと下ろされる。

 裸のままで二人がくるものだから、ロシェが急いでバスロープを持ってきてくれて、それを体にかけてくれた。

「ドニ、どうしたんだ?」
「のぼせちゃって」
「そうか。冷たい飲み物を用意しよう」

 ファブリスが部屋を出る。

「裸でくるから驚いた」
「はは、そうだよね」
「何をしていたんだか」

 互いのモノをなめてました。なんてさすがに言えない。

 口の中に残る微かな苦みが、あれは夢ではなかったと教えてくれる。

「へへ、内緒」

 つい、口元が緩んでしまう。

「好きな人と共にはいる風呂はよいものだ。長湯をしてしまうのは仕方がないだろう」

 とファブリスがグラスをドニに手渡す。一口含むと冷たくさっぱりとした味がして美味しい。

「ゾフィードはお前と違って盛らねぇよ。なぁ、ドニ」
「ぶほっ」

 そのまさかゆえに思わず噴き出てしまった。

「うわぁ、ドニ」
「大丈夫か!?」
「よかったな服を着る前で」

 盛った相手は暢気にそんなことを口にしてドニに服を差し出した。

「着てこい」
「うん」

 残った飲み物を飲み、ファブリスに美味しかったとお礼を言ってコップを手渡して脱衣所へと向かった。
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