［1分読書］あたしの実弟の実兄が好きなんだけど・・・血のつながりはありません

プロ入り２年目

第81話 配置転換拒否 中編

『移籍』

このコメントにニュースなどが騒めいた。

そして、フロントやファンも・・・。

獲得したいという球団もあるのでは・・・。
そんな報道も・・・。

もともと、俺は球団と仲が良い訳ではない。

また、俺は監督に呼び出された。

その場には、監督。そしてフロントの方も・・・。

「田中。抑えは嫌か？」
「はい。前にもお伝えした通りです」
「そうか・・・」

沈黙が続く。

つまらない時間。
トレードに出すなりすればいいじゃないか。

俺は先発しかする気はない。
実力で負けて他の役割に代わるなら良いけど・・・。

「フロントとしては、先発にこだわりはありません。
　しかし、田中選手の希望は、先発投手と伺っています。
　勝ち投手になるのが、先発投手に求められる部分だと思います。
　どのように思いますか？」
「そうですね。
　勝ち投手になるのは重要だと思っています。
　しかし、勝ち投手になるには俺の力だけではできません。
　昨年度も最優秀防御率を取っています。
　援護率が低い。
　これを改善しないと・・・」

平行線が続いた。

「どうしても抑えをさせたいのであれば、トレードでもすれば良いじゃないですか」
「えっ。トレード・・・。
　監督。
　このままだと・・・。
　今年も頑張ってくれると思うから、打たれるまでは、先発ではダメでしょうか？」