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8.林間学校②
しおりを挟む「……………っち」
あれから何時間だっただろう…。
あいつが帰ってくる気配はない。
(雨も降ってきたし、少し肌寒い。)
俺はまたまたあった薪ストーブと、薪を使って暖を取ることにした。
涙を待っているうちに、涙の言っていたことを思い出した。
『体温が下がる』
そう言えば俺はもう何日もあいつに吸涙をさせていない。
(しょうがない…迎えに行くか。)
俺はドアノブに手をかける。
ドアを押すと何にぶつかる鈍い音がした。
(ん?なんで開かないんだ…)
少し開いたドアの隙間から見えたのは。
涙の姿だった。
「…………っ!? 涙!」
「…………………ぅんっ」
俺は涙を運ぶために、涙の体に触れた。
少しの暖かさもない冷え切ったそれは、
『ロボット』のようだった。
「暖めなきゃ。」
俺は濡れた涙の服を脱がし。
冷え切ったその体を抱き締めた。
「寒………い。」
青白い肌。震える体。
こうしてしまったのは…。
全部俺のせいだ。
こんな時…涙さえ出れば。
「くっ……そっ…」
(なんでこんな時に限って…でないんだ。)
それは、本当に俺には泣く資格がないと
言われているようだった。
「………み…ず…き?」
「涙!大丈夫かっ?」
「ん…ふふ…ちょっと寒いや。」
「……………ごめん。」
「何謝ってるのっ………
水葵はなんにも悪いことしてないでしょ」
こんな時でも無理に笑顔を
作らてしまう俺はこいつと居てはいけないと思う。
「………吸涙…させてやらなかったから」
「……いいんだよ。僕はね。思ったの」
「………え?」
「……やっぱり。好きな子は泣かしちゃダメだなってさ。」
「へ!?好きって…いや、そうじゃなくて
お前このままじゃ死…」
「それでいいかな…なんて…えへへ」
「お前っ何言って…るんだ…よっ」
「ぅっ…………………。」
「涙……? 涙?!」
なんでこうなるんだ。
俺が悪かったって……認めるから。
頼むから………。
「………………ぅっ。」
気づくと俺の目には涙が溜まっていた。
るいの頬に俺の涙が流れ落ちる。
(しょっぱい…。)
俺は涙の唇に、しょっぱいキスをした。
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