[1分読書]あたしの実弟の実兄が好きなんだけど・・・血のつながりはありません

無責任

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プロ入り1年目

第67話 キャンプ(2)

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キャンプの夜。
報道陣のいない屋内練習場の中で隠れて練習をしていた。
右投手として。

右打者に対する投球はすごい。
あの緩急と変化球だと打てない。
左打者に対する投球も打ちにくいけど・・・。慣れれば・・・。
右打者より打てる可能性が高い。

対戦した主軸打者の皆様が言っていた。
それは、高校の時から変わらない。

もっと左投手としての投球を磨かなければ・・・。
信繁は悩みながら練習を続けていた。

右投手としての投球を完全に隠して。

スポーツ新聞では、『今年は左投手だけか?』と書かれている。

オープン戦でも左投手としてそれなりの結果が・・・。
防御率は、1点台だ。
不思議と信繁の投げる試合に打線の援護がないけど。
順調な仕上がりだ。

一方、チームでは、トラブル続きだ。
オープン戦の終盤、先発投手候補に怪我が相次いでいる。

結果、先発投手の駒が足りない。

そして、信繁は開幕1軍を勝ち取る。

昨年は、チームの順位が4位。
開幕戦は敵地で迎える事になる。
僕は遠征には帯同しない。

3連敗で迎えた地元開幕戦。
先発を任される事になっているから。

「ひかり、体調はどう?」
「大丈夫だよ」

「明日の試合、見に来てくれないか?」
「いいよ」

「絶対に良い試合にするから・・・」

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