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第4章 高校3年生

第68話 夏の甲子園

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夏、僕たちの高校の野球部は、春夏連続で甲子園出場を決めた。
松永が活躍したらしい。

別に活躍しなくても良いのに・・・。

「野球部が甲子園出場を決めたね。応援に行く?」
「経験の為に行きたい気もするけど、受験だしね。
 この夏は勉強を頑張るつもりだし・・・。
 春の甲子園も良かったと思うけど、夏も一回ぐらい行きたい気もするんだよね」

「そうだよね。あと、松永が活躍すると、嫌なんだよね」
「そう?最近は気にならなくなったよ。
 もう、空気のように思ってる。
 会わないし・・・」

「僕は、あいつに勝てるのが勉強だけだから、少し劣等感が・・・」
「信長の方が魅力的だから、気にしない方が良いよ」

「ありがとう。いつも桜美に救われているよ」

甲子園の決勝まで進んだので、僕たちは、応援に行った。
デートと思って、気分転換に・・・。

『かちわり氷』

春の甲子園の時には良さが解らなかったけど・・・。
夏の甲子園では、冷たくて良かった。

ただの氷水なのに・・・。

雰囲気だけかもしれないけど・・・。

この夏の甲子園。
スポーツ新聞を見ていると松永の文字が多かった。

凄く活躍している。
ドラフト1位確実みたい。

なんで、あんな奴が・・・。

けど、甲子園のマウンドを見ていると、かっこいい。
それだけは解った気がした。
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