社員食堂で休息を

希紫瑠音

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第3話(2)

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「大丈夫ですか」
「人って、驚きすぎるとこうなっちゃうんだね」

 照れ笑いをし、旭日の頬へ手を伸ばす。

 だけど自分だけじゃない。旭日の頬も熱かった。

「夜久さん」

 愛おしそうに見つめ、そして唇が触れた。

 舌が口内へとはいりこみ、撫でていく。

 うっとりとそれを受け入れ、くちゅくちゅと水音をたて、互いの舌を絡めあう。

「ん、やくさん」

 普段はキツイ目元がたれて、ほんのりと赤く染まって色っぽい。

「は、あ」

 蕩けるようなキスに頭の中がかすみがかる。

 熱が伝わり、芯がしびれ、下半身のモノがじくじくとしはじめた。

「キスが気持ち良くてたっちゃいましたね」

 唇が離れ、ぺろりと旭日の舌が夜久の唇を舐める。

「んあ?」

 ぼっとしながら旭日を見れば、ぐりっと下にかたいモノを押し当てられて、一気に我に返る。

「へ、あ」

 視線は互いのモノへとうつり、それは興奮してパンパンに張りつめていた。

「抜きませんか、一緒に」

 大きな手が夜久の膨れた箇所へと触れ、その瞬間に身体がピンと張る。

 こんな状態で帰れるはずもなく、その言葉にこくりと頷いた。

「ここじゃ、誰がくるか解らないので更衣室へいきましょう」

 身体がふわりと浮いた。

「え、旭日君!?」

 お姫様抱っこをされている。

「ちょっと、これ、恥ずかしい」
「今のところは誰もいませんから」

 ね、と押し切られて連れて行かれる。

 夜久はあきらめてあつい胸板に頬をくっつけた。

 更衣室の中にベンチがあり、旭日が先に座り、自分はその上に座るかたちだ。

「俺の、ズボンのチャック、開けてください」
「俺が?」
「はい。お願いします」

 ドキドキとしながら手を伸ばし、チャックを下ろすと、大きなモノがぐんとたちあがっている。

 体格と同じで下半身のモノも随分と立派だ。

「なんか、狡いなぁ」

 自分は顔もここも並みだから。指で先っぽをぐりっと弄ると、ビクッと旭日が震える。

「夜久さん、だめですよ。一緒に、ね?」

 手を掴まれて、指が絡み合う。

「それじゃ、俺のもして」

 首を傾げると、旭日がカっと目を見開いた。

「あぁ、もうっ、煽らないでくださいよ」

 このまま抱きたくなりますと、真っ直ぐに見つめられて熱が上がる。

「あう、そういう意味じゃ……」
「わかってます。では、失礼します」

 とズボンのチャックに触れて下ろしていく。

 旭日の前に晒され、元気よくたちあがる。素直な反応に、恥ずかしくなる。

「イイ子ですね。俺を見て喜んでくれるなんて」

 愛おしそうに撫で、そして口づけを落とす。

「ひゃん、旭日君、俺には駄目っていったのに」
「そうでしたね。でも、嬉しいんです。反応してもらえたのが」

 それは夜久だって一緒だ。

 じわっと湧き上がる、喜びと幸福に、気持ちが高ぶり我慢できなくなる。

「しよう、旭日君」」
「はい」

 キスをし、互いのモノを擦り合わせる。

「んっ、あぁっ」

 擦れ合うたびにぬちぬちと音を立て、熱くかたいモノは先からじわりと蜜をたらす。

「あさひくん」
 
 とろけた顔で夜久を見る旭日に、首へと腕を回してしがみ付く。

「やくさん」
 
 高みにのぼりつめ、共に放ちあう。
 ほう、といきを吐いて身体を離した。

「はぁ、気持ちよかったですね」
「うん」

 互いのモノは放った蜜で濡れている。旭日がカバンの中からウェットティッシュを取り出して拭いてくれる。

「あ、まって、自分で」
「やらせてください」

 そこまでさせるのは流石に申し訳ないというか、恥ずかしい。

 綺麗に後始末をしてごみをポリ袋へといれた。

「ごめんね、全部やらせてしまって」
「いいんです。可愛い夜久さんを見れたんで」

 その言葉も、旭日に言われると嬉しさしかない。

「うん」

 照れて俯く夜久を旭日が抱きしめる。

「ねぇ、夜久さん。金曜日にウチで飯を食いませんか?」

 泊まっていってほしいと頬を撫でる。

「美味しいご飯、食べさせてくれる?」
「腕によりをかけて」

 旭日の背中に手を伸ばし、暫くの間、二人は抱きしめあった。
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