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貴方と共に
參
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目を覚まし、喉の渇きを感じて傍に置いてあった水を飲む。
薬のお陰か体の痛みは感じない。
まるでなにもなかったかの様な錯覚すらしてしまいそうになる。
だが、妖魔の触手に犯されたのは事実。それが大我を現実へと引き戻して、身体は嫌悪感を抱きつつも疼きだす始末だ。
「あ、あの、俺、家に帰ります」
土佐にはばれたくない。治療をしたと言うのに、この浅ましいさを知られたくなかった。
一生、彼の目に触れぬよう、隠れてしまいたい。
大我は布団から抜け出し、着替えようと当たりを見わたすが何もない。
「大我」
「土佐様、俺の着替えを」
「駄目、帰らせない」
布団の上へと組み敷かれて、夜着が乱れて素肌が露わになる。
「俺は、あんなモノに身体を弄られて、欲情して、何度も達したんですよ!」
自分はこんな男なんだと、土佐をまっすぐに見つめるが、それが何だと言わんばかりに口づけをされた。
激しく抵抗して口づけをやめさせようとしたが、歯列を撫でられ舌が絡みつきあう。
「ん、ふぁ」
一瞬、その口づけに溺れそうになったが、ぎりぎりのところでそれを拒否するが、土佐は大我を逃がしてはくれなかった。
「やめない。私は大我と共に乗り越えたい」
真っ直ぐと見つめる彼の表情にはかたい意思を感じる。
「共に乗り越える?」
「そうだ。その出来事を、そう簡単に忘れる事なんてできないだろう。だから、私と共に歩む幸せで上書きをしていきたいんだ」
目を見開いたまま土佐を見つめる。
うるさいくらいにドキドキと心臓が高鳴なっている。
逃げる事しか考えていなかった大我を、土佐はその優しさで救ってくれようとしているのだ。
「土佐様……」
なんて自分は幸せ者なのだろう。我慢しきれず涙が流れ落ち、土佐の顔が歪む。
「大我、私と共に乗り越えてくれるね?」
と涙を指ですくい、額をくっつける。
「はい、土佐様」
ありがとうございます。
そう続く筈の言葉は、土佐の口づけに塞がれてしまう。
「大我、もう、私を拒否したりしないでね」
そう微笑む土佐に、大我は笑顔を向けて腕を絡めた。
それが合図とばかりにマラへと土佐の指が触れる。
体をツンと突きぬける様な感覚。
だが、頭をよぎるのは触手から受けた屈辱的な快楽で、幸せだった気持ちが一気に冷めていく。
土佐の想いを知り、愛おしいと想えるのにだ。
「嫌ッ」
真っ青になって歯をガチガチと鳴らして、その土佐の手を払おうとする。だが、彼の手は離れずに、さらに快楽を与えるように動いて。
「嫌かもしれないけれど、私の熱を、想いを、その身で感じて欲しい」
両手で包み込み、それを揉む様に動かし始める。
「ふあッ! あぁぁ……ッ」
ビクッと飛び跳ねるように揺れる腰。
ひくひくと感じて震えて蜜が流れ落ち、卑猥な音と共に土佐の手の中で喜び始める。
「ん、あぁん、とさ、さま」
彼の想いを感じ、強張っていた身体と心がほぐれてて、深い深い快楽の渦の中へと落ちていく。
「大我、私の愛しい大我……」
優しい言葉で蕩かされて。大我は彼の手の中で絶頂を迎えて欲を放つ。
「土佐様」
安堵するように手についた白濁を見つめ、そしてその手が後ろを弄りだす。
「ここで私を受け入れて欲しい」
「はい、土佐様。一つになりたいです」
手を握りしめて指を絡めあい、見つめ合って微笑む。
「うん、一つになって共にイこう」
これから何があっても共に乗り越えていく。
けしてこの手を離さない。
その気持ちと共に、土佐と大我は一つに繋がりあった。
薬のお陰か体の痛みは感じない。
まるでなにもなかったかの様な錯覚すらしてしまいそうになる。
だが、妖魔の触手に犯されたのは事実。それが大我を現実へと引き戻して、身体は嫌悪感を抱きつつも疼きだす始末だ。
「あ、あの、俺、家に帰ります」
土佐にはばれたくない。治療をしたと言うのに、この浅ましいさを知られたくなかった。
一生、彼の目に触れぬよう、隠れてしまいたい。
大我は布団から抜け出し、着替えようと当たりを見わたすが何もない。
「大我」
「土佐様、俺の着替えを」
「駄目、帰らせない」
布団の上へと組み敷かれて、夜着が乱れて素肌が露わになる。
「俺は、あんなモノに身体を弄られて、欲情して、何度も達したんですよ!」
自分はこんな男なんだと、土佐をまっすぐに見つめるが、それが何だと言わんばかりに口づけをされた。
激しく抵抗して口づけをやめさせようとしたが、歯列を撫でられ舌が絡みつきあう。
「ん、ふぁ」
一瞬、その口づけに溺れそうになったが、ぎりぎりのところでそれを拒否するが、土佐は大我を逃がしてはくれなかった。
「やめない。私は大我と共に乗り越えたい」
真っ直ぐと見つめる彼の表情にはかたい意思を感じる。
「共に乗り越える?」
「そうだ。その出来事を、そう簡単に忘れる事なんてできないだろう。だから、私と共に歩む幸せで上書きをしていきたいんだ」
目を見開いたまま土佐を見つめる。
うるさいくらいにドキドキと心臓が高鳴なっている。
逃げる事しか考えていなかった大我を、土佐はその優しさで救ってくれようとしているのだ。
「土佐様……」
なんて自分は幸せ者なのだろう。我慢しきれず涙が流れ落ち、土佐の顔が歪む。
「大我、私と共に乗り越えてくれるね?」
と涙を指ですくい、額をくっつける。
「はい、土佐様」
ありがとうございます。
そう続く筈の言葉は、土佐の口づけに塞がれてしまう。
「大我、もう、私を拒否したりしないでね」
そう微笑む土佐に、大我は笑顔を向けて腕を絡めた。
それが合図とばかりにマラへと土佐の指が触れる。
体をツンと突きぬける様な感覚。
だが、頭をよぎるのは触手から受けた屈辱的な快楽で、幸せだった気持ちが一気に冷めていく。
土佐の想いを知り、愛おしいと想えるのにだ。
「嫌ッ」
真っ青になって歯をガチガチと鳴らして、その土佐の手を払おうとする。だが、彼の手は離れずに、さらに快楽を与えるように動いて。
「嫌かもしれないけれど、私の熱を、想いを、その身で感じて欲しい」
両手で包み込み、それを揉む様に動かし始める。
「ふあッ! あぁぁ……ッ」
ビクッと飛び跳ねるように揺れる腰。
ひくひくと感じて震えて蜜が流れ落ち、卑猥な音と共に土佐の手の中で喜び始める。
「ん、あぁん、とさ、さま」
彼の想いを感じ、強張っていた身体と心がほぐれてて、深い深い快楽の渦の中へと落ちていく。
「大我、私の愛しい大我……」
優しい言葉で蕩かされて。大我は彼の手の中で絶頂を迎えて欲を放つ。
「土佐様」
安堵するように手についた白濁を見つめ、そしてその手が後ろを弄りだす。
「ここで私を受け入れて欲しい」
「はい、土佐様。一つになりたいです」
手を握りしめて指を絡めあい、見つめ合って微笑む。
「うん、一つになって共にイこう」
これから何があっても共に乗り越えていく。
けしてこの手を離さない。
その気持ちと共に、土佐と大我は一つに繋がりあった。
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