［完結：1話 1分読書］幼馴染を勇者に寝取られた不遇職の躍進

第9章

第27話 エリス・・・ 前編

エリスは、何度も苦しんでいた。
凌辱された身体。

何度も自殺を図った。
けど、アンジュやユキムラに止められて・・・。

「ソフィア、エレシュキガル、何か良い方法はない？」
「難しいぞ。
　誰も過去を変える事はできない」

「そうですね。過去を忘れれば・・・。
　けど、それは自分であって、自分でなくなってしまう。
　そんな状態にするのもダメだし・・・」
「過去を忘れる事はできるの？」

「それも難しいよ」
「それも難しいぞ」

二人が同時に・・・。

どうすれば・・・。

・・・

「ユキムラ、死にたい」
「エリスが死んだら、僕はどうしたら良いの？」

「そう言われると・・・。
　けど、寝る時、いつもあの光景が・・・」
「自分では何ともできなかった事を言っても・・・。
　未来に向けて考えたいと思うけど・・・」

「けど、私の身体は汚れている。
　ユキムラに捧げるはずだったのに・・・。
　あんな奴に奪われてしまった・・・。
　もう、死にたい・・・」
「エリスが悪いんじゃない。
　エドワードが悪いだけ。
　エリスはその被害者だ。
　エドワードは捕らえられ罰を受けている。
　今度はエリスが幸せになれば・・・」

「過去の光景が今でも・・・。
　全然、忘れられないの」
「そうかもしれないけど・・・。
　僕にはエリスが必要だ。
　どうしても嫌だったら、どうするの？」

「だから死ぬって・・・」
「僕と一緒にいて欲しい。
　それはダメなの？」