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飼い犬に噛まれる
【3】
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ユーエンは貪欲だ。
どれだけの欲を放っても、まだ後ろを攻め続ける。
そしてリキョウも、もうやめろと言いながらも、すぐに欲をためて放つ。
すっかりユーエンのかたちを覚えた後ろは、奥の奥を刺激されて喜びに打ち震えている。
すっかりと力のはいらない足は、開きっぱなしで、たちあがったモノからがとまることなく蜜が流れ落ちる。
「ひっ、ユーエンッ」
何度もしゃぶられて、時に噛まれて。
孔に太い指を入れられて、じくじくと痛みを感じるようになって。
でも、それでも、ユーエンに触ってほしいと、主張し続ける。
淫らな姿。
ユーエンが相手でなければ絶対に見せたいと思わなかっただろう。
そんなリキョウの姿に、興奮したユーエンは腰を激しく揺さぶって。
もう何度目か。放ったものを後ろで受け止め、自分も欲を放つ。
朦朧とする意識の中、ユーエンが幸せそうな顔をしながらリキョウの髪を撫でる。
もう、元の関係には戻れない。
そんな事をぼんやりと思いながらリキョウはその大きな手に触れた。
奴隷市での競売で彼の鋭い眼光に打ち抜かれた。
あの時からリキョウは心を奪われていた。
調教をするたびに、あの目で見られて身体が何度熱くなったことか。
彼は一番手こずった。だが、日が立つごとにぎらついた目は失われ、それがすこし寂しく思っていた。
「お前は、何故、私と戦わなくなった?」
逞しく鍛え上げられた体を撫でる。
「初めは屈辱でしかありませんでした。ですが、惹かれてしまったのです、貴方に」
戦っているうちに何かが芽生えたか、なんにせよリキョウと同じ、特別な想いを持ってしまったのだろう。
「そうか」
敗戦国の戦士の行く末は悲惨なだけだ。
奴隷制度の残る国は多い。敗戦国の戦士に待つのは闘技場で戦って生きていくか、肉体労働をさせられて人として見てもらえぬようになる。
自分の調教した犬たちには不幸にはなってほしくない。
「なぁ、お前は私の傍に居て幸せか?」
「はい。俺は売りに出されたら、貴方の評判に傷がつくことになっても、何度でも牙をむくかと思います」
売れ残るために、そう言っているのだ。
「評判など、どうにでもなる。この美貌はそのためにあるのだからな」
そう髪を掻き揚げる。
「お願いします。俺を、主の飼い犬にしてください」
肩肘をつき胸に拳を当てて腰を折る。それはこの国の騎士が王に忠誠を誓うときにみせるものに似ている。
「お前の国ではそうやって忠誠を誓うのか?」
「そうです。忠誠を受け取ってくださるのであれば、人差し指と中指で軽く俺の額に触れてください」
頭を下げて触れるのを待つ。リキョウは言われたとおりに二本の指で額に触れた。
すると顔をあげて目と目を合わせる。
「生のある限り、貴方様にお仕え致します」
胸を拳で二回叩き、そして深く頭を下げた。
「お前の為に首輪を用意しなければな」
「はい」
穏やかな目だ。ユーエンがこのような表情を見せるのは初めてかもしれない。
「本当はこういう男なんだな」
そう呟いた声はハッキリと聞こえなかったか、ユーエンは不思議そうな表情を浮かべている。
「なんでもない。さてと本当に私のモノになったのだから、もう少し可愛がってやらねばな」
とユーエンの肩を押し、そのまま跨った。
「はい、主」
嬉しそうだ。今、幻の耳と尻尾が見えた。
「まったく。明日は定休だな」
胸に食らいつくユーエンを抱きしめて、リキョウは口元に笑みを浮かべた。
その後。以前の店はたたみ、隣街に新居を構えることにした。そこには仮面をつけた大柄な番犬が主を守るように寄り添うように立つようになったそうだ。
どれだけの欲を放っても、まだ後ろを攻め続ける。
そしてリキョウも、もうやめろと言いながらも、すぐに欲をためて放つ。
すっかりユーエンのかたちを覚えた後ろは、奥の奥を刺激されて喜びに打ち震えている。
すっかりと力のはいらない足は、開きっぱなしで、たちあがったモノからがとまることなく蜜が流れ落ちる。
「ひっ、ユーエンッ」
何度もしゃぶられて、時に噛まれて。
孔に太い指を入れられて、じくじくと痛みを感じるようになって。
でも、それでも、ユーエンに触ってほしいと、主張し続ける。
淫らな姿。
ユーエンが相手でなければ絶対に見せたいと思わなかっただろう。
そんなリキョウの姿に、興奮したユーエンは腰を激しく揺さぶって。
もう何度目か。放ったものを後ろで受け止め、自分も欲を放つ。
朦朧とする意識の中、ユーエンが幸せそうな顔をしながらリキョウの髪を撫でる。
もう、元の関係には戻れない。
そんな事をぼんやりと思いながらリキョウはその大きな手に触れた。
奴隷市での競売で彼の鋭い眼光に打ち抜かれた。
あの時からリキョウは心を奪われていた。
調教をするたびに、あの目で見られて身体が何度熱くなったことか。
彼は一番手こずった。だが、日が立つごとにぎらついた目は失われ、それがすこし寂しく思っていた。
「お前は、何故、私と戦わなくなった?」
逞しく鍛え上げられた体を撫でる。
「初めは屈辱でしかありませんでした。ですが、惹かれてしまったのです、貴方に」
戦っているうちに何かが芽生えたか、なんにせよリキョウと同じ、特別な想いを持ってしまったのだろう。
「そうか」
敗戦国の戦士の行く末は悲惨なだけだ。
奴隷制度の残る国は多い。敗戦国の戦士に待つのは闘技場で戦って生きていくか、肉体労働をさせられて人として見てもらえぬようになる。
自分の調教した犬たちには不幸にはなってほしくない。
「なぁ、お前は私の傍に居て幸せか?」
「はい。俺は売りに出されたら、貴方の評判に傷がつくことになっても、何度でも牙をむくかと思います」
売れ残るために、そう言っているのだ。
「評判など、どうにでもなる。この美貌はそのためにあるのだからな」
そう髪を掻き揚げる。
「お願いします。俺を、主の飼い犬にしてください」
肩肘をつき胸に拳を当てて腰を折る。それはこの国の騎士が王に忠誠を誓うときにみせるものに似ている。
「お前の国ではそうやって忠誠を誓うのか?」
「そうです。忠誠を受け取ってくださるのであれば、人差し指と中指で軽く俺の額に触れてください」
頭を下げて触れるのを待つ。リキョウは言われたとおりに二本の指で額に触れた。
すると顔をあげて目と目を合わせる。
「生のある限り、貴方様にお仕え致します」
胸を拳で二回叩き、そして深く頭を下げた。
「お前の為に首輪を用意しなければな」
「はい」
穏やかな目だ。ユーエンがこのような表情を見せるのは初めてかもしれない。
「本当はこういう男なんだな」
そう呟いた声はハッキリと聞こえなかったか、ユーエンは不思議そうな表情を浮かべている。
「なんでもない。さてと本当に私のモノになったのだから、もう少し可愛がってやらねばな」
とユーエンの肩を押し、そのまま跨った。
「はい、主」
嬉しそうだ。今、幻の耳と尻尾が見えた。
「まったく。明日は定休だな」
胸に食らいつくユーエンを抱きしめて、リキョウは口元に笑みを浮かべた。
その後。以前の店はたたみ、隣街に新居を構えることにした。そこには仮面をつけた大柄な番犬が主を守るように寄り添うように立つようになったそうだ。
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