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結ばれる(1)
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利久と付き合うことになったが一つ問題がある。
きっと自分は受け入れる側になるだろう。男同士でするときは後ろの使うのは知っているが、あそこに何かを入れるとか怖くて想像すらしたくない。
だが実際にしている人たちがいるわけで、どういう気持ちなのかを知りたかった。
「ねぇ、駿ちゃん」
「はい?」
今日は郷田も店に来ていて、そろそろ店も終わりという時間。
あまり客がいないときがいいだろうと待っていたのだ。
「受ける側の人ってどうなの?」
「え?」
目を瞬かせて河北を見て、洗い物の皿を何枚か拭いた後、もう一度「え?」とこちらを見る。
河北もその反応に「え?」となりながら沖を見た。
「駿也さん、河北さんは受ける側がする準備のことを聞いているんですよ」
真面目な顔で二人の話しに割って入る郷田に、沖が珍しく声を荒げた。
「わかってるよっ。でもいきなりそんな話しになるから」
「あ……お付き合いすることになったんだ」
「はー、もう、そういう大切な話しは一番にしてください」
昨日のことがあったから気になっていたのだと沖が言う。
「そうだよね、ご心配おかけしまして」
「いいんです。ふたりが恋人同士になって嬉しいですけど、利久君も一緒に報告したがるんじゃ」
そう、利久は店の人たちに報告をしたがっていた。告白をした時から温かく見守ってくれたからだ。
だが今日は沖に聞きたいことがあったので利久に店に来るなと言っておいた。こういう話しだと知ったら暴走しかねないからだ。
「利久君には聞かせたくないんだよ。意外とマテができないんだよ。だから知っておいた方がイイかなって」
「なるほど、そうですよね」
「入れる側ならわかるんだけどさ。ふたりの時はどうだったの?」
郷田もマテができなそうな気がして聞いてみたのだが、意外な答えが返ってきた。
「俺の時は駿也さんが口でしてくれました」
「ちょ、一太君!」
沖の顔が真っ赤に染まる。我慢ができなかったのはどうやら彼の方らしい。
「へぇ、駿ちゃんやるねぇ」
「あれは……下心があって付け込んでしまったんです」
好きで好きでたまらない。沖はそんな顔をして郷田を見ていた。
「はぁ。ふたりを見ているとぼかぁ幸せになってくるよ」
「これからは俺たちが河北さんと利久君を見て幸せになる番です」
「くぅっ、駿ちゃんたら、なんていい子なの」
「はい。同感です」
郷田もそうだ。沖が好きでたまらない。だから普段は鋭い目つきをしていても優しい眼差しとなる。
「はじめは怖いかもしれませんが、つなぎあった時、すごく幸せだなって感じるんです」
「愛しい人とひとつになれるのですからね」
好きな人と一つになって幸せを感じる、そんな気持ちを河北も味わいたい。利久と一緒に。
急に今すぐ会いたくなって河北は立ち上がった。
「もっと聞きたいところだけど帰るね」
きっと沖と郷田も二人きりになりたいだろう。互いに互いの気持ちに気が付き口元に笑みを浮かべた。
「また何かありましたら相談してくださいね」
「うん。その時はお願いね」
店を出てスマートフォンを取り出すと利久へと電話を入れる。
『河北さん』
利久の弾む声に、河北の気持ちが高ぶっていく。
「ねぇ、今から会えないかな」
『はい、今すぐ行きます!』
利久にとって河北からの誘いに対する選択肢は一つしかないのか。即答し通話が切れた。
すぐにスマートフォンのライトの明かりが見えて利久が息を切らしながら傍に来る。
「走っていたの?」
「はい。河北さんのお誘いですから」
まるでワンコのようにご主人様にまっしぐらだ。そんなところが愛おしく、胸がきゅんと音を立てた。
「利久君って本当に可愛いね」
「河北さんにだけですよ?」
頭を肩のあたりに押し付けて、愛してますとささやく。
「うん。僕もだよ」
そう髪にキスをし、
「ホテルに行こうか」
と誘った。
※※※
同性利用可なホテルだと利久が連れて行ってくれたのは普通のホテルと変わりない。
「もっとギラギラしているんだと思ったよ」
「スケスケのお風呂とか、照明が派手とかですかね」
利用したことがないのでイメージでしかないが、そういうものだと思っていた。
それにすることはひとつなのだからどんな場所でもかまわない。
ベッドに腰をおろすと利久も隣に腰を下ろして河北の手を取った。
「河北さんに誘ってもらえるとは思わなくて夢のようです」
河北だってそうだ。利久よりもマテができないのは自分の方だった。
「僕だって男だもの」
「ひとりでお店に行った理由もあるのでしょうか」
ふたりに当てられたのは確か。そして利久と幸せを味わいたいと思ったからだ。
「うん。受ける側のことを聞きに」
「そうだったんですね」
「そうしたらね、利久君とつながりあいたくなっちゃったの」
そっと手を伸ばして利久の唇へと触れると利久がその手を掴み舌を這わせた。
「利久君」
いやらしく指を犯し始め、河北は切なく息を吐く。
「指じゃなくて、唇がいい」
「もちろん頂きますよ。それ以外も、ね」
舌が指から掌へそして手首を伝い、目が河北を射貫く。
「いいよ。どこもかしこも利久君のものだから」
「河北さん、どれだけ俺を煽るんですか」
たまらないですと額がくっつき、唇が触れた。
きっと自分は受け入れる側になるだろう。男同士でするときは後ろの使うのは知っているが、あそこに何かを入れるとか怖くて想像すらしたくない。
だが実際にしている人たちがいるわけで、どういう気持ちなのかを知りたかった。
「ねぇ、駿ちゃん」
「はい?」
今日は郷田も店に来ていて、そろそろ店も終わりという時間。
あまり客がいないときがいいだろうと待っていたのだ。
「受ける側の人ってどうなの?」
「え?」
目を瞬かせて河北を見て、洗い物の皿を何枚か拭いた後、もう一度「え?」とこちらを見る。
河北もその反応に「え?」となりながら沖を見た。
「駿也さん、河北さんは受ける側がする準備のことを聞いているんですよ」
真面目な顔で二人の話しに割って入る郷田に、沖が珍しく声を荒げた。
「わかってるよっ。でもいきなりそんな話しになるから」
「あ……お付き合いすることになったんだ」
「はー、もう、そういう大切な話しは一番にしてください」
昨日のことがあったから気になっていたのだと沖が言う。
「そうだよね、ご心配おかけしまして」
「いいんです。ふたりが恋人同士になって嬉しいですけど、利久君も一緒に報告したがるんじゃ」
そう、利久は店の人たちに報告をしたがっていた。告白をした時から温かく見守ってくれたからだ。
だが今日は沖に聞きたいことがあったので利久に店に来るなと言っておいた。こういう話しだと知ったら暴走しかねないからだ。
「利久君には聞かせたくないんだよ。意外とマテができないんだよ。だから知っておいた方がイイかなって」
「なるほど、そうですよね」
「入れる側ならわかるんだけどさ。ふたりの時はどうだったの?」
郷田もマテができなそうな気がして聞いてみたのだが、意外な答えが返ってきた。
「俺の時は駿也さんが口でしてくれました」
「ちょ、一太君!」
沖の顔が真っ赤に染まる。我慢ができなかったのはどうやら彼の方らしい。
「へぇ、駿ちゃんやるねぇ」
「あれは……下心があって付け込んでしまったんです」
好きで好きでたまらない。沖はそんな顔をして郷田を見ていた。
「はぁ。ふたりを見ているとぼかぁ幸せになってくるよ」
「これからは俺たちが河北さんと利久君を見て幸せになる番です」
「くぅっ、駿ちゃんたら、なんていい子なの」
「はい。同感です」
郷田もそうだ。沖が好きでたまらない。だから普段は鋭い目つきをしていても優しい眼差しとなる。
「はじめは怖いかもしれませんが、つなぎあった時、すごく幸せだなって感じるんです」
「愛しい人とひとつになれるのですからね」
好きな人と一つになって幸せを感じる、そんな気持ちを河北も味わいたい。利久と一緒に。
急に今すぐ会いたくなって河北は立ち上がった。
「もっと聞きたいところだけど帰るね」
きっと沖と郷田も二人きりになりたいだろう。互いに互いの気持ちに気が付き口元に笑みを浮かべた。
「また何かありましたら相談してくださいね」
「うん。その時はお願いね」
店を出てスマートフォンを取り出すと利久へと電話を入れる。
『河北さん』
利久の弾む声に、河北の気持ちが高ぶっていく。
「ねぇ、今から会えないかな」
『はい、今すぐ行きます!』
利久にとって河北からの誘いに対する選択肢は一つしかないのか。即答し通話が切れた。
すぐにスマートフォンのライトの明かりが見えて利久が息を切らしながら傍に来る。
「走っていたの?」
「はい。河北さんのお誘いですから」
まるでワンコのようにご主人様にまっしぐらだ。そんなところが愛おしく、胸がきゅんと音を立てた。
「利久君って本当に可愛いね」
「河北さんにだけですよ?」
頭を肩のあたりに押し付けて、愛してますとささやく。
「うん。僕もだよ」
そう髪にキスをし、
「ホテルに行こうか」
と誘った。
※※※
同性利用可なホテルだと利久が連れて行ってくれたのは普通のホテルと変わりない。
「もっとギラギラしているんだと思ったよ」
「スケスケのお風呂とか、照明が派手とかですかね」
利用したことがないのでイメージでしかないが、そういうものだと思っていた。
それにすることはひとつなのだからどんな場所でもかまわない。
ベッドに腰をおろすと利久も隣に腰を下ろして河北の手を取った。
「河北さんに誘ってもらえるとは思わなくて夢のようです」
河北だってそうだ。利久よりもマテができないのは自分の方だった。
「僕だって男だもの」
「ひとりでお店に行った理由もあるのでしょうか」
ふたりに当てられたのは確か。そして利久と幸せを味わいたいと思ったからだ。
「うん。受ける側のことを聞きに」
「そうだったんですね」
「そうしたらね、利久君とつながりあいたくなっちゃったの」
そっと手を伸ばして利久の唇へと触れると利久がその手を掴み舌を這わせた。
「利久君」
いやらしく指を犯し始め、河北は切なく息を吐く。
「指じゃなくて、唇がいい」
「もちろん頂きますよ。それ以外も、ね」
舌が指から掌へそして手首を伝い、目が河北を射貫く。
「いいよ。どこもかしこも利久君のものだから」
「河北さん、どれだけ俺を煽るんですか」
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