［1分読書］ 高校生 家を買う そして同棲する・・・

４．６章 田中めぐみ

第3話 こどもの認知・・・

あたしに子供が１０月に生まれた。
かわいい男の子だった。

名前は『信繁』。
あたしには、それしか思いつかなかった。

あたしの幼馴染の名前。
あたしが好きな男の名前。
あたしが裏切ってしまった男の名前。


両親は必至に止めた。
その名前に・・・。

だけど、あたしには、これしか・・・。
名前は『信繁』になった。


晴彦は、認知を嫌がった。
最低の男だった。
仕方ない。
そういう男だったんだから。

でも、なんでこんな男としてしまったんだろう？
ストレスがあったとしても・・・。
信繁と一緒にいた時にセックスしたいと思ってしまったから？
けど、もう、セックスは二度としたくない。
こんな想いをするぐらいなら・・・。


あたしの両親は、晴彦が認知しない事に納得しなかった。
そして、１１月に家庭裁判所で認知を求める訴えを起こした。

認知調停というものをするらしい。
毎月裁判所で話し合うも、全然、まとまらない。
調停もうまくいかない。
晴彦側は、全く認知する気はないのだ。

晴彦自身は、高校２年生ながら翌年のドラフト候補と言われていた。
高校を辞めたあと、プロ野球を目指していた。
そして、翌年から独立リーグに行く事を決めた。

・・・翌年５月。（信繁・星華が大学１年生の年）


全然、認知の件がまとまらない。
仕方ない。
あたしの両親は、強制認知という手段に出る事にした。

弁護士の先生にお願いする。

ここから半年から１年の時間がかかるらしい。

こんなに揉めるとは・・・。

・・・１２月。（信繁・星華が大学１年生の年）

７か月後、白黒はっきりさせる為のDNA鑑定が行われる事が決まる。

DNA鑑定の結果、晴彦が父親という事が確定した。
生物学的にも法律上も父親が確定した。

時間もお金もかかったが、あたしにとって良かったんだと思う。

養育費の請求。
ここまで拗れた関係だ。

あたしの両親は、『最大限の戦う』と・・・。

晴彦はこの年の独立リーグで活躍していた。
こんな事に使う時間が惜しい。
また、晴彦の家はお金持ちだった。

晴彦もこれ以上の揉め事を望まなかった。
ある程度のお金がもらえた。
一括で・・・。

最低の相手だったが、子供の為にはお金を出した。
それできっぱり晴彦との関係は完全に終わった。

なんか、晴れ晴れとした気持ちになった。
私が信繁を育てるという決意とともに・・・。