［完結：1話 1分読書］ 幼馴染に裏切られた最弱職業冒険者がセフレとともに頂点をとる

第３章 貴族離脱時代

第105話 トルーマン侯爵愚息の裁判 前編

トルーマン侯爵の息子であるセオドア・トルーマンの裁判が行われた。

この領土では、裁判は、公開されている。
特に貴族たちの裁判は、劇場みたいなものだ。
領民たちの娯楽になっている。

今回の裁判は、侯爵のご令息だから、注目度が高い。
別世界の日本という社会とは異なり、弁護人という制度はない。

「セオドア・トルーマン被告。
　今から裁判を行う。
　この場で嘘述べるたり、黙秘をするとその分、罪が重くなるので注意するように」
「はい」

「貴殿は、アイリという女性を騙して奴隷にしたという報告がある。
　それに相違ないか？」
「はい」

『アイリ様に対して・・・』
『聖女様に・・・』
・・・

『ご静粛に。裁判の妨害をしないように』
すぐにヤジが治まる。

「他には、同様の手口で犯罪をした事はないか？」
「はい」

「裁判長。意義あり」
「そこの者、証拠はあるのか？」

「はい」
エリザベス男爵は、証拠資料を提出する。

「被告人。他にも２名、同様の手口でしていると報告がある。
　どうなんだ？」
「やってない」

「この証拠に対し、一度調査を行う。
　嘘が判明した時には、被告人・告発人に対し、裁判妨害の罪に問われる。
　いいな」
「はい」
エリザベス男爵は答える。

「被告人。返事はどうした？」
「すまなかった。
　俺が嘘を・・・。
　全て認める」
セオドアが罪を認めた。