［1分読書］ 高校生 家を買う そして同棲する・・・

陽華の受難

第8話 みんな家族に・・・（8）

息子の直勝の遺骨をもっての帰国。
悲しいけど、仕方ない。

「こんなに贅沢な帰国の飛行機。
　私はエコノミーで大丈夫なのに・・・」
「僕だって、行きはプレミアムエコノミーで来たよ。
　けど、帰りはビジネスの方が良いと思ったんだ」

「私の為に？」
「半分はね。
　家族３人で帰るんだから、スペースに余裕がある方が良いと思ったんだ」
「本当にありがとう」

ビジネスって、全然違う。
設備もすごい。
フルフラットになるし、遺骨を置けるようなスペースもある。
けど、お金もすごく高い。

この人。
本当に私の為に・・・。

ずっと寄り添ってくれている。
星華やめぐみからも、帰国まで存分に甘えてねって。

優しいよね。
みんな。

子供が先に死んじゃうなんて・・・。
もう、私には子供が産めない。
運が悪かったんだと思う。
けど、周りの人に助けられた。
最大限、頑張ったのだから・・・。

息子が先に死んじゃって孤独になったと思っていたけど・・・。
悪い人生じゃないよね。

最初の旦那には浮気されて、借金されて絶望だったけど。
今は幸せだと思う。

もちろん。息子が亡くなっているから、全てがうまくいっている訳ではないけど・・・。

私も、少しづつ、元気を取り戻さないと・・・。
そういえば、直勝も・・・。

母さん。
迷惑かけてごめん。
もし、俺が死んだら、それは運命なんだよ。
気にしないでよ。
その時は、信繁さんに存分に甘えなよ。
あの人は、本当に良い人だと思うから・・・。
血のつながりはないけど、最高の父さんだと思うよ。